更新日: 2022.02.28 13:32
トヨタのロバンペラ、GRヤリスを初優勝に導く「彼の速さは本当に印象的」とラトバラ/WRC第2戦
目下のライバルが脱落し、状況的に楽になったロバンペラだったが、彼もまた早朝からハイブリッドシステムに問題を抱えていた。しかし、若きフライング・フィンはシステムが正常に作動しないなか迎えたSS16でベストタイムを記録し後続とのギャップをさらに拡げると、ボーナスポイントが懸かった最終パワーステージでも2番手タイムを記録してキャリア3勝目、トヨタGRヤリス・ラリー1での初優勝を成し遂げた。なお、ロバンペラの父であるハリ・ロバンペラは、2001年のWRCスウェーデンウイナーであり今回、親子二代でのラリー・スウェーデン優勝が実現している。
ロバンペラは今回の勝利でドライバー選手権首位に立ち、今戦2位でポイントランキングでも2番手となったティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20 Nラリー1)に14ポイント差を築いている。また、2018年以来のチーム復帰を果たしたラッピが総合3位に入ったことにより、トヨタはワン・スリー・フィニッシュを達成。この結果、マニュファクチャラー選手権でもトップに浮上し、選手権2位のMスポーツ・フォードWRTに24ポイント差をつけている。
今シーズンはマニュファクチャラーポイントの対象となる新チーム、TOYOTA GAZOO Racing WRTネクストジェネレーションからシリーズにフル参戦している勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、初日に遅れをとったものの、その後は安定した走行を続け総合4位でフィニッシュ。SS19のパワーステージでは4番手タイムを記録し、ボーナスの2ポイントを獲得した。
「カッレ(・ロバンペラ)は素晴らしい走りでこのラリーを制した。序盤は1番手スタートということもあり、どうなるのだろうかと少し心配だったが、彼はとてもうまく対処し、とくにラリー後半の速さは本当に印象的だった」と語るのは、TOYOTA GAZOO Racing WRTを率いるヤリ-マティ・ラトバラ代表。
「トヨタGRヤリス・ラリー1に初勝利をもたらしたカッレと、それを実現するために頑張ってくれたチームのみんなに感謝したい」
「今朝のエルフィン(・エバンス)のアクシデントは、彼にとって非常に残念なことだった。しかし、エサペッカ(・ラッピ)がチーム復帰後最初のラリーで表彰台に立ったことで、我々は貴重なポイントを獲得することができた」
「また、(勝田)貴元もとてもいい戦いをしたと思う」
ドライバー/コドライバー/マニュファクチャラーの各選手権ランキングでトップに浮上したトヨタが今季2勝目を目指すWRCの次戦第4戦は、4月21~24日に開催される『クロアチア・ラリー』だ。2021年シーズンに初めてWRCイベントとして開催された同ラリーは、全ステージがターマック(舗装路)で実施されるが、コーナーイン側の未舗装路部分をショートカットする“インカット走行”により、多くの砂利や泥が掻き出され、非常に滑りやすくトリッキーな路面コンディションとなるのが特徴のひとつとなっている。