更新日: 2020.08.09 08:58
レッドブル・ホンダ分析:「2基目の準備も整った」新パワーユニット投入は戦略の一環。年間開催数には左右されず
その後、F1はトスカーナGPとロシアGPでのレースを発表し、さらにドイツのニュルブルクリンク、ポルトガルのアルガルベ、イタリアのイモラでの3戦を追加。8月7日時点でシーズンは全13戦となっている。もちろん、このままであれば15戦以下となるので、主要4コンポーネントは年間2基までとなる。したがって、1基あたりの耐久・信頼性は6〜7戦は必要となり、5戦目での交換は少し時期が早い。
しかし、FOMは7月下旬にドイツ、ポルトガル、イタリアの3戦を追加することを発表した際、「シーズンは中東で締めくくられるだろう」という表現を使用していた。これはバーレーンとアブダビでのレースが加えられることを示しており、少なくとも2戦が追加され、そうなれば、年間15戦以上になることは確実だ。つまり、1基あたりの耐久・信頼性は5戦程度となる。
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しかし、田辺豊治F1テクニカルディレクターは「年間スケジュールと今回の2基目の投入は関係ない」という。
「もちろん、この先15戦以上になればレギュレーションに従いますが、(現時点では)2基でやりくりしていくということです。だから、5戦後に3基目を入れるつもりで今回2基目を入れたわけではありません」(田辺)
では、なぜこのタイミングだったのか。
「まあ、そこそこ1基目を使っているのと、今年は信頼性の改訂を除いてアップデートできず、同じスペックを年間通して使用していくなかで、2基目の準備も整ったので入れました」
「ただ1基目もまだプールに入っているので、今回入れた2基目とともにこの先もやりくりしていきます。(1基目で)金曜を走ったり、あるいは1基目を週末通して使用することもあります」(田辺)
つまり、今回レッドブル・ホンダは耐久・信頼性の観点からではなく、あえてフレッシュなエンジンを70周年記念GPに投入するために、パワーユニット交換してきたわけである。
攻めの一手に出たレッドブル・ホンダの土日の戦いに注目したい。
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