MotoGP現地トピックス:スズキの新旧ライダーがオースティンに集結。会見では愛の告白が
開幕前日に、エクスター・スズキのレギュラーライダーのアンドレア・イアンノーネとアレックス・リンス、そして、オースティン出身のレジェンドライダーのケビン・シュワンツに25人目のMotoGPレジェンドになったケニー・ロバーツJrが揃っての記念撮影。
MotoGPレジェンドの会見では、ロバーツ一家勢揃い。ロバーツJrはふたりの子供のパパに。最高峰クラスで初の親子チャンピオンは、親子揃ってレジェンドライダーになり、父ケニーも感激していた。
開幕前日には、シェウエイ・ヘルメットがウェイン・レイニー・レプリカの発売を記念してマルク・マルケスと記念撮影を行った。
お互いのレプリカヘルメットにメッセージとサインを入れて交換した。このイベント、実はその前の取材が予定通りに終わらず、会見場に約30分遅刻してやってきたマルケス。
レイニーは「自分も現役のときは待たせる側だったからね。マルクはスーパースターなんだから仕方ない」と人格者らしいコメントで関係者をほっとさせていた。
開幕前日に行われたアルパインスターのライダー全員の記念撮影。中央が空いているのは、この撮影会に出席できなかったふたりのライダーのため(後で合成するんでしょう)。さて、そこで質問。あとふたりは、だれでしょうか?
Moto2クラスは、開幕戦からし烈な戦いが続いているが、今大会はフランコ・モルビデリの強さが際立つレースだった。開幕3連勝は、2001年の加藤大治郎(この年は開幕4連勝)以来となり、連勝記録に大きな注目が集まっている。
チームメイトのアレックス・マルケスも好調だが、アルゼンチンGPではモルビデリと優勝争いを繰り広げ、最終ラップに転倒リタイヤ。今大会は腕上がりのため後半ペースを落として4位。表彰台を逃した。
その後方には今季2回目の表彰台に立った中上貴晶。中上の後ろの黄色いヘルメットが、湖の後、追い上げて2位になるトーマス・ルティ。今年のチャンピオン争いの顔ぶれが決まってきたようだ。
前戦アルゼンチンGPで転倒リタイヤに終わった中上貴晶が、その雪辱を果たした。
開幕戦カタールGPの3位に続き、今季2回目の表彰台獲得。ほとんどのライダーが1速~5速使いのコースレイアウトだが、中上はこれまで通り2速~6速仕様に。初日にみんなと同じ1速~5速仕様を試して、やっぱりダメということで自分好みの2速~6速仕様に戻した。
そのため初日10番手と、ちょっと遠回りしたが、ダメなことを確認出来たことで、2速~6速仕様に集中できたことが表彰台獲得の要因となった。
HRCからF1部門に移り、8年間F1に携わったが、2008年を最後に古巣のHRCにカムバック。MotoGPを初め、二輪レース部門の責任者として活躍した中本修平HRC副社長がアメリカGPを訪れた。
MotoGPクラスでは、2011年にケーシー・ストーナー、2013、2014、2016年にマルク・マルケスでタイトルを獲得。2016年には、MotoGP、モトクロス、トライアルの3部門の最高峰クラス制覇という快挙を成し遂げた。
2017年4月いっぱいで60歳定年を迎えるが、最後のレースとなったアメリカGPでは、マルケスが優勝、コンストラクターズトロフィーを受け取るために壇上に上がり、感無量の様子だった。
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遠藤智
1957年生まれ 北海道厚岸町出身。小学生の頃は野球少年。中学では柔道、高校時代は吉田拓郎に憧れ、バイクの魅力にもとりつかれる。19歳で上京。平忠彦のメカニックを経験、自身では鈴鹿4耐で優勝、8耐では最高位12位。マン島TT、マカオGPなど海外のレースの経験も豊富。その後、角川書店が発行していたバイク総合誌「ウイリー」でライター兼ライダーとして活躍。1990年からは2輪の世界グランプリを中心に海外レースの取材を開始する。日本スポーツプレス協会(AJPS)会員、国際スポーツ記者協会(AIPS)会員、日本レース写真家協会(JRPA)会員。