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投稿日: 2010.05.24 00:00
更新日: 2018.02.23 11:27

【Honda】予選2日目最速はブルーノ・ジュンケイラ 佐藤琢磨は31位で予選通過


予選2日目最速はブルーノ・ジュンケイラ
佐藤琢磨は31位で予選通過

世界で最も長い歴史を持つ自動車レース、インディ500の予選は2日目を迎えた。昨年までは4日間にわたって行われていた予選だが、今年は土曜と日曜の2日間だけとなっている。朝からインディアナポリス・モーター・スピードウェイは快晴に恵まれ、気温がどんどんと上昇していく中で朝9時にプラクティスが始まり、予選は正午から6時間にわたって行われた。
インディ500の決勝に進出できるのは伝統的に33台と決まっている。今年からの新ルールで予選初日には24位までのグリッドが決定。予選2日目は午後1時を前に33個のグリッドが早々と埋められ、インディ500名物のバンプ・アウト合戦が始まった。誰かが予選で速いスピードを出すごとに33人の中で最も遅い予選スピードの保持者が弾き出される。このため、インディ500での予選最終日はバンプデイと呼ばれる。今年のエントリーは37台。4台が予選を通過できないことになっていた。
午後12時50分、ルーキーのジェイ・ハワード(Sarah Fisher Racing)が平均時速223.824マイルをマーク。20分ほど前にアタックしていた佐藤琢磨(KV Racing Technology)が今年のバンプ・アウト第1号となった。前日にアクシデントを起こした佐藤は、初めて行った予選アタックで時速221.622マイルしか出せなかったのだ。

予選初日以上に気温と路面温度が上昇し、バンプデイはスピードを出すのが困難なコンディションとなった。こうなると誰もが考えるのは、気温や路面温度が少しでも下がる予選終了間際の午後6時直前にアタックを行うことだ。どこまでアタックのタイミングを待つのか判断が非常に難しい状況下、もう残り時間が30分を切ろうという午後5時20分過ぎ、トニー・カナーン(Andretti Autosport)がアタックし、どうにかグリッド獲得を果たせそうなスピードをマークした。佐藤は5時41分にコースイン。2度目のアタックで時速224.178マイルを記録し、31位で予選通過を果たした。
予選2日目にグリッドを獲得した中での最速は、ブルーノ・ジュンケイラ(FAZZT Race Team)の平均時速225.662マイル。逆に最も遅いスピードで予選を通過し、最後尾の33番グリッドからスタートすることとなったのはルーキーのセバスチャン・サーベドラ(Bryan Herta Autosport)で、彼の予選スピード時速223.634マイルだった。
決勝進出33台の平均スピードは時速224.974マイルで、史上最速だった2002年(時速228.648マイル)に次ぐ2番目のハイスピードとなった。そして、ポールポジションを獲得したエリオ・カストロネベス(Team Penske)と33番グリッドのサーベドラのタイム差3.0622秒は史上最少であった。
ルーキーは6人が予選を通過し、5人がエントリーしていた女性ドライバーは、インディ500での新記録となる4人が決勝へと駒を進めた。その中からブラジル出身のアナ・ベアトリス(Dreyer & Reinbold Racing)は、時速224.243マイルでルーキー最上位となる21番グリッド獲得となった。
出場ドライバーは国際色豊かで、アメリカ、カナダ、ブラジル、オーストラリア、イギリス、ニュージーランド、日本、ベネズエラ、 南アフリカ、スイス、ベルギー、コロンビアの12カ国にも及んだ。
決勝レースは1週後の5月30日、メモリアル・デー・ウィークエンドの日曜日、午後1時11分にスタートが切られる。

コメント
ブルーノ・ジュンケイラ(25番手)
「ギアボックスのトラブルがあり、十分に走り込まないうちに予選を行うことになった。昨年も予選前に14周ぐらいしかできなかったが、今年は6周だけで、本当に速いラップは2周だけだった。それでもこうして予選を通過できた。私のインディでの経験が大いに役立った。レースでも競争力を発揮できるものと楽しみにしている」

佐藤琢磨(31番手)
「すごい一日になりました。ファンの皆さんには心配をおかけしましたが、インディ500の予選を通過し、決勝に出場できることになりました。予選初日に大きなアクシデントを起こしましたが、チームが一生懸命にマシンを直してくれ、今朝コースを走ってみるとマシンのフィーリングはすばらしいものになっていて、自分の身体にも何も問題がないことがわかりました。昼間に一度アタックを行い、一旦自分たちはバンプ・アウトされましたが、日中は気温が上がってスピードが出せないコンディションだったので、夕方まで次のアタックは待つことにしました。予選終了30分前からはチームも混乱気味になっていました。それでも4周のアタックを気持ちよく行え、グリッドを確保できたのでホッとしています。チームのクルーたちに本当に感謝しています」

トニー・カナーン(32番手)
「ずっと好天が続いていたのに突然ハリケーンが襲ってきた。我々の予選を何かに例えるなら、そんな感じだった。先週プラクティスを走っていた時は、ポールポジションは狙えなくともトップ9に食い込むことはできるだろうと考えていた。ところが予選初日にアクシデントを起こし、そこからは予選通過が目標に変わり、チームメートのマシンからパーツを借りてどうにか予選を通過した。こんなに厳しい予選になるなんて考えもしなかった。今日の暑さは我々の一日をさらに難しいものにしていた。決勝進出を決めることができ、感動している」

ロジャー・グリフィス|HPD レース・チーム・マネジャー
「とてもエキサイティングな予選2日目だった。本当にドラマチックだった。予選終了38分前にカナーンがまだグリッドを確保できていないことを誰が想像しただろう。Andretti Autosportは2回もマシンを組み上げ直し、なんとか決勝進出を果たした。その一方で、驚いたことにポール・トレイシー(KV Racing Technology)が予選落ちを喫した。気温が低いコンディションで速かったマシンが、今日さらに暑くなったことで完全にバランスが崩れてしまったようだ。佐藤は見事に初めてのインディ500出場を決めた。マシンを完ぺきに修復したチームの仕事ぶりがすばらしかった。佐藤はインディアナポリスというコースの難しさを予選までで深く理解したことだろう。予選を通過できなかった人たちも全力を出しきって戦っていた。彼らには来年またチャレンジをしてほしい。 2日間の予選はHondaにとってもすばらしく、そしてエキサイティングなものとなっている。Honda Indy V8エンジンは予選終了までの1週間以上の走行でひとつもトラブルを出していない。来る日曜日の決勝レースは、すさまじいバトルとなることだろう」


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