MotoGP現地トピックス:ドゥカティの新型カウルはあり? 後半戦はロレンソが速さを取り戻すか
高速サーキットのレッドブル・リンクは、2016年同様、中盤までトップグループは7台。タイヤを温存したいライダーたちの絶妙な駆け引きのなかでレースは進行していった。
後半に入ってマルク・マルケスとアンドレア・ドビジオーゾがグループから逃げ出し、最終ラップの最終コーナーまでし烈な優勝争い。今季最高の戦いとなった。
戦い終えて握手を交わすドビジオーゾとマルケス。エンジンパワーに勝るドゥカティの勝利だった。
ドゥカティ勢優勢の中で予選ではマルク・マルケスが孤軍奮闘のポールポジション獲得。今季5回目のポールポジションは、自身のもつ史上最多記録を更新する通算70回目の快挙。マルケスの速さを感じさせる数字でもある。
決勝は、中盤までトップを走ったホルヘ・ロレンソが後退して4位。ダニ・ペドロサが追い上げて3戦連続表彰台獲得の3位。表彰台でペドロサが身に着けた蝶ネクタイは、大会前にレッドブルのとタイアップで撮影したジュームズ・ボンド007を演じる「スペシャルエージェント026」の最後の締めのシーンとなった。
グランプリのサポートレースとして開催されているレッドブル・ルーキーズカップで、日本の3選手が初めて表彰台を独占した。
優勝は小椋藍(16歳)、2位に真崎一輝(16歳)、3位に山中琉聖(15歳)。2000年の日本GP125ccクラス(現Moto3クラス)で、宇井陽一、上田昇、東雅雄の3人が表彰台を独占しているが、カテゴリーは違うが、17年ぶりの日本人表彰台独占となった。
チェコGP、オーストリアGPともに9万人の観客を集めた。ふたつのサーキットの距離は、約350km。まさに、隣のサーキットでの2連戦となったのだが、それでこの数字は立派のひとこと。ヨーロッパのレース人気を感じさせるものだった。
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遠藤智
1957年生まれ 北海道厚岸町出身。小学生の頃は野球少年。中学では柔道、高校時代は吉田拓郎に憧れ、バイクの魅力にもとりつかれる。19歳で上京。平忠彦のメカニックを経験、自身では鈴鹿4耐で優勝、8耐では最高位12位。マン島TT、マカオGPなど海外のレースの経験も豊富。その後、角川書店が発行していたバイク総合誌「ウイリー」でライター兼ライダーとして活躍。1990年からは2輪の世界グランプリを中心に海外レースの取材を開始する。日本スポーツプレス協会(AJPS)会員、国際スポーツ記者協会(AIPS)会員、日本レース写真家協会(JRPA)会員。