更新日: 2024.10.23 11:23
地元リンク&コーが予選上位占拠もアズコナが今季初優勝。ハフも復帰参戦/TCRワールドツアー第6戦
そうして迎えたレース1は、スタート進行から小雨が降り始めるなか、ほぼ全車がスリック装着でグリーンシグナルを迎える。ここで首位攻防を繰り広げたのは早々にトップランを奪ったビョーク、エルラシェールの2台に、4番手発進から詰め寄ったアズコナのヒョンデとなり、その後はチャイナ登録ドライバーのアクシデントにより、都合2回のセーフティカー(SC)が発動することに。
この2度目のリスタートで雨脚が強まると、明らかにエラントラのペースが上がり、そのままビョークを簡単に追い抜いたアズコナが待望の今季初優勝を手にした。
「スタートで雨粒を見たとき、これが唯一のチャンスだと思ったよ」と、背後ではレインタイヤ換装組も追い上げを見せるなか、余裕の言葉を発したアズコナ。「ドライでは最高で4位までしか出せなかったから、雨はうれしかった。計算してみたら……残り16周、ペースはすごくいいから『勝てる』と。だから、ミスをしないように、いいラインを見つけようとしたんだ。こういうコンディションが好きだから、本当にうれしいよ」
この結果により、ジロラミがリバースポールからレース2に臨み、その背後から“換装組”だったマルコ・ブティ(ゴート・レーシング・チーム/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)を従えターン1に向かったが、そこで先手を奪ったのは2列目発進のキンファに。
ふたたび3周目にSCが出動したものの、その後はポジションを奪還したジロラミにキンファ、そしてエステバン・グエリエリ(ゴート・レーシング・チーム/FL5型ホンダ・シビック・タイプR TCR)がトップ3を形成する。しかし最後の数周でヒョンデへのプレッシャーを強めたリンク&コーが、ホイール・トゥ・ホイールの接触バトルの末に、最終周で首位浮上に成功。地元のキンファがジロラミに0.4秒差で母国勝利を飾ってみせた。
「本当にハッピーだよ! レースはクレイジーだったし、ネストール(・ジロラミ)は良いペースで走っていて、かなりうまくディフェンスしていたが、彼はT3で少しミスを犯した。かなり公平だったと思うし、良いレースだった。地元で勝てて本当にうれしいよ」
レース2終盤に僚友からポジションを譲られたミケリスが8位に入り、依然としてチャンピオンシップでのリードを維持。FIA格式初年度だった2024年FIA TCRワールドツアーは、続く11月14日~17日に伝説的なトラックでもあるマカオ市街地ギア・サーキットで、シーズン最終戦を迎える。