更新日: 2018.05.08 18:09
デプロイ不足に悩まされたバクー戦、1点獲得もペースに落胆/トロロッソ・ホンダF1コラム
2年前の初開催時にはメルセデスAMGでさえエネルギーマネジメントのプリセットである“ストラット”の一部に計算ミスがあり、デプロイメント切れが頻発する問題に悩まされたルイス・ハミルトンが勝利を失った。今年もレッドブルはリスタート直後に同じような問題に悩まされ、本来のペースでは大きな差があったはずのルノー勢に次々とパスされてしまった。
そして、ホンダもその罠にはまっていた。
「レース序盤にはウイリアムズやペレスに抜かれたけど、ターン20ではもう横に並ばれて、ストレートエンドまでにはもう抜かれてしまっていた。エネルギーマネジメントをもっと上手くやることができなかったか、どうすれば上手くやれたのか、それも見直さなければならないだろう。エネルギーマネジメントに関しては開幕戦からそれほど苦しんではいなかったけど、今週末はこれまでよりも(ライバルとの)差が大きくなってしまった」(ガスリー)
ハートレーに至ってはGPSトラブル、つまりマシン自身がどこを走っているのか誤認して充電・発電する場所を間違えていると疑ったほどだった。F1初入賞を果たしたにもかかわらず彼の表情が曇ったままだったことが、いかに苦しいレースを強いられたかを物語っていた。ケビン・マグヌッセンの危険な幅寄せによって8位入賞のチャンスを失ったガスリーも、その怒りと同時にペース不足への落胆がはっきりと見て取れた。
「レースの展開での中でのエネルギーマネジメントをもう一度見直さなければなりません。レースの展開全てに対してエネルギーマネジメントを最適化できていなかったということです。それは大きな反省点です」とレース後に田辺テクニカルディレクターは語っている。
レース後、ホンダは深刻な雰囲気に包まれていた。開幕戦のMGU-Hトラブルを除けば、パフォーマンス面ではここまで順調に来ていたホンダが今季初めて壁にぶち当たった。その重さがヒシヒシと感じられたアゼルバイジャンの決勝後だった。