TCRの最新BoP改訂版がリリース。好調クプラは20kg増、苦戦のホンダは10kgの軽減措置
一方、この週末に併催されるピュアETCRは初代チャンピオンの座を賭けた最終戦となり、WTCRモストの週末には2位表彰台獲得でランキング3位浮上に成功し、同じく“弾丸ツアー”で強行出場した同週末のTCRヨーロッパ最終戦では、地元スペインで自身2度目の戴冠を果たしたアズコナが、まずは年間シリーズチャンピオン“3冠”の偉業達成に向け、ふたつ目のクラウン獲得を目指すことになる。
「開幕前は、後輪駆動でリヤアクスルを介して瞬時に沸き上がる圧巻のパワー……それは少し気が遠くなるような感覚で、慣れが必要だと楽観していなかったが、初戦のヴァレルンガで“King of the Weekend”を獲得できたことで『自分が最速ドライバーの一角を占められる』という自信が持てたんだ」とEV初年度を振り返ったアズコナ。
「ハンガリーでも、アラゴンでも好成績を収められたし、家に帰ってリザルトを眺めると『スゴい、ほとんどのバトルで勝っている』と自分でも驚いていたんだ(笑)」
前回の週末はチェコ共和国とスペイン・バルセロナという物理的距離の難しさはありながら、同じTCR規定の同一車種を乗り換える条件だった。しかし、WTCRとピュアETCRでは、同じボディ形状をしていながらパワートレインから駆動方式まで何もかもが異なる。
「この電動マシンはTCRよりも重く、使用するグッドイヤーは全天候型だから、特定のウエットタイヤよりも妥協点を狙って設計されている。雨天のドライブはより慎重になる必要があるし、デフもないからホイールを簡単にロックさせられる。これは間違いなく僕が今までドライブした中でもっとも挑戦的なクルマだ」と認めるアズコナ。
「ダブルヘッダーの週末でクルマを交互に乗り換えるのは、TCR同士よりもさらに困難になる。エンジニアと一緒にデータとビデオを分析するのに時間が必要だし、ブレーキングポイント、パワーマネジメント、ステアリング操作の点でもまるで違う方法が要求される。それでも、5人の王座争いを制するのが僕だったら……とてもうれしいんだけどね!」