更新日: 2022.06.13 16:55
ヒョンデのアズコナが2勝目。ハフとの激闘を制したリンコ&コーのウルティアも勝利/WTCR第3戦
そして迎えた日曜オープニングヒートは、ターン1に向けアズコナがホールショットを奪い、エルラシェールとの攻防を制したベルトンが2番手へ。アウトサイドを回ったマグナスも4番手に浮上し、今季復帰組のマ・キンファ(シアン・パフォーマンス・リンコ&コー/リンク&コー03 TCR)が5番手で続いていく。
さらに後方ではハフが毎ラップのようにポジションを回復し、一方シビックのグエリエリはやはりウエイトの影響からか、ジリジリと順位を落としていく。すると4周目には路面温度の高さから早くもタイヤの状況を気にする展開となり、リーダーのアズコナにも「タイヤを守るよう」指示が飛ぶ。
ベルトンやマグナス、ウルティアにはスチュワードからトラック制限を守るよう警告が出され、マグナスとの度重なるコンタクトにより、マ・キンファにはドライビング面でのアラートが発せられるなか、残り2周の時点でベルトンのアウディがワイドになり2番手から陥落。最終的にアズコナが“ライト・トゥ・フラッグ”を決め、2位エルラシェール、3位ベルトンの表彰台に。懸案のコントロールタイヤも、17周のレースを走り切った。
「この勝利は本当にうれしいよ。オープニングラップは相当に難しくて、ベルトンとエルラシェールからのプレッシャーにさらされた。でもクルマは素晴らしくチームも完璧な仕事をしてくれて、彼らをコントロールすることができたよ」と、開幕のレース2に続いて今季2勝目を挙げたアズコナ。
続くレース2は予選10番手でリバースポールを獲得したウルティアが、早くも4周目に「バイブレーションが出ている」との苦境を訴え、背後のハフに“バンパー・トゥ・バンパー”の勝負を強いられると、7周目のターン1では“帝王”イヴァン・ミューラー(シアン・レーシング・リンク&コー/リンク&コー03 TCR)のインサイドを突いたメディ・ベナーニ(コムトゥユー・チーム・アウディスポーツ/アウディRS3 LMS 2)が接触。このアクシデントで左フロントを破損したアウディがストップし、ここでセーフティカーが導入される。
このインターバルでわずかにタイヤマネジメントの助けを得たウルティアは、9周目の再開後も2番手ハフと3番手のネストール・ジロラミ(ALL-INKL.COM・ミュニッヒ・モータースポーツ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)を従え、苦しみながらもわずか0.380秒差のトップチェッカー。
「僕はまだ生きているようだね(笑)。今日はとても暑くてタイヤに厳しく、本当にタフな条件だった。それに背後のロブはまったくミスを犯さず、至るところに顔を出してきた。こちらが気を抜けば、すぐにでもヤられそうな気配がムンムン漂っていたよ」と語ったウルティアが、自身も選手権ランキングで3番手にジャンプアップする貴重な勝利を得た。
これでレース1勝者のアズコナがポイントリーダーに浮上し、レース2では重たいクルマで「望外の3位表彰台」を得たジロラミが9ポイント差で追う展開となったシーズン。続く2022年WTCR第4戦は、6月25~26日にスペインのモーターランド・アラゴンでの1戦が予定されている。