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投稿日: 2024.05.07 17:10
更新日: 2024.05.07 14:40

【GT500技術レビュー/ホンダ編】シビックだから採用できた“非対称”なチャレンジ精神


スーパーGT | 【GT500技術レビュー/ホンダ編】シビックだから採用できた“非対称”なチャレンジ精神

 シビック・タイプR-GTは2023年7月に岡山でシェイクダウン。暑い日本の夏で高外気温での確認を済ませ、冷却性能に関する不安要素を取り除いている。2024年1月末のセパンテストで初めて高外気温を経験し、そこで課題が見つかったのでは開幕までに慌てふためくことになるのは必至。「セパン後での手戻りは致命的なので、早めにシェイクダウンできたのは良かった」と徃西氏は振り返った。

 熱交換器レイアウト変更の第一の目的は、オーバーハング部分の軽量化による運動特性の改善だ。軽量化分はバラスト的なウエイトとして、車両の中心方向など自由な場所に持っていくことができる。その結果、回頭性向上などの効果が期待できる。

 NSXと同じレイアウトを引き継いだほうがリスクは抑えられる。にもかかわらず大がかりな設計変更に取り組んだのは「これくらい大胆なことを入れていかないと、他社さんの性能向上に追い付いていけない」(徃西氏)との危機感からだ。熟成が進んだ競合他車に対し、これから熟成を図る1年目のクルマを正攻法で持ち込んだのでは、太刀打ちできないのは目に見えている。だから、リスクを承知で高いポテンシャルがあるレイアウト変更を採用したのである。

 インタークーラーの搭載位置がエンジンルームの奥の上から手前の低い位置になったことで、効率良く使えるようになったのもレイアウト変更のメリットだ。これまでインタークーラー用に割り当てていたグリルの開口部は、広くエンジン吸気に使うことができるようになったのもメリットである。熱交換器レイアウトの変更にともない、ボンネットフード上のアウトレット形状も変化。NSX-GT時代に比べ面積は大きく減少している。空力と冷却のバランスに関しては「以前より非常に楽にいろいろ試せている」という。

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