D’station Racing 2024スーパーGT第8戦もてぎ レースレポート
D’station Racing
Race Report – 2024.11.5
dstation-racing.jp
Instagram : @dstation_racing
X : @dstation_racing
Facebook : @DstationRacing
2024 AUTOBACS SUPER GT
Round 8 MOTEGI GT 300km RACE
NOVEMBER. 2 – 3 Qualify :9th / Race:6th
苦手コースでの戦いを勝ち抜き6位入賞を果たす
チャンピオン争いを繰り広げながら、2024年のSUPER GTを戦ってきたD’station Racing。シーズンも残すところ2戦だ。第7戦オートポリスから2週間のインターバルで迎えた第8戦の舞台は、栃木県のモビリティリゾートもてぎ。例年最終戦の舞台だが、今季は第5戦が延期となったことから最終戦ではなく、サクセスウエイトを積んだ状態で臨むことになる。
そんな一戦は11月2日(土)に開幕したが、第6戦SUGO、第7戦オートポリスに次いで3戦連続で雨の予選日となった。午前9時から始まった公式練習も時折雨脚が強くなる状況で、D’station Vantage GT3も藤井誠暢がステアリングを握りコースインしたものの、タイヤの影響か最終コーナーでコースアウトを喫してしまうシーンも。幸いグラベルに止まったのみで車両にダメージはなく、自走でピットに戻った。
その後も雨脚が強まるたびにコースアウト車両が続出し、最終的に専有走行キャンセル含め6回の赤旗中断があった公式練習となったが、藤井は雨量が少ないタイミングで1分58秒547を記録。トップタイムで公式練習を終えた。
その後、昼ごろには一時雨脚は弱まったものの、午後2時から行われた公式予選を前に、ふたたび雨が強くなってしまった。
今回、全車が走行し20分間のなかでアタックするQ1が行われたが、そんななかQ1を担当した藤井は、雨量増加による赤旗中断をはさみながらアタックを展開。2分01秒588を記録し、10番手につけQ2のUPPER 14に進出した。
Q2に出走したのはチャーリー・ファグ。雨、そしていきなり予選でもてぎ初走行となったが、今回も事前のシミュレーターでのトレーニングが功を奏し、1分58秒639を記録。D’station Vantage GT3は9番手で予選を終えた。
終日雨だったもてぎだが、一夜明けた11月3日(日)の決勝日は朝から快晴。周辺道路に渋滞が起き、3万人のファンが詰めかけるなか、午後1時から決勝レースガスタートした。
D’station Vantage GT3のスタートドライバーを務めた藤井は、序盤からフルコースイエローが導入されるなか、大混戦の上位争いの集団でバトルを展開していくが、このコースはミッドシップ車両が速い。またコーナー立ち上がりからのパワーが苦しく、思うように順位を上げられないままレースを進めていくことになった。
そんななか、レースの3分の1を過ぎた19周あたりから、GT300チームのなかでも多くのチームがルーティンのピットインを行っていく。セーフティカーのリスク等も考えると早めのピットインが得策だが、D’station Vantage GT3はピットウインドウの選択肢が狭く、24周を終えピットイン。ファグにステアリングを託した。
タイヤ無交換作戦や二輪交換作戦を採ったライバルたちがファグを先行していたが、タイヤの好パフォーマンスもあり、ファグは初めてのもてぎでのレースながら30周目、40周目と相次いでオーバーテイクをみせ順位を上げていった。さらに、49周目にはGT500車両との接触で1台が順位を落としたことから、6番手に浮上した。
終盤、ファグは#7 M4 GT3、#52 GR Supraと、ともにグリーンのカラーをもつ3台による三つ巴の戦いを展開。サーキットを沸かせたが、直線が速い#7 M4 GT3をかわすには至らず。最後は6位でフィニッシュすることになった。
D’station Vantage GT3は中高速コースが得意で、もてぎのようなレイアウトは比較的苦手とするコースだ。そんななか、ノーミスで掴んだ6位は望外の好結果と言えた。
チャンピオン争いでは上位2台が大量ポイントを得たこともあり、第8戦を終え藤井/ファグ組の王座獲得の権利はなくなってしまった。
迎える最終戦鈴鹿は、第3戦で圧勝を遂げたコース。チャンピオンはなくなったが、最後は勝利を収めシーズンを締めくくるべく臨んでいく。
COMMENTS:
Team Owner:Satoshi HOSHINO
公式予選では9番手だったので、結果的に6位入賞と順位を上げて終えることができたのは良かったです。もてぎはクルマとしてはあまり得意ではなく、雨のなかでの走行となりましたが、ひょっとするとドライコンディションだったらもう少し前に行けたかもしれません。でも難しい状況のなか良い走りをしてくれたと思います。レースでも素晴らしい戦いぶりで、ノーミスで入賞できたのはチームの力だったのではないでしょうか。今回の結果で、ランキングでは上位2台が抜け出してしまいましたが、まだランキング3位は十分に狙える位置だと思っています。最後の鈴鹿は得意なコースですからね。少しでも上位に近づいてシーズンを終えたいです。ご声援ありがとうございました。
Director:Kazuhiro SASAKI
もともとこのモビリティリゾートもてぎはクルマとして得意なコースではないと思っていましたし、苦しいレースウイークになるとは思っていましたが、公式予選では雨のなかドライバーたちが良いアタックをしてくれて9番手につけられましたし、レースでもライバルたちのストレートスピードが速いなかで、粘り強く戦って6位を勝ちとることができたのは、このコースでの戦いを考えるとかなり良い結果になったのではないでしょうか。チーム全員を褒めたいと思います。入賞することができたのは良かったですが、チャンピオンの可能性がなくなってしまったのは悔しいですね。最後の鈴鹿は第3戦でも優勝していますし、なんとか良い結果で一年を終えたいと思っています。
Supervisor:Tetsuya TANAKA
もてぎはあまり得意ではないと予想していましたが、チーム全体のミスもなく、しっかりと走り切って6位を勝ちとることができました。レース後半のペースも悪くなかったですし、最後にもうひとつ順位を上げることはできなかったにしろ、いま持っているなかで最大限の努力を出し切ることができたのではないでしょうか。後悔なくレースを終えられたと思いますし、これ以上ない結果でした。シーズンを考えてもいちばん苦手だと思っていたラウンドで入賞できたことは良かったです。次の鈴鹿は第3戦でポール・トゥ・ウインを飾っていますし、チャンピオンは獲ることができませんでしたが、最後にしっかり優勝して終われるように頑張りたいですね。
Driver:Tomonobu FUJII
もてぎはストップ・アンド・ゴーのレイアウトで、相性が良くないと思っていましたが、ウエット路面だったこともあり予選で9番手を獲ることができました。レースではコーナーの脱出速度が厳しく、苦しい序盤となってしまいましたが、早めにピットインしてチャーリー選手が違う種類のタイヤを履き、そこからはペースも良かったと思います。まわりのトラブルなど、いろいろな要素に助けられて6位に入賞することができました。苦しい一戦のなかでは想定よりもずっと良いリザルトが残せたと思っています。これでチャンピオンはなくなってしまいましたが、最終戦の鈴鹿ではもう一度良いレースをして、今シーズンを良いかたちで終えられればと思っています。
Driver:Charlie Fagg
もう毎戦のことだけれど、モビリティリゾートもてぎを走ることは自分にとって初めてだったんだ。でもそれがいきなり予選でひどい雨のなかだとは思わなかったよ。レースでは初めてのドライコンディションだったけど、藤井サンがレース序盤でしっかり仕事をこなしてくれたし、そこから違うタイヤをつけてポジションを取り戻すことができた。タイヤの構造が素晴らしく、プッシュすることができたので、ダンロップには感謝しているよ。もちろんいつももっと上を目指しているけれど、6位という結果は今週考えられるベストなものだったと思う。まずまずの週末になったんじゃないかな。気持ちはもう最終戦の鈴鹿に向かっているし、気持ちはもう集中しているよ!