更新日: 2024.07.10 17:37
初代大会覇者SVGがまさかの脱落第1号、ボウマンが雨絡みのシカゴで80戦ぶり勝利/NASCAR第20戦
ここで雨量による2回目のコーションが発動し、レースは1時間43分の赤旗中断に突入する。まだトラック上には雨量が残る31周目の再開後、クリストファー・ベル(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)がギブスから首位の座を奪い返すと、34周目にはSVGに続きポールウイナーにも悲運が襲い、ハイドロプレーニングを起こしたカマロZL1の5号車はターン6のタイヤバリアに激突。これでシカゴの主役級と目されたふたりが戦列を去ることに。
ここから終盤の戦略的な判断でフィールドが混乱するなか、ベルとギブス、そしてタイラー・レディック(23XIレーシング/トヨタ・カムリXSE)ら、好調トヨタ陣営が優勝争いを展開し、その背後でジリジリとポジションを上げて来たボウマンが、ステージ2を制したハンドのマスタング“ダークホース”を追い詰め2番手まで浮上してくる。
その前段でタイヤ交換を済ませていたカムリXSE艦隊は、49周目からのファイナルステージ後に前方の車列を掻き分けるのに時間を取られるなか、首位ハンドを51周目に仕留めたボウマンだったが、ここでジョシュ・ベリー(スチュワート・ハース・レーシング/フォード・マスタング)が2回目のクラッシュを喫して最後のコーションが発動する。
首位の48号車のカマロZL1は古いウエットタイヤでステイする判断を下すと、レースは54周目のリスタート時点で長期中断の影響から最大延長時間に到達。最後は各所でクラッシュや接触上等の肉弾戦が頻発するなか、ホワイトフラッグで2番手ハンドを捉えたレディックも、攻めの姿勢でわずかにエイペックスのウォールへタッチするミスを犯して48号車に届かず。3番手にもギブスを従えたボウマンが、最後まで集中力を切らすことなくトップチェッカーを受けた。
「やれやれ……(スプリントカーの事故で)背骨を折って、脳にダメージも負い、それ以来ずっと調子が悪かったんだ」と、2022年のラスベガス以来となる勝利を飾ったボウマン。
「僕はもう一度レースに勝てるチャンスがあるかどうか、疑い始めていたんだ……これは(深酒の)マズい取引になるだろうが、それもこのスポーツの最高の瞬間の一部さ!」