更新日: 2020.07.18 10:13
ホンダF1田辺TD会見:決勝日も降雨の天候に変わりそう「金曜日・土曜日で十分にセットアップを詰めていく必要がある」
──オーストリアは燃費に厳しいサーキットで、他チームもレース後半ではそのたぐいの無線がたくさん飛んでいました。ホンダにとっても難しい戦いでしたか?
田辺TD:難しかったですね。燃費は当然セーブしないといけないのですが、そうすると今度はタイヤやブレーキの温度が上がりがちになる。その辺りは非常に複雑な作業になったはずです。車体側の変化がより大きく出るので、エンジニアがドライバーと話しながらオペレーションしていましたね。燃費セーブだけというより、車体全体のコントロールをしたということです。
──その点でチーム全体の反省点もあるのでしょうか?
田辺TD:特にチームと話はしていません。分かったことはあるのでこの先活かしていこうとは思っています。
──前戦の日曜日は、初日に比べて路面温度が10℃前後下がりました。もし初日と同じように暑かったら、メルセデスとのパフォーマンス差はもっと縮まっていたのでしょうか?
田辺TD:それは分からないですね。どちらのクルマのほうがタイヤに優しいのかなど、そういう要素も含めて少し分からないです。タイヤの摩耗や作動温度域などの詳しいデータは見れていないのでチームに聞いてもらうほうがいいかもしれません。
──今年のメルセデス製パワーユニットが冷却的に厳しいのかどうかというのも、現時点では分からない?
田辺TD:それも分かりません。彼らがどれくらい(冷却用の穴を)開けてたのかをものすごい暑い環境で見たら、彼らのコメントも含めて分かると思うのですが、それ以前のレベルでは難しいです。
──開幕から3週間、ずっとチームバブルという、いわば密閉された環境で過ごしているわけですが、それによる肉体的精神的影響というのはどんなものですか。
田辺TD:関係者全員が定期的にPCR検査を実施して、少なくともパドック内は全員陰性だというのは分かっている。それでも全員がマスクを着用し、頻繁に手や器具の消毒を繰り返している。
そういう物理的環境のなかで誰かひとりでも感染したら終わりという危機感はずっと持っていますね。我々は今回F1開催にこぎ着け、最終戦まで開催し続けるという決意はあるわけで、非常に気をつけながら自己防衛をしています。
その意味ではストレスはかなり高いです。幸い、オーストリアはホテルの環境もよく、緑も豊かで、気持ち的に解放されていました。しかしハンガリーはブダペストの街中でしかも一歩も外に出られない。
とはいえ、水曜日以降サーキットに通い出してからは普段の生活に戻った感じもあります。一方でサーキットでは私はレッドブル側のバブルに入ってますので、アルファタウリ側の車体やパワーユニットなどの現物を直接見に行くことができません。確かめたいことや聞きたいことは電話で問い合わせたり、距離をとって話をしなければならないので、確かに不便な部分もありますね。