更新日: 2022.10.12 16:47
フェラーリのLMH開発は「順調に進んでいる」とピエール・グイディ。テスト走行距離は1万kmを突破
ハイパーカーのドライビングについて、WEC GTEプロで2度のチャンピオンに輝いたピエール・グイディは、自分にとって新しいテクノロジーである電気ハイブリッドシステムに適応することを楽しんでいると述べた。
イタリアのメーカーは新型LMHマシンの技術的な詳細について口を閉ざしており、これまでに確認されているのは、4輪駆動のハイブリッドという点だけだ。
「この種の四輪駆動は、たとえ超高速であっても素晴らしい」とピエール・グイディは報告している。
「もっと違和感を覚えるかと思ったけど、とてもよくまとまっている。二輪駆動から四輪駆動に変えてもバランスはかなりポジティブで安定している。ただし、セッティングが複雑になった」
「ドライビングスタイルはあまり変わらないと思う。どのクルマでもいつもどおりのセットアップがあり、さらにすべてのソフトウェアがある。僕たちはこれを学び、改善し、できるだけ最善を尽くしてアプローチできるようにしなければならない」
「なぜなら、最終的にはすべてがパフォーマンスになるためだ。GTEと比べると、ソフトウェアの制御の関与の度合いがまったく違うんだ。(GTEが)すでに非常に高いレベルであったとしても、これはもう一歩進んだものだ」
ピエール・グイディによると、ホモロゲーション前のテストプログラムにおいて「もっとも厄介なこと」は、フェラーリがハイパーカーのライバルに対して自分たちを評価することができないことだという。
「最初のレースが始まるまで、自分たちのパフォーマンスがわからないんだ」と彼は言う。
「少なくとも信頼できることが重要だ。そして、できる限りパフォーマンスを向上させる。そうしてようやく、最初のレースでどのメーカーが一番いい仕事をしたかを知ることができる」
「今のところ、走行距離についてはかなり満足している。毎日、毎日、テストをしている。だが、確かに僕たちはいくつかの耐久テストを行う必要がある」
「(開発を)計画どおりに進めるのは簡単なことではない。今のところ、僕たちはそれをやっているから、これはかなりポジティブなことだ」
■9人のドライバーのフィードバックを最大化させる開発方針
フェラーリは、ピエール・グイディとジェームス・カラド、ミゲル・モリーナ、アントニオ・フォコらWECのファクトリーGTドライバーにハイパーカーの開発を任せている。
この中のひとりであるピエール・グイディによると、296 GT3と同時進行で行われているフェラーリLMHのテストプログラムは9人のコアメンバーで構成されているが、各ドライバーがハイパーカーをドライブする機会を与えられているという。
「時間はほぼ均等に配分されていて、自分たちの時間は確保されている」と彼は説明した。
「これは重要なことだ。たとえ誰が(レースで)クルマを運転するかわからなくても、全員が同じように開発に関わっていると感じられるからだ」
「全員を団結させ、一緒になってすべてのフィードバックを最大化しようとするために重要なことなんだ」
「全員がきちんと時間をとって新しいクルマをドライブするため、自分のフィードバックを報告することができる。また、多くのドライビングスタイルや経験レベルからフィードバックを収集することが可能になる」
「僕たちはそれをまとめて、できるだけ早く改善するように努力しているんだ」