投稿日: 2017.05.17 19:00
更新日: 2017.05.17 23:23
更新日: 2017.05.17 23:23
【F1スペインGP無線レビュー】初入賞遠かったアロンソ、「走る意味がない」とリタイア申し出も
Mineoki Yoneya
MCL「良いペースだ、エリクソンとのギャップを縮めている。前には争っている集団がいるぞ」
テンプルが何度も賞賛の無線を入れて鼓舞させようとするが、アロンソは「これじゃ走っていても意味がない」とリタイアの意志を示してきたとチーム関係者は明かす。
なんとか完走させたかったマクラーレンは、戦略変更で最後にソフトタイヤを履いてプッシュさせることを決めた。
MCL「ペースはまだすごく良い。戦略変更を考えているところだ」
実際には3ストップに変更しても順位が下がるだけという計算結果だったが、自主リタイアを訴えるアロンソのモチベーションを維持させるには「新しいソフトタイヤでファステストラップを狙いたい」とソフトタイヤへの交換を希望するアロンソの提案に従うしかなかった。
MCL「オプションとプライムのペース差は予想していた以上に小さい。プランAのままでいこう」
ALO「差はある。もうすぐブルーフラッグが降られるから、その利点を生かそうよ」
51周目にピットインしてソフトタイヤに交換したアロンソは、バルテリ・ボッタスのリタイアによって浮上した14位からマッサに逆転されて15位へと落ちた。
MCL「残り9周だ。最後までマックスペースでいけ。ウイリアムズ勢を捕まえられるか見てみよう」
MCL「MAS(マッサ)より2.9秒速いぞ。彼もブルーフラッグを振られている」
MCL「ナイスワークだ、フェルナンド。次はストロールだ」(58周目、マッサをパス)
そして最終ラップに本人が希望したフルアタックを行ない、ルイス・ハミルトンから0.301秒遅れの4番手タイムを記録してみせた。
マシンパッケージとして、予選パフォーマンスの向上には進化が見えた。レースペースもクリアな状態で走れれば悪くはなかった。
しかしスタートもその後の展開も戦略もVSCも、すべてが裏目に出た。マクラーレン・ホンダとアロンソのスペインGPは真価を発揮しきれないままフラストレーションの溜まるものとなってしまったのだった。