更新日: 2023.02.26 18:46
【2023年FIA F2をゼロから学ぶ】岩佐歩夢のタイトル獲得なるか。現行車両最終年の注目ポイント
2023年シーズンのエントリーだが、まず3チームがエントリー名を変更している。2022年まで参戦したチャロウズ・レーシング・システムのエントリーをドイツの『PHMレーシング』が引き継いでエントリー。ただし、2023年シーズンにおいてはチャロウズがメンテナンスを担当するため、エントリー名は『PHMレーシング・バイ・チャロウズ』と、チャロウズの名が残った。
また、イギリスの名門カーリンはロダン・カーズによる買収で『ロダン・カーリン』に。同じくイギリスのハイテックGPは映像・音響機器メーカーのパルスエイト社のスポンサードにより、エントリー名称を『ハイテック・パルスエイト』へと変更。さらに、ビルトゥジ・レーシングは老舗時計ブランド『インビクタ』との提携により、『インビクタ・ビルトゥジ・レーシング』へと名称を変更している。
22名のドライバーのうち9名がFIA F2ルーキーイヤーを迎える。9名全員がFIA F3経験者だ。なかでも注目は2022年のFIA F3王者のビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)、そしてシャルル・ルクレールの弟で、今季岩佐歩夢のチームメイトとなるアーサー・ルクレール(ダムス/フェラーリ育成)だろう。2月14日〜16日にバーレーンで開催されたプレシーズンテストにおいてもチームメイトと遜色ない走りを見せていただけに、参戦初年度からタイトル争いを繰り広げるかもしれない。
そして、そんな新人とも対峙する岩佐歩夢の走りにも大いに注目したい。計算上、F1参戦に必要なスーパーライセンス獲得に向け、『過去3年間でスーパーライセンスポイントを合計40点以上取得』という条件をクリアするべく、2023年の岩佐はFIA F2でシリーズランキング5位(SP:20点)以上に入らなければいけない(現在の持ち点:22点)。
ただ、岩佐の目標はシャルル・ルクレールやジョージ・ラッセル、ニック・デ・フリースらがそうであったように、『FIA F2タイトルを獲ってF1昇格』に違いない。アーサー・ルクレール加入が、ダムス、そして岩佐にどのような刺激と影響を与えることになるかは、2023年シーズンを観戦する上で大きなポイントとなるだろう。
2023年FIA F2開幕戦は3月3〜5日に、F1バーレーンGPのサポートイベントとしてバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される。F1を目指し、F1直下で繰り広げられる若手ドライバーたちの未来を賭けた戦いからは、今年も目が離せない。
■2023年FIA F2エントリーリスト
Car.No | Rookie | Driver | Team | Program |
---|---|---|---|---|
1 | デニス・ハウガー | MPモータースポーツ | レッドブル育成 | |
2 | ユアン・ダルバラ | MPモータースポーツ | – | |
3 | ○ | ゼイン・マロニー | ロダン・カーリン | レッドブル育成 |
4 | エンツォ・フィッティパルディ | ロダン・カーリン | レッドブル育成 | |
5 | テオ・プルシェール | ARTグランプリ | ザウバー育成 | |
6 | ○ | ビクトール・マルタンス | ARTグランプリ | アルピーヌ育成 |
7 | フレデリック・ベスティ | プレマ・レーシング | メルセデス育成 | |
8 | ○ | オリバー・ベアマン | プレマ・レーシング | フェラーリ育成 |
9 | ○ | ジャック・クロフォード | ハイテック・パルスエイト | レッドブル育成 |
10 | ○ | アイザック・ハジャル | ハイテック・パルスエイト | レッドブル育成 |
11 | 岩佐歩夢 | ダムス | レッドブル&ホンダ育成 | |
12 | ○ | アーサー・ルクレール | ダムス | フェラーリ育成 |
14 | ジャック・ドゥーハン | インビクタ・ビルトゥジ・レーシング | アルピーヌ育成 | |
15 | アムーリ・コルデール | インビクタ・ビルトゥジ・レーシング | – | |
16 | ロイ・ニッサニー | PHMレーシング・バイ・チャロウズ | ウイリアムズ育成 | |
17 | ○ | ブラッド・ベナビデス | PHMレーシング・バイ・チャロウズ | – |
20 | ○ | ロマン・スタネ | トライデント | – |
21 | クレモン・ノバラック | トライデント | – | |
22 | リチャード・フェルシュフォー | ファン・アメルスフォールト・レーシング | – | |
23 | ファン・マヌエル・コレア | ファン・アメルスフォールト・レーシング | – | |
24 | ○ | クッシュ・マイニ | カンポス・レーシング | – |
25 | ラルフ・ボシュング | カンポス・レーシング | – |