更新日: 2020.07.03 18:17
ホンダ山本MD「F1復帰後、初めて最適な準備でシーズンをスタートできる」/開幕直前インタビュー
──そのほか、いつもと異なる点はどのような部分ですか。
山本MD:パドックはFIAが指定する医療用マスク着用が義務付けされています。30日にサーキットに行ったときは私たちはもちろんのこと、ゲートにいたセキュリティスタッフもみんなマスクをしていました。そのほか、レッドブルからもマスクやフェイスシールド、アルコール消毒液も供給されています。
イギリスに自主隔離で2週間いて感じたのは、日本ほどマスク着用率が高くないこと。でも、オーストリアに向かう飛行機ではレッドブルのスタッフは全員マスクをしていたし、サーキットでも100%をマスクしています。F1を再開するために、みんながルールを守っていることを実感しました。
──約4カ月ぶりにサーキットに入ったときの感想は?
山本MD:じつは、30日にサーキットに入るとき、パスをチェックするゲートでブザーが鳴って、10分ほど待たされました(笑)。3月のオーストラリアGPで配布されたパーマネント(年間)パスは、その後(FOM側によって)一旦データがクリアにされて、今回からは再度入場可能なエリアを含め、パスのデータが見直されたものになっているようなのですが、それがなんらかのトラブルによって不具合が出たようで、私以外にも足止めをくらった人が何人かいたようです。
1年ぶりにレッドブルリンクに来て、正直、元気が出ました。戦いの場に戻ってきたという感じです。今年はホンダがF1に復帰して以降、初めて最適な状態で開幕からスタートできる状態にあります。これは選手権を戦う上での原点。そういう意味では、今シーズンは復帰後初めてシリーズを戦う準備ができたと思います。今シーズンはオーストリアGPで登録したパワーユニットでそのままシーズンを戦うことになるので、今シーズンこそ、規定通りの基数で戦い抜きたいです。
![2020年F1バルセロナテスト マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)](https://cdn-image.as-web.jp/2020/07/02184200/XPB_1035721_1200px_5efdabe81fa8b-660x439.jpg)
──オーストリアGPではF1だけでなく、FIA-F2も開幕します。
山本MD:イギリスにいたとき、(ホンダの育成ドライバーである)角田(裕毅)とは電話もしたし、LINEでもやりとりしていました。今シーズン、彼はFIA-F3からF2にカテゴリーが上がったので、まずは一戦一戦きっちり戦うこと。順位がたとえ落ちても、最後まであきらめないで、シーズンを見据えてプロとして仕事することを伝えています。
マクラーレンのカルロス・サインツJr.とランド・ノリスが行ったオーストリアGPに向けてのテストは、角田が所属するカーリンのF3のマシンでした。そこで角田も一緒に走って、かなり接近したタイムを出していたようです。『サインツにはちょっとだけ負けましたが、ノリスには勝って非常に充実したテストでした』と言っていました。
彼とは定期的に話をしていて、会話だけの印象ですが、一皮向けて大きく成長したなと感じました。チームとのコミュニケーション、クルマの走らせ方に関しても「いい感じです」と言っていて、今年楽しみなひとりです。
(昨年までホンダの育成ドライバーだった)松下(信治)は今年からホンダの育成ドライバーではなくなりましたが、いまもLINEでやりとりしていて、サーキットで会って話ができればうれしいですというメッセージはもらっています。ただ、再開後のレースでは原則、チーム間ももちろん、ほかのカテゴリーとの接触も原則、禁止なので、直接会うのは難しそうですね。
![2020年FIA-F2プレシーズンテスト1日目 角田裕毅(カーリン)](https://cdn-image.as-web.jp/2020/03/03021658/1018050426-LAT-20200301-_31I8055-11-660x440.jpg)
![](https://cdn-image.as-web.jp/2020/03/11114945/dazn_1q08364uw0vwm1pke38blvc33f.jpg)