ル・マン/WEC ニュース

投稿日: 2023.07.12 06:20
更新日: 2023.07.12 03:09

フェラーリ、性能調整に不満/フルパワーで走れない/抗議提出も却下の理由etc.【WECモンツァ決勝後Topics】


ル・マン/WEC | フェラーリ、性能調整に不満/フルパワーで走れない/抗議提出も却下の理由etc.【WECモンツァ決勝後Topics】

***LMP2クラス3位でフィニッシュしたルイ・アンドラーデ、ロバート・クビサ、ルイ・デレトラズのWRTトリオ(41号車オレカ07・ギブソン)は、ドライバーとチームの両ランキングで2位につけるインター・ユーロポル・コンペティション(34号車オレカ)とそのクルーとのポイント差を10ポイントに拡げた。

***昨年のモンツァで表彰台を獲得したベクター・スポーツによる1年前の再現は、2度の接触によって打ち砕かれた。10号車オレカは、プレマの2台からそれぞれヒット受けた。1度目はマティアス・カイザーが、ドリアーヌ・ピンがドライブする63号車オレカに押されてスピン。2度目はガブリエル・オーブリーが9号車オレカのベント・フィスカールにヒットされた直後、レズモのふたつめの出口でクラッシュを喫した。後者のアクシデントでは2度目のセーフティカーが出動している。

***ベクターチームのボスであるゲイリー・ホランドは次のように語った「そこまでは好調な週末だったが、今日は2度にわたってプレマ勢にヒットされ、彼らに対するペナルティよりもはるかに大きな“ペナルティ”を受けることになった。ここから立ち直る必要があるが、少しうんざりしてきたので、そろそろ(我々に)運が向いてきてもいいんじゃないかな、と思うよ」

***フィスカールはレース後、ベクター・スポーツのガレージに直接謝罪に出向いた。ベクターチームのスポークスマンによると、この接触で10号車オレカのギアボックス・ケーシングが損傷したという。

***LMGTEアマクラスの新チャンピオンとなったニッキー・キャツバーグは、最後のピットストップでタイヤを交換するという決定が33号車シボレー・コルベットC8.Rに損害を与えたと明かした。これによって86号車ポルシェ911 GT3 R(GRレーシング)に後れを取ったコルベットは、クラス3位になるポテンシャルを持ちながら表彰台を逃したという。

***オランダ人はこう振り返った「僕は(86号車ポルシェの)ベン・バーカーより前にいて彼を抑えていたんだ。もし(争っているのが)僕と彼だけだとわかっていたら、昨年と同じようにタイヤを替えなかったと思う。あの時は(86号車の)後ろにいてもよかった気がするんだけど、でも他の2台(優勝した77号車ポルシェと2位60号車ポルシェ)があんなふうに僕らを飛び越えているとはまったく知らなかった。だから、トップ争いをしているつもりだったんだ」

***先月のル・マン24時間レースでクラス優勝を果たした彼は、チームメイトのニコ・バローネとベン・キーティングとともに、ルイ・シボレーの腕時計をコルベット・レーシングのクルー全員にプレゼントした。「それは僕たちドライバーグループのアイデアで、みんなでお金を出し合ったんだ」とキャッツバーグは語った。

***ル・マンでもクラス3位に入ったGRレーシングは、2戦連続で表彰台を獲得した。すでに今季のチャンピオンが決定したGTEアマのランキングで5位につけているドライバーを擁するイギリスチームは、ここ2レースで合計54ポイントのうち45ポイントを獲得している。

終盤2戦を残してWEC LMGTEアマのドライバーズチャンピオンを決めたニコ・バローネ(中央)、ベン・キーティング(左)、ニッキー・キャツバーグ(右) 2023年WEC第5戦モンツァ6時間レース
終盤2戦を残してWEC LMGTEアマのドライバーズチャンピオンを決めたニコ・バローネ(中央)、ベン・キーティング(左)、ニッキー・キャツバーグ(右) 2023年WEC第5戦モンツァ6時間レース

■ライバルも認める最高のパッケージ

***ORT・バイ・TFとアイアン・デイムスは、シーズン終盤2戦を残してGTEアマのタイトルを獲得したコルベットチームを祝福した。

***アイアン・デイムスのラヘル・フレイはSportscar365に次のように語った。「彼らにとって信じられないようなシーズンだったでしょうね。すべてのサクセスバラストを積んでもなお、彼らのクルマはコース上で最強でした」

***来季2024年はLMGT3クラスでシボレー・コルベットZ06 GT3.Rを走らせる、TFスポーツのトム・フェリエ代表は「最強のラインナップ、最速のマシン。彼らはチームとしてミスを犯したことがない。また、今年はFCYの下でピット作業ができないため、ペースがすべてだった」とアメリカンチームを称賛した。

***フレイは、プロトンの99号車ポルシェ963がストップしたことによってFCYが出された後、レースコントロールがセーフティカーを導入したことに驚いた複数の競技者のひとりだった。

***トヨタのバセロンはSportscar365に対し「私たちの生活が少し難しくなるような事態が起きているようだ! コメントはできないが、セーフティカーが必要な状況には見えなかったので、驚いているとしか言いようがない」と述べた。

LMP2クラス2位となった36号車オレカ07・ギブソン(アルピーヌ・エルフ・チーム) 2023年WEC第5戦モンツァ6時間レース
LMP2クラス2位となった36号車オレカ07・ギブソン(アルピーヌ・エルフ・チーム) 2023年WEC第5戦モンツァ6時間レース

***クラス2位でフィニッシュしたアルピーヌ・エルフ・チームは、2020年のル・マン24時間レースでの3位以来となるLMP2ポディウムに返り咲いた。「僕たちのクルマは、今年の初めから改善が続けられており、(この結果は)チームのハードワークが実を結んだことを示している」とシャルル・ミレッシは語った。

***アルピーヌは、ブルーノ・ファミンをアルピーヌ・モータースポーツ担当副社長兼アルピーヌ経営委員会メンバーに昇格させ、ルノー・ブランドのレース活動全般を統括することになった。現在もヴィリー=シャティヨンにあるアルピーヌのモータースポーツファクトリーの責任者であるファミンは、ル・マンで初公開されたアルピーヌA424_β(新型LMDhのプレビューモデル)を開発した技術チームの指揮を執った。

***モンツァ6時間レースの公式観客動員数は6万5000人だった。ル・マンで優勝したフェラーリ499Pが母国凱旋レースに臨むということもあり、“ティフォシ”と呼ばれるフェラーリの熱烈なファンがその多くを占めた。

***このレースではル・マンを3度制したリナルド・カペッロがグランドマーシャルを務めた。また、F1で7度の優勝を誇り、ル・マンにも3度出場しているルネ・アルヌーもFIAとACOのゲストとしてモンツァを訪れていた。

表彰式でトロフィーのプレゼンターを務めた元F1ドライバーのルネ・アルヌー
表彰式でトロフィーのプレゼンターを務めた元F1ドライバーのルネ・アルヌー
フェラーリ499Pとフェラーリ488 GTEエボの凱旋レースとなった2023年WEC第5戦モンツァ6時間には、週末を通して6万5000人の観客が足を運んだ
フェラーリ499Pとフェラーリ488 GTEエボの凱旋レースとなった2023年WEC第5戦モンツァ6時間には、週末を通して6万5000人の観客が足を運んだ


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