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投稿日: 2018.02.27 07:30
更新日: 2018.02.26 22:34

【F1新車分析】メルセデスW09:チャンピオンマシンの基本コンセプトは継続し、さらに最適化


F1 | 【F1新車分析】メルセデスW09:チャンピオンマシンの基本コンセプトは継続し、さらに最適化

(3)トリックサスペンションに替わる工夫
 一方リヤサスペンションに関しては、フロント以上の変更が見て取れる。たとえばウィッシュボーンのホイール側への取り行け方は、昨年型とはかなり違う(青矢印)。

 取り付け部分の突起は、かなり大きいように見える。さらに昨年型はアーム側の固定フックにアッパーアームが垂直に接続されるよう、末端を湾曲させていたのに対し、W09ではアームは真っすぐなままに、むしろ固定フック自体が車体側に傾斜している。


 このジオメトリー変更の意図はおそらく、加減速時のサスペンションの収縮伸長をこれまでと違うやり方で制御したかったのではないか。トリックサスペンション禁止でいっそう難しくなった車高の一定化への、メルセデスとしての回答と思われる。

(4)サイドポッドはあえていじらず

 サイドポッドのデザイン自体は、大きく変わっていない。去年のフェラーリが先鞭をつけ、今季のウイリアムズやレッドブルが追随したサイドポッドを高い位置に引き上げる手法を、メルセデスは採用しなかった。そのため上側のサイドインパクトバーは、相変わらず空気取り入れ口上端にある。形状がやや変更されたことは、赤く塗りつぶした部分の比較で明らかだ。

 一方コクピット上部のエアインテークは、これまでの3分割から4分割に複雑化した。真ん中がエンジン冷却、両側はERS冷却用ラジエターへと新鮮な空気を取り入れる。他のニューマシン同様、エアインテークの形状はやや角張っているのは、ハロによる乱流の影響を極力抑えるためだ。


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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