WRC:勝田貴元、トラブルで後退も第13戦スペイン完走。「すべてが将来に向けて意味を持つ学びに」
勝田は「今回のラリーは、自分にとって本当に貴重な経験になりました」と大会をふり返る。
「金曜日(競技初日)朝のステージはとても難しい路面コンディションで、想像していた以上に滑りやすい状態でした。そのためアプローチを変更し、まずはステージを走り抜くことに集中しました」
「そして午後はドライビングを改善し、クルマの性能をもっと引き出すようにしたところ、いいタイムが出たので満足しました。(競技2日目の)土曜日は、前日とまったく違うターマックでの戦いとなりましたが、朝最初のステージでクルマにトラブルが起きてしまいました」
「しかし幸いにもステージを走り切ることができ、チームはサービスでクルマを完璧に直してくれました。午後はステージを初めてフルスピードで走ったので決して簡単ではありませんでしたが、ドイツの時よりも速いペースで走ることができました」
「そして、(競技最終日の)日曜日はとてもいいステージで、より大きな自信を持って走れました。最後までラリーを走り切り、多くの経験を蓄積できたのでよかったと思います。いいタイムを出せたステージもあれば、少しミスをしたステージもあり、そのすべてが将来に向けて意味を持つ学びになりました」
プログラムのインスタクターを務めるヤルッコ・ミエッティネンも「ヤリスWRCで出場した今回のスペインで、タカ(勝田貴元)のドライビングはさらに進化した」と戦いぶりを評価した。
「初めて出た(第10戦)ドイツの時と比べると、全体的に1kmあたり0.5秒以上速くなった。特に金曜日のグラベルステージは本当にいい走りだったと思う。各ステージのセクタータイムを見ると、WRCのトップドライバーに匹敵するスピードの区間もあったんだ」
「もちろん、ステージ全体を通して高いパフォーマンスを発揮する力はまだないが、今後経験を積み重ねれば、世界最高のドライバーたちと対等に戦えるようになるだろう。このラリーでは、注意深く走らなければならない難しい区間がいくつかあったが、タカは一貫性のある走りでミスなく高いレベルでヤリスWRCを操り続けた」
「それこそが、我々の今シーズンの目標のひとつだったから、タカとダンは本当によくやったと思う」
勝田が挑む次なるイベントは11月7~10日に愛知県と岐阜県で開催される『Central Rally Aichi / Gifu 2019(セントラル・ラリー愛知/岐阜2019)』。同大会は2020年11月の開催が決定したラリー・ジャパンのテストを兼ねるイベントだ。
勝田はこの1戦でもヤリスWRCをドライブし、およそ3年ぶりに国内ラリーへ参戦する。
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