更新日: 2019.06.11 10:44
ピレリ「タイヤには厳しいコンディションのなか、見応えのあるバトルが終始展開された」
2019 カナダグランプリ 決勝
2019年6月9日、モントリオール
フェラーリのセバスチャン・ベッテルがトップでフィニッシュしましたが、ベッテルには5秒ペナルティーが課されたことから、カナダグランプリの優勝は、メルセデスのルイス・ハミルトンとなりました。トップ4を占めたフェラーリとメルセデスのドライバーは、4位のバルテリ・ボッタスを除き、我々が最速戦略と予測したミディアムからハードへ繋ぐ1ストップ戦略を採りました。
■キーポイント
・近年で最も高温下でのカナダグランプリ決勝となり、スタート時の気温は30度、路面温度は50度を上回っていました。
・ポールポジションからスタートしたベッテルは26周目に、ハミルトンは28周目にそれぞれピットストップを行いました。両ドライバーは、僅差の中で終始トップ争いを繰り広げました。その闘いは、ベッテルに対してレース・スチュワードから課された『アンセーフ・リエントリー』ペナルティーによって決着しました。
・9番グリッドからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンは、ハードタイヤでの長いオープニングスティント後、ミディアムでのファイナルスティントを走行しました。これと同じ戦略を採ったレーシング・ポイントのランス・ストロールは9位を獲得しました。
・高温のコンディションにもかかわらず、1ストップが主流のレースとなりました。注目すべき例外は、メルセデスのバルテリ・ボッタスでした。ボッタスは、終盤にソフトタイヤへ交換する2回目のピットストップを行い、ファステストラップポイントを獲得しました。
・ルノーは、ソフトからハードへと繋ぐ1ストップ戦略で、今シーズン初めてとなる両ドライバー入賞を果たしました。トップ6で4種類の異なる戦略が実行されました。
各コンパウンドのパフォーマンス
・ハード C3:その耐久性が高温下のレースに適応したハードは、全般的に積極的に使用されました。スタートから48周をハードで走行したフェルスタッペンは、4つのポジションアップに成功しました。
・ミディアム C4:ミディアムは、勝利の鍵を握るタイヤとなりました。トップ10グリッド中、ミディアムでスタートしたドライバーが、フィニッシュ時のトップ4を占めました。レースの序盤、高速のペースにもかかわらず、ミディアムのデグラレーションは予測よりも小さいものでした。
・ソフト C5:高温のコンディションがソフトのサーマルデグラデーションを誘発したことから、ソフトでのスティントは比較的短くなりました。終盤にソフトで計測されたファステストラップは、これまでのラップレコードを更新しました。
ピレリ カーレーシング責任者 マリオ・イゾラのコメント
「スタート時の路面温度が52度という非常に高温なコンディション下、両ドライバー合わせて9回のタイトルを獲得している2人のチャンピオンによる見応えある闘いが終始展開されました。今日のコンディションは、明らかにソフトコンパウンドに影響を及ぼしましたが、ミディアムのサーマルデグラデーションは予測よりも小さいものでした」
「全体的に、タイヤはコンディションの厳しさに対応し、大半のドライバーが1ストップを実行しました。ミディアムからハードへ交換する1ストップ戦略が、今日の最適な戦略でした。また、ハードで長いオープニングスティントを走行したマックス・フェルスタッペンとランス・ストロールは、ハードを上手く活用し、価値あるポイントを獲得しました」