更新日: 2022.09.13 16:59
トヨタ・カムリのウォレスが“ノーコーション”の最終ステージを制しキャリア2勝目/NASCAR第28戦
「いつだって僕らを悩ませている不幸な問題だ。速いクルマがあるときは、タイヤを吹き飛ばしてクラッシュさせるし、今すぐ速いクルマが欲しいかどうか、わからなくなるよ……」と、火災に続いての不満をこぼしたレディック。
「何度か経験したように、フォンタナではセーブできたが、今回は最悪の場所でパンクした。立て直す間に壁にぶつかり、右フロントのアッパーコントロールアームを壊してしまったんだ。(次戦)ブリストルは懸命に戦わなくちゃいけないね」
そのままステージ1はベルが制し、続くステージ2は107周とこの日の最多リードラップを記録したボウマンが獲り、迎えたファイナルステージ。ボウマンと並んでリスタートを切ったウォレスは、その172周目以降“ノーコーション”となった勝負で安定したラップペースを披露。残り67周でリードを奪うと、背後のベルに対し3秒以上のマージンを築いていく。
ホワイトフラッグでは23XIレーシングの共同オーナーでもあるハムリンに見守られ、トヨタ陣営がウォレスのカップ通算2勝目に華を添えるトップ3独占でのチェッカーとなった。
「このチームと、彼らの毎週の努力を心から誇りに思っている。2年前、すべてが起こる前にデニー(・ハムリン)からのテキストが届き、僕はこの機会に飛び乗った。素晴らしいチャンスをくれたことに、ただただ感謝だ!」と、ウイニングラップでは“ボス”のハムリンとランデブー走行を決め、背後からベルに祝福のバンパーヒットを贈られたウォレス。
「デニーが強くなることはわかっていた。序盤戦の登場人物ではなかったのに、最後は2位フィニッシュ。それは誰もが“最高の日”ではないときに、達成したい戦い方だ。その瞬間を利用してボスを倒すのはクールだけど、今日はただリードを奪っただけだった。彼に心底感謝しているし、(こちらも共同所有者の)MJ(マイケル・ジョーダン)や23XIのすべてのメンバーに『この機会をありがとう、僕のために黙っていてくれてありがとう』と言いたい」と、未勝利に対する周囲の疑念を吹き飛ばし、指をくちびるに当てるジェスチャーで喜びを表現したウォレス。
併催されたNASCARエクスフィニティ・シリーズの第25戦は、6番手からのチャージを見せたノア・グラグソン(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)が、宿敵タイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・スープラ)を降して今季5勝目をマーク。
一方こちらも併催のNASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第19戦は、ファイナルラップでカーソン・ホセバー(ニース・モータースポーツ/シボレー・シルバラードRST)を仕留めたジョン-ハンター・ネメチェク(カイル・ブッシュ・モータースポーツ/トヨタ・タンドラTRD-Pro)が、予選ポールからの2ステージ制覇を含む“クリーンスイープ”を達成。
服部茂章率いるハットリ・レーシング・エンタープライゼスは、トップ10圏内から勝機を伺った16号車タイラー・アンクラムが14位、チェイス・パーディの61号車はピットレーン速度違反により25位でレースを終えている。