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投稿日: 2024.09.29 12:51

HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第6戦SUGO レースレポート


スーパーGT | HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第6戦SUGO レースレポート

HOPPY team TSUCHIYA
レース結果報告書
2024 SUPER GT Rd.6 スポーツランドSUGO

■日時 2024年9月21~22日
■場所 スポーツランドSUGO
■監督 土屋武士
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■車両名 HOPPY Schatz GR Supra GT
■ゼッケン 25
■ドライバー 佐藤公哉/松井孝允
■リザルト 予選21番手/決勝完走扱いにならず

⾬に翻弄されたSUGO
ピット作業に時間を要し、完⾛扱いならず

 9⽉21、22⽇、宮城県のスポーツランドSUGOにおいてスーパーGT第6戦『SUGO GT300km Race』が開催され、No.25 HOPPY Schatz GR Supraはウエットコンディションのなか、21番⼿からスタートを切った。途中、他⾞と絡むアクシデントに⾒舞われ、イレギュラーピットインを強いられるも、レース復帰を果たして52周を⾛破。チェッカーは受けたが、周回数不⾜により残念ながら完⾛扱いにはならなかった。

 夏の第5戦 鈴⿅が台⾵10号接近の影響を受けて開催延期となったため、前回の富⼠戦からずいぶんと時間が経ってしまいました。ホピ⼦にとって、およそ1ヶ⽉半ぶりのサーキットになりましたが、皆さんいかがお過ごしでしたか? SUGO⼊りの前はまだまだ残暑を感じる天気が多く、いつになったら秋がくるの1? と辟易してた⽮先、SUGOに来たら、いきなり⾬の洗礼を受けるとは! もぅ、どうなってるの!?

 さて、SUGOでのレースですが、去年は富⼠でのクラッシュの後の開催だったので、ホピ⼦はお休みしてたんですよね。だから、またここに戻ってこられたことがとてもうれしく、迎えてくれたファンの皆さんの前で⼒強く⾛りたい! という気持ちでSUGO戦を迎えました。なのに、搬⼊⽇の⾦曜からどうして⾬に降られなきゃならないの、とちょっと恨めしく思った次第です。

 SUGOでのレースは2年ぶりだけど、そのときはポイント獲得も果たしたゲンの良いサーキット。それに、7⽉中旬にはGTエントラント(GTE)協会主催のGT300テストに参加、いろんなメニューに沿ってテストをこなしただけに、そのデータをもって“最新ホピ⼦”の成⻑を⾒てもらえる絶好の機会だと考えてました。

 だけど……、そう、そうなんです。搬⼊⽇翌⽇の予選を迎えた⼟曜⽇になっても、分厚い雲に覆われた空から⾬がずーっと降ってて。もうレインタイヤでしか⾛れない状態! とはいえ、レースの世界は“タラ・レバ”を⾔い出したらキリがないし⾔ってもどうにもならないので、⽬の前の状況をしっかりと⾒て、今できることを忠実にやろうと気持ちを切り替えたホピ⼦でした。

 ⼀⽅、チームとしては皆さんに残念なお知らせをしなければならなかったんです。今シーズンの開幕戦からホピ⼦をドライブしてくれている菅波冬悟くんが、体調不良によって今⼤会をお休みすることとなりました。チームのみんなで回復することを願ってたんだけど、熱が下がらないので、参戦取りやめに。代わって佐藤公哉くんが出⾛してくれることになりました。皆さんご存知のとおり、公哉くんはチームの第3ドライバーであり、シーズン中はずっと帯同してくれているので、チームそしてホピ⼦としてもなーんにも⼼配はありません。今回は、“リザーブドライバー制度”なるものを活⽤し、参戦したんですよね。

 さて、⼟曜⽇の朝は午前9時15分から公式練習がスタートしました。もちろん、本降りの⾬です。気温17度、路⾯温度20度のコンディション! もう驚くしかないホピ⼦です。セッションが始まると、レインタイヤを装着したGT300、GT500両クラスのクルマが続々とコースインする事態となりました。みんな、路⾯の“様⼦⾒”なんてしませんでした。実のところそれには理由があったのです。

 というのも、もし予選実施が叶わない場合は、この公式練習でマークした各⾞のベストタイムを決勝のスターティンググリッドとして採⽤する可能性がある、という話が前⽇にあったから。なので、全⾞、少しでもいい条件下でアタックしようとセッション序盤から積極的にコースインしていたのです。

 もともと他のサーキットと⽐べても距離が短い上にアップダウン差も⼤きく、またエスケープゾーンも決して広いとは⾔えないSUGOだけに、アクシデントやハプニングに遭遇する可能性も⾼くなりがち。クルマのセットアップも難しいコースを⾬のなか⾛らなきゃいけないとなれば、どうしたっていつも以上にドライバーの皆さんも熱が⼊るんでしょう。開始早々からコースアウトやクラッシュもあって、セッション中には合計6回! も⾚旗中断となりました。

 ⾬量はもちろん路⾯温度が低いため、縁⽯に乗ってなくとも挙動が乱れてコントロールできずにコースアウト……そんなシーンもあって肝を冷やしたホピ⼦です。セッション中は孝允くんが無事にドライブしてくれました。ベストタイムは1分34秒335、21番⼿でした。⼀番⾬量が少ない時にクリアラップが取れなかったことが残念だったんですけど、それでも無傷で終わってくれたことが⼀番ですよね。チームのみんなもホッとしていました。

 ⾬は午後に⼊っても変わらず降り続けました。それでも年に⼀度のスーパーGTを観に来てくださったファンの皆さんが、ピットウォークの時間にチームピットに⾜を運んでくださいました。実は、ピットウォーク中は傘が使えないんですよね。気温も低いなか、レインポンチョ等を着⽤して来てくださった皆さんには、感謝しかありません。本当にありがとうございました!

 予選開始予定は午後2時45分。でも思うほど天気は回復せず、10分遅れて開始予定に変わりました。ところがその間に、チーム監督ミーティングが⾏われ、天候回復が⾒込めないことからセッションをキャンセルすることが決まりました。午後3時10分前のことでした。その後、⼩⼀時間ほど2回⽬のピットウォークが⾏われたんですが、冷たい⾬のなかでもずっとサーキットに残ってくださった皆さんの姿を⾒て、改めて決勝での奮闘を誓ったホピ⼦でもありました。なお、予選がキャンセルになったため、決勝のスターティンググリッドは公式練習時の結果が採⽤されることに。ということで、ホピ⼦はクラス21番⼿からのスタートになりました。

HOPPY Schatz GR Supra GT
2024スーパーGT第6戦SUGO HOPPY Schatz GR Supra GT(佐藤公哉/松井孝允)

 迎えた⽇曜⽇。やっぱり⾬になりました。がっかりです(苦笑)。しかも、前⽇よりも激しく降ってるじゃないですかっ! いろんな天気予報のアプリがあるけれど、どれもだんだん⾬の降る時間が⻑くなってて、気持ちが塞がります。サポートレースもスタート時間が何度もディレイされ、ようやくセーフティカースタートしたと思ったらアクシデントがあったりして結局⾚旗終了……。誰も⼤きな怪我などしなくてホッとしたけれど、⾬のレースはいろんな意味でリスクを伴うだけに、午後からのスーパーGTの開催のことが余計に気になったホピ⼦でした。

 当初の予定より、30分遅れで進⾏するとアナウンスされたものの、サーキットは正午あたりから豪⾬に! 横殴りの⾬のなか、オールドライバーズアピアランスもやったけど、いったいこの先どうなるのかと⼼配ばかりが募りました。それでも午後1時には⼩⾬のなかでフリー⾛⾏がスタート。気温17度、路⾯温度18度ながら、上空から薄⽇が差すまで回復し、もう⾬は降ってこないで欲しい! と願ったのは⾔うまでもありません。このセッションでも⾜をすくわれ、スピン、コースアウトするクルマが⾒受けられたけれど、なんとかコンディションキープのままスタート進⾏を迎え、レースに向けてのピット出⼝オープンまでこぎつけました。

 やった! レースができる! と⼼躍ったホピ⼦。そのときスタンドから⼤きな拍⼿が聞こえてきたんです。ずーっとずーっと寒いなか、⾬に濡れながら待っていてくれたファンの皆さんからでした。その様⼦を⾒たとき……ホピ⼦は泣けてきました。モータースポーツが⼤好きな⼈たちの温かい気持ちに触れ、それに応えるレースをしなきゃ! 皆さんに喜んでもらえるようにがんばらなきゃ! と思いました。戦いを前に、いつも以上に背中を押してもらった気がしたんです。ほんとありがたかったなぁ。

 こうして無事、午後2時22分に2周のフォーメーションラップがスタート。まだ不安定な路⾯のためにセーフティカー先導によるレース幕開けになったんですが、4周⽬から事実上のレースとなり、公哉くんが第1スティントを担当しました。とにかく落ち着かないコンディションだからポジションも上がったと思ったら下がってしまうなど、思ったような⾛りができなくて。GT500、GT300両クラスとも⼤⼩さまざまな出来事がコース上で発⽣してたんです。まさにサバイバルな戦いでした。

 ホピ⼦はポジションが下がるなか、20周終わりにピットインしてスリックタイヤへと交換。すぐにペースは上がらないけれど路⾯がドライアップしてくれば、後⽅からの追い上げができるはず! と敢⾏したんです。気も新たにコースへと向かいました。ところが、復帰後しばらくして、別の2台の⾞両と絡むアクシデントに遭遇……接触よって公哉くんは術なくコースサイドにホピ⼦を⽌め、レースはこれを機にセーフティカーが導⼊されることになりました。

 まさかの展開になったものの、ピットで様⼦を⾒守っていたチームは、すぐさま気持ちを切り替えて今できることを探っていました。そして戻ってきたホピ⼦に40分ほどの修復作業を⾏い、再びコースへと送り出してくれたんです。今度は孝允くんと⼀緒にレースに向かいました。⾜元は当然スリックタイヤ! 難しい条件のなかで周回を続け、いい情報を得ることになりました。実は、スリックの新しいタイヤとホピ⼦の相性が良いとわかったんです! ずーっと試してきたなかで、なかなか⾒えなかった答にたどり着いたのかな? アンダーステアが解消⽅向にあることがわかり、もやもやしていたものがなくなりました。すーっと霧が晴れて視界良好! みたいな感じですかね(笑)。

 SUGOでのレースそのものはアクシデント遭遇で“順位”としての結果を残すことはできませんでした。そもそも修復に時間がかかったので、チェッカーを受けても周回数が⾜りず完⾛扱いにはならなかったんです(涙)。残念だけど、規定周回数が決まっているから仕⽅ない。そんななかで、次に繋がるものが⾒つかったのは⼤きな”ご褒美”でもありました。

 武⼠監督も「これでセットアップを進めていける」と安堵してましたよ。前向きな気持ちでSUGOを後にし、次のオートポリス戦へと臨むことができるってうれしいことです。シーズンが後半戦に⼊り、チームによってはシリーズチャンピオンだのランキングだの…… と騒いでるんでしょうが、ホピ⼦たちの戦いはまだまだこれから。⼀歩⼀歩できることを⾒定めて取り組むのみ。SUGOのレースウイークでは、あれこれいろんなことがありすぎたけど、それもレース。なにひとつ無駄なんてものはなく、すべてがこの先に繋がっていくと信じてオートポリスの準備に取り掛かりますね。

 SUGOにお越しくださった皆さん、本当に⾬のなかお疲れ様でした。たくさんの応援が⾝に沁みたレースウイークでした。TVを観ながら戦いの⾏⽅を⾒守っていたファンの皆さんも疲れたのでは? 今度こそ、秋晴れの好天の下でいいパフォーマンスをお⾒せしたいと思うホピ⼦です。またオートポリスでお会いしましょうね!

■レースを終えて
松井孝允

「鈴⿅⼤会の延期に伴い久しぶりのスーパーGTのレースになり、相性の良いスポーツランドSUGOで⾮常に楽しみでした。菅波選⼿が体調不良となってしまいましたが、佐藤選⼿が帯同していたおかげで事なきを得ました。コンディションもウエットとドライの両⽅を判断することができたので、決勝での不運なアクシデントもありましたが後半戦に向けての準備は進んでいるなと感じました。結果は出ていなく悔しいですが、ここからがスタートなので引き続き応援宜しくお願い致します。今回も⾬の中、応援ありがとうございました!」

佐藤公哉

「スーパーGT菅⽣⼤会は体調不良の菅波選⼿の代役でドライブさせていただきました。予選は豪⾬の影響でキャンセルとなりフリー⾛⾏の結果でグリッドが決まり、21番⼿から私がスタート担当しました。ウエット路⾯から乾いていく中でレインタイヤのコンディションが厳しくなりコース上でアクシデント⾞両を⽬視したこともありピットともコミュニケーションをとりピットイン、スリックに交換、給油のみでピットアウトしました」

「アウトラップではまだ路⾯は濡れている箇所が多く⾮常にシビアな状況でしたが、その中SPコーナーで後⽅から来た順位を争っている⾞両の接触にあい戦線を離脱しました。その後なんとかピットまで戻り、修復作業から松井選⼿に交代してチェッカーを受けれましたが周回数が⾜らず完⾛とはなりませんでした」

「多くの思いを背負って⾛っている25号⾞、⾞両を壊してしまったこと、順位を争っている⾞両の邪魔をしてしまったこと、レースの進⾏を乱してしまったこと、申し訳ありませんでした。次戦オートポリスも応援宜しくお願いいたします」

菅波冬悟

「今回はレース直前に体調を崩してしまい⾛ることができず、僕が⾛ることを楽しみにしていただいていた⽅達には本当に申し訳ない気持ちです。佐藤公哉選⼿が代わりにしっかりと⾛ってくれました。ありがとうございます。チームから今回のレースで収穫が多くあったと聞いています。次回のオートポリスラウンドでは今回お休みした分、元気な⾛りを出来るように頑張ります!」

⼟屋武⼠監督

「第6戦菅⽣ラウンドも沢⼭の応援をありがとうございました! 特に⼤⾬の中、現地で⾒守って下さった皆さんには本当に頭が下がります。我々に多くのパワーを送っていただきました。本当にありがとうございました!」

「レースは残念な展開となってしまいましたが、ドライ⽤の新しいフロントタイヤを試すことができ、これまで何をやってもダメだった部分が解消⽅向になったことで、ようやく戦えるスタートラインに⽴てたと感じることができました」

「シーズンも終盤戦に⼊ってしまいましたが、我々はここからが開幕という感じです。しかしまだまだやるべきことは⼭積みですので、しっかりと⼀つ⼀つ積み上げて上位を⽬指していきたいと思います。次戦も応援のほどよろしくお願いいたします!」

HOPPY Schatz GR Supra GT
2024スーパーGT第6戦SUGO HOPPY Schatz GR Supra GT(佐藤公哉/松井孝允)


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