更新日: 2023.03.03 19:31
ライバルも警戒するアストンマーティンのパフォーマンス。アロンソは台風の目となるか/スペイン人ライターのF1コラム
■古いもの、新しいもの、借りたもの、そして青いもの
西洋の伝統では、結婚式の日に花嫁が何か古いもの、新しいもの、借りたもの、青いものを身につけると縁起が良いとされている。ある意味、毎シーズンの開幕はF1の結婚式のお祝いのようなものだ。将来に向け多くの希望があり、たくさんのゲストがともに祝い、スポーツへの愛情を共有したいのだ。そして気がつくと、2023年プレシーズンテストはそうしたものすべてがそろっていたので、今回も楽しくて魅力的なシーズンになるだろうと信じずにはいられない。
当然ながら一番重要なことは、毎年のプレシーズンテストでは情報がとてもうまく隠されているということだ。毎シーズンごとにより多くの走行時間を目にしているものの、実際に得られる情報はごくわずかというのが現実だ。あるタイミングで各マシンがどれだけの燃料を積んでいるのかはもちろんわからないので、スティントの長さや選ばれたタイヤなどを基に推測する必要がある。各チームの走行計画も不明であり、実際のスピードとペースを推測するのはほとんど不可能だ。
しかしチームやドライバーたちと同様に、ジャーナリストたちも不可能と戦うために存在している。バーレーンでの3日間のテストで、少なくとも多少の光を当てることを楽しみにしている。そしてこれももうひとつの重要なポイントだが、2023年のテストはF1史上最も短いプレシーズンテストで、3日間の走行日と、各チームによるフィルミングデーしかない。使える情報がほとんどないにもかかわらず、大体の推測ができるほどに十分なものを見ることができたという自信はかなりあるので、まあ始めてみよう。