更新日: 2024.08.21 15:42
HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第4戦富士 レースレポート
HOPPY team TSUCHIYA
レース結果報告書
2024 SUPER GT Rd.4 富士スピードウェイ
■日時 2024年8月3~4日
■場所 富士スピードウェイ
■監督 土屋武士
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■車両名 HOPPY Schatz GR Supra GT
■ゼッケン 25
■ドライバー 菅波冬悟/松井孝允/佐藤公哉
■リザルト 予選21番手/決勝リタイア
2ヵ月ぶりの⼀戦
トラブル発⽣で“答え合わせ”もできず
8⽉3〜4⽇に静岡・富⼠スピードウェイで開催されたスーパーGT第4戦『FUJI GT350km Race』。およそ2ヵ月ぶりとなる戦いの場において、No.25 HOPPY Schatz GR Supraは予選21番手からスタートを切るも、決勝序盤でトラブルが発⽣。レース継続は叶わず、惜しくもリタイアで戦列を離れている。
例年以上に厳しい暑さとなっていますが、皆さま夏バテなどせずお過ごしでしょうか? ホピ⼦はチームのみんながあれこれ作業をしてくれているので、相変わらず元気だし、成⻑を続けています。まぁ、何をもって“元気”というのかよくわからないけど(笑)、サーキットで戦う準備は⽇夜⾏われているので、元気と⾔えるのかな!?
前回の鈴⿅戦からおよそ2ヵ月という⻑いインターバルを経て、富⼠スピードウェイへとやってきたホピ⼦。その間、ずーっとチームのガレージでゆったりまったりしていた……わけではありませんよ! この貴重な時間をしっかり有効活⽤し、ブラッシュアップの⽇々を過ごしておりました。
具体的には、7⽉14〜15⽇に宮城・スポーツランドSUGOで⾏われたGTエントラント(GTE)協会主催のGT300テストに参加。実⾛のテストが限定されるスーパーGTだけに、GTEが主催するGT300クラスのテストはとっても貴重な時間! せっかくだからとガッツリいろんなメニューを試すことにしたのです。
ここのところ、チームが⼀番苦戦しているのがタイヤのマッチング。この“4つの⿊くて丸いもの”をどう使うのか、これが本当に難しいようで……。武⼠監督はじめドライバーの皆さん、チームスタッフの皆さんが毎回々々頭を悩ませているんですよね。
ひと⾔でタイヤといっても、中⾝がそれぞれ異なっているわけで、その特性をよーく把握した上でホピ⼦に装着することが望ましいんですけどね。ただ、タイヤのことがわかったとしても、そのパフォーマンスを最⼤限引き出すために、ホピ⼦をチューニングしなきゃいけない。そのチューニングも正しい⽅向でないと、タイヤだってキチンとお仕事できない。
そもそも、解を出すこと⾃体が簡単じゃない。そこにみんな挑んでレースをしてるわけだし。ホピ⼦としては、持ってる⼒を少しでもたくさん、ううん、100%出せるように! という気持ちはあるので、それがうまく形となる⽇を待つだけです。
ただ、テストでたくさんトライしたメニューから、絶対これだ! という答に絞り込むところまではいかなかったんです。なので、富⼠には菅⽣テストで得たデータをもとにして、ミーティングでいろんな仮説を⽴てて、富⼠仕様のホピ⼦となりました。
武⼠監督も、「これまで、全然違うところへ⾏ったり来たりしてたと思う。テストで⼤きな⼀歩を踏み出せたと思うので、ようやくやっとスタートラインに着けたのかな。このレースウイークで、テストの答え合わせをする」と⾔ってたけど、果たしてどんな結果になるのやら……。
今回、富⼠は初めての350kmレースでした。今まで、開幕戦の岡⼭や最終戦のもてぎでは300kmのスプリントレースをしてきたけど、350kmという距離は初めて。“プラス50km”の影響はあるのか!? 正直、ホピ⼦⾃体あまり違いがわからない(苦笑)。ただ⾔えるのは、何もなければピットインは1 回。ほぼスプリントレースってこと。GT300クラスだと、チームによっては好成績を狙ってタイヤ無交換をする可能性もあるのかな。今回のホピ⼦は、タイヤのマッチングの答え合わせがあるからそういう戦略はないけど。
朝の公式練習は、気温29度、路⾯温度38度のコンディションで始まりました。ひさびさの公式セッションとあって、シャキン! と気が引き締まります。そうそう、報告が遅くなったけど、今回からチームではメカニックスーツが新調されました。暑さ厳しいなか、みんな快適に仕事ができますよね!
ただ、ホピ⼦にはエアコンは未装着。でもクーリングでしっかり対策できてるから⼤丈夫、って冬悟くんも孝允くんも気に留めてない様⼦。まず、冬悟くんがコースインし、持ち込みセットの確認に⼊り、その後も定期的にピットインを繰り返して調整をはじめとする作業を続けました。そのなかで、最終的にチームベストとなる1分40秒557のタイムをマーク。
最終的に孝允くんへ交代したのは、GT500クラスとの混⾛セッションの終盤でした。孝允くんは引き続き、GT300クラスの専有⾛⾏でもステアリングを握り、予選に向けての調整を続けて最後は26番⼿でセッションを終えました。
予選は午後2時25分スタート予定だったけど、直前のF4レース中にアクシデントが発⽣。路⾯にオイルが撒かれたらしく、その処理に時間がかかってしまい5分ディレイとなりました。加えて、直後に開始されるGT300クラスQ1はB組、A組と2組に分けて⾏われるため、路⾯コンディションの差が出ることが懸念され、レースフォーマットが変更されました。
通常、Q1とQ2でのタイムを合算して決勝グリッドを決めるんだけど、今回、Q1のタイムはQ2に向けての組分けのみとし、予選順位はQ2のみのタイムで確定することに。結構直前のアナウンスだったのでちょっと慌てたけど、まぁホピ⼦としてやることは何も変わらないので、まずは気温33度、路⾯温度54度のなか、Q1担当の冬悟くんとコースに向かってアタック開始。午前中の公式練習よりタイムアップした1分39秒980をマークするも、上位16台のアッパークラスには⼊れませんでした。
Q2も似通ったコンディションでアタックがスタート。このタイムのみで決勝グリッドが決まります。チームとしては、ホピ⼦にまだ予選⼀発の速さを求めず、粛々とクルマ作りに着⼿しているのはよーく承知してます。でも、ホピ⼦としては、ちょっとでも気持ちよくアタックしてほしい……。その思いが通じたのか、孝允くんは1分39秒596のタイムをマーク! 冬悟くんのアタック後、セットチェンジしたことも奏効したようで、予選⽇のチームベストタイムを刻んでくれました。結果、翌⽇の決勝は21番手からスタートを切ることになりました。
ただ、予選を終えたふたりのドライバーとしては、まだ⼗分な結果でなかったのは明⽩でした。「前半戦と⽐べてクルマの⽅向性は変わったものの、課題を克服するまでには⾄りませんでした。ペースがなかったです。セッティングに関してもまだ“何かを探している”状態」と冬悟くん。「決勝でもいろいろとチャレンジして、鈴⿅に向けて準備するようなると思う」と教えてくれました。
孝允くんも「鈴⿅に向けていいところ、悪いところをしっかり判断するレースになると思う。しっかり⾛ってデータを集めることに集中できればいいと思っています」とコメントしてました。確かに、武⼠監督も⾔ってたけれど、今回の富⼠は鈴⿅に向けての準備に位置づけているという感じ。とはいえ、レースには違いないのだから、好機をつかんでしっかり結果を出していきたいなと思ったホピ⼦でした。
レースウイークの富⼠は少し薄雲り先⾏の天気ながら、時折強い⽇差しが照りつける暑さに。気温35度、路⾯温度56度と決勝⽇も厳しい暑さがサーキットを包み込みました。そんななか、たくさんの応援をいただき、決勝に向かったホピ⼦。スタートドライバーは冬悟くんが務めました。
オープニングラップではひとつポジションを下げたけど、翌周からひとつ、またひとつとポジションを取り戻す⾛りを披露。その後、ライバルに先⾏を許してしまったものの、11 周⽬にはベストラップを刻むなど、タフな状況のなかでも⼒強く⾛り続けていました。
ただ、正直なところ、思った以上にスピードが出せず、厳しい展開だったんですよね。それをドライバーの⼒量でなんとか踏ん張ってくれてたのです。ところが、そんななか思わぬことが……。
24周⽬に⼊り、突如トラブルが発⽣。冬悟くんは⼤事をとってペースを落としながらダンロップコーナーに向かうと、そのアウト側でクルマを停⽌させました。ピットに戻ることができる場所なら、レース中になにかしら修復可能だったかもしれないけど、こればかりはどうしようもないこと。残念ながら、今回ホピ⼦は皆さんの前でチェッカーを受けることなく戦いを終えました。
悔しさが募るチームのみんなでしたが、⽉末には次の鈴⿅⼤会が控えています。ご⼼配をおかけしましたが、電気系に問題があったことがわかり、その対策にも取り掛かっています。当然ながら納得できるほどの答え合わせもできぬまま、サーキットを去ることになってしまったけど、⾛った分だけデータは増えたし、ドライバーふたりからのフィードバックも得られました。
もちろん、もっともっと時間があれば良いのだけれど、与えられたなかでベストを尽くさないといけないのが、レースの世界。武⼠監督も、「今回得ることができたポジティブな感触を鈴⿅に活かしたい」と⾔ってます。トライしたことがすぐに最⾼の結果へと繋がらなかったとしても、その積み重ねが経験値となってしっかり活かせるときがくることをホピ⼦は信じます!
今度の鈴⿅こそしっかり350kmレースを⾛破し、またその次へと繋げていきたいと思っているので、引き続き応援してくださいね! また鈴⿅でお会いしましょう!
追伸:サーキットにお⾒えになる⽅は、しっかりと暑さ対策を忘れずお越しになってくださいね!