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投稿日: 2023.10.30 12:25

ホンダ 2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 レースレポート

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スーパーフォーミュラ | ホンダ 2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 レースレポート

■第8戦

野尻がポール・トゥ・ウイン。レースは序盤のアクシデントで赤旗終了

 10月28日(土)~29日(日)にかけて、全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第7大会(第8戦および第9戦)が鈴鹿サーキットで開催されました。今回は土曜日に第8戦の公式予選および決勝、日曜日に第9戦の公式予選および決勝と、1大会に2レースが開催される形式で、シリーズ最終戦となる第9戦には、伝統ある“JAFグランプリ”のタイトルがかけられます。

 ホンダ/M-TECエンジンを用いるユーザーとして、#1 野尻智紀、#15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、#5 牧野任祐、#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#12 福住仁嶺(ThreeBond Racing)、#50 松下信治、#51 ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、#53 大草りき、#55 ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、#64 大津弘樹、#65 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)ら、6チーム11名の選手が出走しました。#64 大津は負傷欠場中の山本尚貴、#53 大草は事情により欠場した大湯都史樹の代役としての出場です。#53 大草は第8戦がスーパーフォーミュラのデビュー戦となります。

 本大会を迎えた段階で、シリーズポイントランキング首位は94点の#37 宮田莉朋で、2番手には86点の#15 ローソン、3番手に84点の#1 野尻が続き、計算上は51点を獲得している4番手の#20 平川亮、50点で5番手の#38 坪井翔までの5人にチャンピオン獲得の可能性が残されていました。

 28日(土)は朝から快晴となりました。9:30から公式予選Q1A組セッションが10分間で始まり、#15 ローソンが2番手、#6 太田が3番手、#65 佐藤が5番手、#50 松下が6番手でQ2セッションに進出しました。9:45から公式予選セッションQ1B組が10分間で始まり、#1 野尻がトップタイムを出し、5 牧野が4番手、#12 福住が6番手でQ2へ進出しました。

 10:05から始まったQ2セッションでは、各車がタイヤのウォームアップを終えてタイムアタックに入った際、#65 佐藤がコースオフしたためセッションは赤旗で中断となり、残り3分でタイムアタックがやり直されることとなりました。路面温度が低くタイヤのウォームアップが難しい状況の中、#1 野尻がポールポジションを獲得、#5 牧野が3番手、#6 太田が4番手、#15 ローソンが7番手、#50 松下が10番手のスターティンググリッドを手に入れました。

 晴天の下、28日(土)14:30、2023年シリーズ第8戦の決勝レースが始まりました。ポールポジションの#1 野尻はうまく加速して危なげなく第1コーナーへ向かいましたが、その後方では3番手スタートの#5 牧野が出遅れ、代わって4番手スタートの#6 太田が好スタートで#5 牧野をかわすと、2番手スタートの#37 宮田のアウト側から第1コーナーに飛び込んで順位を入れ替えました、しかし、2周目の第1コーナーでは#37 宮田の逆襲を許して3番手に後退しました。

 この間、先頭の#1 野尻は、チャンピオンを争う#37 宮田が2番手に上がるのを確認してレース序盤の組み立てに入ろうとしましたが、4周目の130Rで#64 大津と#36 笹原右京が接触、2台がコースアウトするアクシデントが発生し、セーフティカーが介入すると同時にレースは赤旗で中断されました。アクシデントにより破損したキャッチフェンスの修復には時間がかかるため、当日のレースはここで打ち切られ、3周目通過時点の順位で最終結果が決まりました。選手権ポイントは規定により半減となり、ランキングトップは103.5点の#37 宮田、2番手には6.5点差の97点で#1 野尻が浮上、3番手に88.5点の#15 ローソンが続き、最終戦を迎えることになりました。

2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 第8戦決勝レーススタート
2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 第8戦決勝レーススタート

■第9戦

シーズン最終戦、太田が初優勝を飾る

 10月28日(土)~29日(日)にかけて、全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズ第7大会(第8戦および第9戦)が鈴鹿サーキットで開催されました。今回は土曜日に第8戦の公式予選および決勝、日曜日に第9戦の公式予選および決勝と、1大会に2レースが開催される形式で、シリーズ最終戦となる第9戦には、伝統ある“JAFグランプリ”のタイトルがかけられます。

 第9戦では、ホンダ/M-TECエンジンを用いるユーザーとして、#1 野尻智紀、#15 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)、#5 牧野任祐、#6 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、#12 福住仁嶺(ThreeBond Racing)、#50 松下信治、#51 ラウル・ハイマン(B-Max Racing Team)、#53 大草りき、#55 ジェム・ブリュックバシェ(TGM Grand Prix)、#65 佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)ら、6チーム10名の選手が出走しました。

 前日同様29日(日)も朝から快晴となり、8:50から第9戦の公式予選が始まりました。Q1A組セッションでは#1 野尻、#6 太田、#50 松下、#65 佐藤がQ2セッションへ進出、Q1Bセッションではローソン、#5 牧野、#12 福住がQ2セッションへ進出しました。Q2セッションではまず#1 野尻がベストタイムを出してトップに立ちましたが、その直後#15 ローソンがそれを上回るタイムを記録。さらに、その後、#6 太田が#15 ローソンに続くタイムをマークしました。この結果、ポールポジションは#15 ローソンのものとなって、#6 太田が2番手でフロントロウに並び、#1 野尻は3番手、#37 宮田は4番手とセカンドロウに並びシリーズ最終戦の決勝レースを迎えることになりました。

 29日(日)14:30、シリーズ最終戦JAFグランプリの決勝レースがスタートしました。2番手から#6 太田が好スタートを切ったのに対して、ポールポジションの#15 ローソンはわずかに加速が鈍く、3番手の#1 野尻が#15 ローソンに並びかかる形で1コーナーへ向かいました。#6 太田はトップで1コーナーを抜け、#1 野尻を押さえ込んだ#15 ローソンがそれに続きました。#15 ローソンに先行された#16 野尻は逆に後方から加速してきた#37 宮田にアウトからオーバーテイクされ4番手へ後退しました。

 #6 太田はトップを力走し、14周を走ってピットイン。規定のタイヤ交換を行ってコースに復帰しました。コースに戻った際、前の周にタイヤ交換を行った#15 ローソンが迫ってきましたが、#6 太田はバックマーカーをかき分けながら#15 ローソン、#37 宮田選手を抑え事実上のトップを守り続けました。

 #6 太田、#15 ローソン、#37 宮田がタイヤ交換を終える一方、#1 野尻はピットインを遅らせる戦略を選んで見かけ上のトップに立ち、23周目にピットへ入りタイヤ交換を行いました。しかし、#1 野尻陣営の戦略は実らず、コースに事実上の4番手で復帰すると、タイヤが温まらずにペースが上がらない間に#50 松下の先行を許しました。

 タイヤが温まった#1 野尻はペースを取り戻し26周目の最終コーナー手前で#50 松下をオーバーテイクし4番手に復帰しましたが、その時には3番手の#37 宮田との間隔は15秒以上開いており、さらにポジションを上げることは困難となっていました。結局、#6 太田は#15 ローソンを振り切ってチェッカーフラッグを受け、スーパーフォーミュラデビュー9戦目にして初めての優勝を遂げました。

 2位には1秒539差で#15 ローソンが続き、#16 野尻は4位、#50 松下が7位、#5 牧野が10位に入賞し選手権ポイントを獲得しました。この結果、3位に入賞した#37 宮田が総得点を114.5点としてシリーズチャンピオンとなり、106.5点の#15 ローソンはランキング2位、#1 野尻が106点のランキング3位となりました。チームランキングでは総得点188.5点のTEAM MUGENが109.5点のVANTERIN TEAM TOM’Sを抑えシリーズチャンピオンに輝き2023年シーズンを終えました。

2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 チームタイトルを獲得したTEAM MUGEN
2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 チームタイトルを獲得したTEAM MUGEN

■太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

「初優勝をうれしく思います。今年はスタートで悩むことが多くて、少し不安がありましたが昨日同様うまくいって前に出ることができました。その後は、リアム・ローソン選手のペースがよく、気を抜けない展開となりました。終盤は、後続がどれくらい余裕を持って走っているのかが分からず、メンタル的には本当に苦しいレースでした。最終ラップに入った時、『勝ったな』と思い、同時に『もし勝っても泣かないだろう』と思っていたのですが、コントロールラインを通過した瞬間に涙が出てきました。苦しい前半戦から、後半右肩上がりできて、最後優勝で締められたのは本当によかったと思います。マシンの状態がとてもよく、来年につながるレースになりました。来年もこの勢いでチャンピオン争いができるようにがんばります」

2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2023スーパーフォーミュラ第8戦&第9戦鈴鹿 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

■リアム・ローソン(TEAM MUGEN)

「今年はすばらしいシーズンでしたが、非常にタフなシーズンでもありました。これまでにスーパーフォーミュラを経験していたドライバーと仲がいいのですが、彼らからは、『難しくてレベルの高いシリーズだから結果が出るまで時間がかかるけどがんばれ』と言われていました。私にとっては大きなチャンスだと思ったので全部を吸収しようと思って取り組みました。この週末、私たちのクルマは予選でもレースでも常にスピードのあるすばらしい状態にあり、チャンスがあっただけにチャンピオンシップを獲れなかったのは残念です。F1につながるさまざまなことをスーパーフォーミュラから学ぶことができたと考えています」

■野尻智紀(TEAM MUGEN)

「第8戦は、ファンの皆さんが望んだ形でレースが終わらなかったことを残念に思います。スタートがよかったのでトップで1コーナーに入れましたが、もしかしたら宮田選手の方がいいペースなのかなと感じたので、先頭を走りながらもその後の展開は決して優しいものにはならないだろうと思っていました。第8戦終了時点ではチャンピオンシップでポイント差を縮められたので自分たちに流れが来ているとは思っていました。ただ、第9戦は小さなところの積み重ねができなかったなという印象です。3連覇できなかったことは悔しいですけれど、全力を尽くしたと思います」


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