ポール獲得のウィル・ブラウン&スコット・パイ組が今季最初の耐久カップ戦を制覇/RSC第9戦
ドライバー交代を含む義務ピットを挟んで、今度は首位攻防も激化し、先行してブラウンにスイッチしたT8陣営の87号車に対し、5番手発進からオーバーカットを狙った僚友88号車は、ウインカップからフィーニーにチェンジしたアウトラップで、コースに合流した際に接触する事態に陥ってしまう。
「ああ、あの瞬間は緊張した」と、すでにタイヤは温まった状態だったブラウン。「彼(フィーニー)がコースに戻ってきてワイドに走るのを見て、自分も少しプッシュした。その後、並んだ瞬間に2台とも接触してしまい、ともにダメージがないよう願っていた」
一方のフィーニーも「冷えたタイヤでフロントをロックしてしまった」とその瞬間を振り返る。
「若さゆえ……というか冷えたタイヤで、ちょっと熱くなってコースに戻ってきた。戻ってきたときにはウィル(・ブラウン)がそこにいたんだ」と続けたフィーニー。
「かなり接近していたけど、同じくらい難しい衝突だった。フロントをロックするべきじゃなかったし、あんなに深く突っ込むべきじゃなかった。たぶんウィルなら(そこで防御せずとも)僕を捕まえていただろうしね」
「難しい衝突だった。確かに理想的ではないし、お互いに接触したくはない。今年はすごくクリーンなレースをしてきたと思うし、お互いにぶつかることもなかったから、この衝突を忘れて2度とぶつからないようにしたい。信頼こそ重要で、お互いにボディを擦れ合わないように全力を尽くしているが、今回は残念ながらそうなってしまったんだ」
ここからの後半スティントでも、コステッキのマシンが終盤で故障し4回目のコーションが発動すると、残り10分を切ってのリスタートで4番手を争ったマシュー・ペイン(ガース・タンダー組/ペンライト・グローブ・レーシング/フォード・マスタング)とジャック・ルブローク(ジェイデン・オヘダ組/エレバス・モータースポーツ/シボレー・カマロZL1)が接触。後者はタイヤバリアの餌食となり、ふたたびのコーションとなる。
再開されたのは残り3分。ここから首位ブラウンは背後のフィーニーをなんとか抑え切ることに成功し、ジェームズ・ゴールディン/デイビッド・ラッセル組(プレミエアー・レーシング/シボレー・カマロZL1)が最後の表彰台を手にした。
「なんて素晴らしいレースだったんだ。スコット(・パイ)は素晴らしい仕事をした。スタートで彼ら(僚友88号車)が僕たちの背後に来て、ピットシークエンスで彼らがリードしていた瞬間は少し緊張したよ」と出番直前の胸中を明かしたブラウン。
「最後の数周は緊張した。ブロック(・フィーニー)が後ろにいて、彼が襲い掛かってくることは分かっていたから『一歩も間違えないように』と思ったが、最高だった。エンデューロの初戦であるサンダウンで優勝できて本当にうれしい。最高のスタートだ。レッドブル・アンポル・レーシングのみんなに感謝する」
これで週末7位に終わったチャズ・モスタート(ウォーキンショー・アンドレッティ・ユナイテッド/フォード・マスタング)に対し、スタンディングでのリードを189ポイントにまで拡大したブラウン。続く第10戦は、前述のとおりシリーズが誇る最大のイベント『レプコ・バサースト1000』が待ち受け、発表会で展示された40%スケールのクレイモデルではなく、2026年デビュー予定のフルスケール『トヨタGRスープラ・スーパーカー』がマウントパノラマ現地で披露される。