スペイン人ライターのF1便り:わずか半年でレッドブル昇格を果たしたアルボン、フェルスタッペンより早く躍進を遂げられるか
もちろんクビアトの方がもう少し安定しているが、アルボンがF1ドライバーとして文字通りたった半年の経験しか持ち合わせていないことを考慮する必要がある。なんと素晴らしいことだろう!
数字はすべてを物語ってはいないが、たとえば波乱の展開となった第11戦ドイツGPを見てみれば、クビアトが3位表彰台(12ポイント)、アルボンが6位(8ポイント)を獲得している。
クビアトが3位表彰台という結果を手に入れたことを考慮に入れても、まだアルボンには特筆すべきことがある。それはドイツGPの朝まで、彼はF1マシンをウエットコンディションで走らせたことがなかったのだ。
それでも彼はレースで6位につけ、2019年シーズン前半戦で最高の結果を出したのだ。同じルーキードライバーであるマクラーレンのランド・ノリスも優れた走行で競争力を発揮しているため、アルボンが今年のベストルーキーとまではいえないかもしれないが……。
ガスリーを降格させたことは正しいことだったのだろうか?アルボンをガスリーのシートに据えることは最良の選択肢だったのか?実は、F1のパドック内ではガスリー交代についての話は数戦前から出ていた……。しかし多くの記者たちは、それは悪い冗談であり、どれだけガスリーが苦戦し、レッドブルが外部からどれだけ厳しく見られているのかを表しているだけだと語っていた。
どれだけ多くの記者が、ガスリーがレッドブルで今シーズンを終えることはないと本当に考えていたのか、私には分からない。個人的には、ハンガリーGPの結果を見てガスリーがレッドブルRB15をベルギーGPでドライブすることはないと確信していた。この数戦におけるフェルスタッペンとガスリーとの差はあまりにも大きかった。
レッドブル・ホンダが、今ではメルセデスに次ぐ2番目に優れたF1マシンを有していることを忘れてはいけない。今チームはコンストラクターズランキング3位にあるが、それは彼らのセカンドドライバーであるガスリーが先頭集団で何かが起こらない限りは、基本的に6位より上の順位で戦うことができていないからだ。そしてガスリーの結果はそれを下回ることもある。
チームとしては1台のマシンが優勝を争う一方で、もう1台のマシンがトップ6位以下で苦戦している状況は受け入れられないのだ。最近の数戦ではガスリーはフェルスタッペンに対し1周遅れになることもあった。この事態はどのチームにとっても受け入れがたいことだろう。
私はガスリーが素晴らしいドライバーであることに疑いを持っていない。2018年のガスリーはトロロッソ・ホンダで何度か非常に目覚ましい走行を見せた。またガスリーは2016年のGP2チャンピオンであり、2017年に参戦したスーパーフォーミュラではタイトル獲得まで0.5ポイントのところまで迫っていた。