更新日: 2018.02.23 11:17
【Honda】雷雨により月曜に延期されたレースでウィル・パワーが開幕2連勝
【Honda】雷雨により月曜に延期されたレースでウィル・パワーが開幕2連勝
武藤英紀は14位、佐藤琢磨はアクシデントでリタイア
2010年インディカー・シリーズの第2戦、Hondaグランプリ・オブ・セント・ピーターズバーグは、3月28日の午後に決勝レースのスタートが切られる予定だった。しかし、午後からの強い雷雨により、ファンの安全確保のためにレースは翌日へと延期された。
雨雲は月曜日の朝方までフロリダ半島の東側に居残り続けたが、ほぼ予定通りの午前10時半前、24台のインディカーの頭上にグリーンフラッグは振り下ろされた。
小さな美しいリゾート地のダウンタウンにレイアウトされた全長1.8マイルのストリートコースは、町の南側に位置するヨット・ハーバーの横を駆け抜け、空港の滑走路も利用するもの。低速から高速までバラエティに富む14個のコーナーが配され、抜きつ抜かれつの激しいバトルの舞台となる。
100周で争われたレースにおいて出場24台の作戦は、序盤のフルコース・コーションで早めにピットインするものと、燃料がなくなるギリギリまで走り続ける2パターンに分かれたが、最終的には1つの作戦に集約された。65周目に出されたフルコース・コーション中にほぼ全車がピットインし、残り35周をフルスロットルで戦い抜くというレース展開になったのである。
72周目にトップに躍り出たのは、予選9番手からスタートしたE.J.ヴィソ(KV Racing Technology)だった。ところがその次周、彼は不運にもギアボックスにトラブルが出てスローダウン。トップの座はポールポジションからスタートしたウィル・パワー(Team Penske)の手に戻った。彼は2位に浮上してきたジャスティン・ウィルソン(Dreyer & Reinbold Racing)から執拗なプレッシャーをかけられながらもミスなくゴールまで走りきり、開幕2連勝を飾った。3位には19番グリッドからスタートしたライアン・ブリスコー(Team Penske)が食い込み、4位はエリオ・カストロネベス(Team Penske)のものとなった。
5位でフィニッシュしたのは、昨年度チャンピオンのダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)だった。予選は13番手と振るわず、スタート直後には他車と接触。最後のピットストップを終了した時点では16位を走っていたフランキッティだったが、残り30周強の走りは目覚しく、切れ味鋭い走りで5位にまで浮上したのだった。
武藤英紀(Newman/Haas/Lanigan Racing)は、フルコース・コーションでのピットインをできるだけ遅らせる作戦が的中し、レース中盤に2位までポジションを上げた。しかし、最後となるはずだったピットストップでクラッチにトラブルが発生。エンジンをストールさせて18位まで大きく後退。そこから4つのポジションアップを果たし、14位でゴールした。
インディカーデビュー2戦目を迎えた佐藤琢磨(KV Racing Technology)は、11番グリッドからスタートしてすぐさま9位までポジションを上げる順調さだった。しかし、フロントタイヤがグリップを失って25周目のターン4でタイヤバリアに突っ込み、2戦連続のリタイアを喫した。レース結果も開幕戦と同じく22位となった。
今回のパワーの勝利はキャリア3勝目。セント・ピーターズバーグでは初勝利だが、Team Penskeにとっては昨年に続いての2連勝、そして通算4勝目となった。なお開幕からの2連勝は、2001年のタイトル獲得を果たしたサム・ホーニッシュJr.以来である。