更新日: 2016.03.13 20:40
連載「FACES」第6回:マックス・フェルスタッペン
フェルスタッペンの強みは攻撃性で、チームが「マックスならできる」と判断した作戦を期待どおり、あるいは期待以上にベストの状態で遂行できる点だ。まだ粗削りでミスもするしペナルティも受けるけれど、おそらく、それは早く成長するためにフェルスタッペン自ら許容しているリスクとミス──だから必ず挽回してくる。
「スパのようなレースができたのは、精神的にも、すごくポジティブだ。突き詰めて考えると、あんなに後ろからスタートするのは良い材料じゃないし、もっと前からスタートしたいと思う。それでも、後ろからスタートしても、僕は『あらゆる可能性が、まだ残されている』と考えることができる。難しいとわかっていてもポジティブであり続け、トライする気持ちを失わないでいることができる」
出る杭は打たれるのがF1界の不文律。物怖じすることなく攻める「最年少ドライバー」は、これからもきっと批判され、理不尽を経験する。思ったとおりの反論を口にすることによって、スチュワードを敵に回してしまうこともある。
「人と違っててもいいじゃないか」と、ジェームス・キーは言った。
「大切なのは、マックスがドライバーとして自分の考えを持っていることだよ」
丸くなってコース外で巧く立ち回るより、いまのまま、コース上でアタッカーとして成長のカーブを描いてほしいと思う。
レギュレーションの変更によって“最後の最年少F1ドライバー”になったフェルスタッペンには、もっともっと若さを力に変えてほしいと願う。カートで走り始めたときから数えれば、もう14年──こんなに前から、彼は天性の才能と一緒に生きてきたのだから。