更新日: 2019.08.05 01:12
F1ハンガリーGP決勝:緊迫の一騎打ちを制したハミルトンが今季8勝目、フェルスタッペンはタイヤ戦略で一歩及ばず
チームメイトよりも長く引っ張る戦略をとったベッテルは、39周目にピットインするが作業に5秒を要してしまう。しかしソフトに履き替えてここからレース終盤に勝負する『プランC』で挽回をはかっていく。一方のボッタスは46周目にピットインしミディアムに履き替えて12番手まで後退するが、フレッシュなタイヤでポジションアップを狙う。
しばらくギャップを広げてタイヤやブレーキをクールダウンしたハミルトンは、45周目あたりから再びギャップを縮めていき、フェルスタッペンは「フルパワーを使わせてくれ」と訴える。
メルセデスAMGは48周目にハミルトンもピットインさせミディアムに交換。後方とのギャップは充分にありポジションを失わないため、ここでタイヤのグリップ差を生かしてピットストップ分をコース上で挽回し、さらにコース上でフェルスタッペンを抜こうという戦略だ。ギャップを縮めた上で先手を打ったことでレッドブルは同じ戦略で追随することができなかった。
ハミルトンは「これが正しい戦略だったのか?」と言いながらも1周1秒速いペースで追い上げていく。51周目にはフェルスタッペンも自己ベストペースで走るがハミルトンはそれより0.6秒速いファステストラップを刻む。しかし53周目あたりからはラップタイムにほとんど差がなくなり、ギャップは15秒から縮まっていかない。
57周目からハミルトンがファステストラップを刻み始めフェルスタッペンとのギャップを縮めていく。60周目を過ぎると両者のペース差は1.5秒近くに広がり、ギャップは見る間に縮まっていく。ハミルトンはタイヤの磨耗がギリギリになるのを覚悟の上でプッシュを続けていく。一方フェルスタッペンは「タイヤが終わった」と訴える。
65周目にハミルトンは0.8秒差まで迫る。レッドブルはフェルスタッペンにディフェンス用にオーバーテイクボタンの使用を許可するが、67周目のメインストレートでインを守るもののDRSを使うハミルトンにあっさりとパスされて首位を奪われた。
フェルスタッペンはたまらずピットインしてソフトに履き替え、1分17秒103を記録してファステストラップを奪うのが精一杯だった。ハミルトンは結局独走でハンガリーGPを制し今季8勝目を挙げシーズン前半戦を締めくくった。
後方では68周目のターン1でフレッシュなソフトを生かしてルクレールをパスしたベッテルが3位に入り表彰台を獲得。4位ルクレール、中団グループトップの5位にはしっかりと最後までタイヤを保たせてガスリーを1.5秒差で抑えきったサインツ。ライコネンが7位、ボッタスが0.735秒届かず8位、9位ノリス、10位アルボンという結果になった。