更新日: 2023.11.14 15:31
豪州の“聖地”でSC乱発。ハフとエルラシェールが同点で最終戦マカオへ/TCRワールドツアー第8戦
そして夕刻16時を回って迎えたレース3は、最終ヒートらしく波乱続発の展開となり、ポールシッターのウルティアが5周目にウォールに衝突し、サスペンションが壊れエルラシェールに次ぐ2位の地位をフイにしてしまう。
また、地元キャメロンのプジョーも終盤にエンジンがオーバーヒートしてリタイアを喫し、僚友ジョーダン・コックス(ギャリー・ロジャース・モータースポーツ/プジョー308 TCR)もエンジントラブルでコース上にストップしたため、7周目に2日連続のSCが導入される。
このSCピリオドは残り1周で解除の予定だったが、前述のキャメロンがそれを阻んだことでそのまま隊列走行が延長に。この間、先導走行のスローな状況にも関わらず、アズコナが名物コーナーの“フォレスト・エルボー”でクラッシュする場面もあり、エルラシェールとビョークのリンク&コーがSC先導のままワン・ツーを達成。ハフが3位に滑り込んだ。
「今週末は大変だった。コンペンセイション・ウエイトが最大でも多くのポイントを獲得できる良い位置にいたが、運が味方してくれなかった」と、このSC走行中に右フロントサスペンションを損傷したアズコナ。
「実はレース1のパンクが影響してステアリング系統に不具合を抱え、最後のレース3でそれが具現化した。あんな速度でも突如パワステを失い壁にぶつかった。競争は非常に厳しいものだったが、マウントパノラマでレースをする夢が叶い、本当に楽しかったよ」
そしてこの豪州連戦でポイントを荒稼ぎし、最大40点差もあったギャップを埋めてみせたハフは、自身が最大の得意コースとし、自他ともに認める“スペシャリスト”として、追加ウエイトの搭載もなく同率選手権首位でギア・サーキットに乗り込む。
「我々のメカニックとエンジニアは本当に特別な努力をしてきたが、それらすべての積み重ねの結果、僕はこれまでで最も成功したサーキットに、同率のポイントリーダーで臨むことができる。それはまさに僕らが目指してきたことさ」と続けたハフ。
「南米大陸以降、僕らは一貫性を持って本当に良い一歩を踏み出し、良い得点を決め、賢く、そして膨大なチームワークを発揮した。達成してきたことを心から誇りに思っているし、それはすべてマカオでプレーするためのものだね」
そして2023年のTCRオーストラリアは、レース2でインタークーラーホースが緩むトラブルに見舞われたベイリー・スウィーニー(HMOカスタマー・レーシング/ヒョンデi30 N TCR)が失意の0ポイントとなり、僚友バカンが逆転王座を獲得。改めて、初年度TCRワールドツアー決着の最終戦は、3週連続開催となる11月16~19日に掛けて、前述のマカオ“ギア・レース”で争われる。