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2016.11.22

MotoGP現地情報:終わりと始まりのバレンシア


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遠藤智のMotoGP現地情報:終わりと始まりのバレンシア

 2016年の最終戦バレンシアGPは、9人のMotoGPライダーの記念撮影で始まった。この9人のライダーたちは、ふたつの新記録を樹立した。ひとつは第6戦イタリアGPから第13戦サンマリノGPまで、8戦連続で異なる優勝者が誕生したこと。シーズン8人の優勝者というのは、2000年に樹立されているシーズン最多記録タイ。しかし、8戦連続で異なるウイナーが誕生したのは初めてのことだった。

 左から、ホルヘ・ロレンソ、バレンティーノ・ロッシ、ジャック・ミラー、マルク・マルケス、アンドレア・イアンノーネ、カル・クラッチロー、マーベリック・ビニャーレス、ダニ・ペドロサ。これで8人。そして右端に立つのが9人目のウイナーとなったアンドレア・ドビツィオーゾで、シーズン最多優勝者記録樹立となった。

 18戦で9人のウイナーが誕生した要因は、共通ECUの採用、ブリヂストンからミシュランにタイヤが変わったこと。そして、不安定な天候が続いたこと。まさに“乱戦”のシーズンとなった。ちなみに、今季の最多優勝者は5勝のマルケスでチャンピオン獲得。ロレンソ4勝、ロッシ&クラッチローが2勝だった。

遠藤智のMotoGP現地情報:終わりと始まりのバレンシア

 開幕前に前売り券が完売したというバレンシア。決勝日は11万50人(3日間で20万2505人)で2年連続11万人越え。リーマンショック後、09~12年までの4年間は8万人前後へと観客は減っていたが、13年以降は10万人越え。バレンシアGPの過去最高の入場者数は07年の13万2500人である。この写真は午前6時半のサーキット前。真っ暗なうちから渋滞が始まっていた。

遠藤智のMotoGP現地情報:終わりと始まりのバレンシア

 2015年のシーズン中にドゥカティが始めて、一気にブームになったウイング。あっという間に全メーカーに波及した。しかし、転倒した際など、突起物がライダーに危害を加える危険性があるということで17年から禁止になった。いまから20年ほど前に一時流行したウイングだが、再び、復活。ベテランの記者、カメラマンにとっては驚きの連続だった。

 エアロダイナミクスの追求となったのは、シーズン中のエンジン開発禁止、共通ソフトウエアの採用、タイヤの1社供給など、だんだんやることがなくなってきたため。なんだかF1のたどった道を追随しているようで複雑な心境だが、グランプリを運営統括するドルナは、そういったことが加熱する前に手を打ったという感じである。


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