【F1日本GP無線レビュー】「彼は本当にピットインする?」ボッタス、ハミルトンの執念を危惧も今季3勝目を挙げ6連覇に貢献
一方で好スタートでトップに立ったバルテリ・ボッタス(メルセデス)は順調に2番手ベッテル、3番手ハミルトンを引き離していた。台風によって路面がグリーンになったため想定していたよりもタイヤのデグラデーションは大きく、上位勢は2ストップ作戦を念頭においてレースを戦っていた。
メルセデス-ボッタス:良い展開だ。このまま行け
フェラーリ:我々はプランAだ。ボッタスは4.9秒前方
16周目にベッテルがピットインしてソフトタイヤからソフトタイヤに交換して2ストップであると手の内を明かし、メルセデスAMGはすぐさま翌17周目にボッタスをピットインさせミディアムに交換し、ベッテルの前をキープする。
この時点でボッタスのベッテルに対する優位はほぼ確定だったが、メルセデスAMGは首位のボッタスには2ストップ、そしてベッテルの後方から追うハミルトンには1ストップ作戦を採らせて両者ともに優勝のチャンスを与えようとしていた。
メルセデス-ボッタス:BOX、BOX。君は1ストップ作戦のハミルトンと戦っている
しかしこの作戦を成功させるべく第1スティントを引っ張ったハミルトンもタイヤのデグラデーションは思いのほか早くやってきた。21周目にはピットに飛び込み、ボッタスとは僅か4周しかタイヤの差が得られなかった。
ハミルトン:ものすごくデグ(ラデーション)が進んだよ
メルセデス:OK、BOXしよう
1ストップ作戦がかなりギリギリの線でありリスクが大きいと判断したメルセデスAMGは、ハミルトンを2ストップ作戦に切り替え、2回目のピットストップでオーバーカットで逆転する戦略に出た。
メルセデス-ハミルトン:今P3、ベッテルは2ストップ作戦だ。想定よりもデグラデーションがかなり大きい。1ストップ作戦は失うものが大きそうだ
ベッテルは31周目にピットインし、ハミルトンはステイアウト。
ハミルトン:タイヤはまだ良い状態だ
メルセデス:ベッテルに対して1.5秒セーフだ
ハミルトン:でもトラフィックに引っかかりそうだ
当初は逆転が可能だと考えていたが、ピットアウト後のベッテルのペースは良好で、ピットストップでの逆転は難しくなった。そのためハミルトンは第2スティントをさらに引っ張り、ミディアム対ソフトになる最終スティントでベッテルをコース上で抜く作戦に切り替えた。
逆に首位ボッタスはベッテルに対してさらに大きな優位に立ち、勝利はほぼ確実なものとなった。
メルセデス-ボッタス:今ベッテルに対して10秒セーフだ