更新日: 2018.09.28 13:33
ERC:開幕戦アゾレス、地元勢を抑えて”ロシアン・ロケット”ことルキヤナクが勝利
午前には地元マガラエスのタイヤがパンクに見舞われ大幅にタイムを失うと、これで楽な展開を手にしたルキヤナクが午後の同ステージで牛の大群に行く手を阻まれコース上でストップ。さらにミゲル・コレイラ(ルノー・クリオR3)がギヤボックストラブルでコース上を占拠すると、再開後にはトーマス・カスペルチェク(フォード・フィエスタR5)は派手なロールオーバーでコース外に転落するアクシデントも発生。そんな波乱をくぐり抜けたルキヤナクは、この日1日でリードを21.8秒にまで拡大することに成功し、盤石の状態で最終日を迎えることとなった。
最終レグ2は、ルキヤナクがブレーキキャリパーからのオイルリークという一歩間違えばすべてを失いかねないトラブルに見舞われつつも、午前のふたつのロングステージで驚異的スパートを披露。2番手モーラとの差を37.8秒にまで拡大すると、それを追うモーラはリミットをわずかに超え、バンクにヒットしスピン。
3番手でスタートしたマガラエスにもリヤデフのトラブルが発生し、サンミゲル最大の都市ポンタ・デルガダに設定されたミッドデイ・サービスに帰還する頃には、首位のふたりに対し30秒以上のタイムを失う結果となった。
午後のループでは安全策をとり、わずかにペースを落としたルキヤナクだが、それでも1分近い大量リードを築くことに成功し、最終SSのフィニッシュ地点からわずか数百メートルという地点では持ち前のショーマン・シップを発揮してドーナツターンも披露。
これで30秒ほどのロスを喫したものの、2番手モーラに16.4秒のリードを維持してフィニッシュ。見事に2018年開幕戦を勝利で飾った。
「最後にドーナツターンでお祝いできて本当にうれしかった。怪我をした間もサポートしてくれたチームやスポンサーのおかげで、こうして戻ってくることができた。僕らはこの素晴らしい結果を得るために全力で働いたんだ」と、喜びを語ったルキヤナク。
2位にモーラ、3位にマガラエスが続き、R5初戦で早くもスピードと才能を見せつけたイングラムが総合4位に入り、ジュニアU28部門を制覇。同じくR5でエントリーしたタマラ・モリナーロ(シュコダ・ファビアR5)が総合14位ながら、ERCレディス・トロフィー部門で勝利を挙げている。