更新日: 2024.12.24 14:29
HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第5戦鈴鹿 レースレポート
HOPPY team TSUCHIYA
レース結果報告書
2024スーパーGT Rd.5 SUZUKA
■⽇時 2024年12月7〜8⽇
■場所 鈴鹿サーキット
■監督 ⼟屋武⼠
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■⾞両名 HOPPY Schatz GR Supra GT
■ゼッケン 25
■ドライバー 菅波冬悟/松井孝允/佐藤公哉
■リザルト 予選20番手/決勝15位
集⼤成の戦いを⽬指すも
⼊賞を果たせず悔しい結果に
12⽉7〜8⽇、三重・鈴⿅サーキットにおいてスーパーGT第5戦「『SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL』が⾏われた。No.25 HOPPY Schatz GR Supra GTは、予選20番⼿からシーズンラストレースに臨むと、菅波冬悟、松井孝允両選⼿が奮闘して着実にポジションアップ。しかしながら、“あと⼀歩” 及ばず15位で戦いを終えることになった。
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こんにちは、ホピ⼦です。今年は厳しい夏が⻑く、駆け⾜で秋が過ぎ去ったと思ったらあっという間に冬を迎えました。富⼠⼭の初冠雪は例年よりもかなり遅かったというのに、すぐに寒くなったと思いませんか? ホピ⼦にとっては12⽉のレースなんてもちろん初めてのことだけに、いったいどうなるのやらまったく想像がつきませんでした。前回のもてぎでは、予選からのいい流れをキープして是が⾮でも⼊賞を! と張り切っていたのに、まさかのタイヤ脱落⋯⋯。ホピ⼦をブラッシュアップするなかで発⽣したトラブルだったけど、これもまた今後に向けての貴重なデータになったはず。
さて、今回の鈴⿅はシリーズ最終戦に位置づけられているけど、レース名称としては“第5戦”。どうしてって? ホピ⼦を応援してくださっている皆さんならご存知でしょうが、もともと8⽉31⽇〜9 ⽉1⽇で開催予定だった鈴⿅戦が台⾵10号接近の影響を受けて開催延期となったんです。なので、最終戦ながら“第5戦”での開催と
なったんですよね。
鈴⿅でのレースはシーズン2回⽬。前回は6⽉上旬ながらもうすでに暑さが先⾏するなかでの戦いだったので、今回はまったく異なるコンディションでレースに臨まなきゃいけません。気温・路⾯温度ともに低温のなか、タイヤやクルマをどんなかたちで準備してくのか⋯⋯、事前にしっかりと⽅向づけて鈴⿅に向かった次第です。
搬⼊⽇の⾦曜⽇はまだ⽇差しもたくさん出ていて寒さはさほど感じなかったのに、朝晩の寒さは冬到来そのもの。予選⽇の朝もピンとした空気が張り詰めてましたよ。午前9時15分から始まった公式練習では、気温11度でしたが路⾯温度はなんと12度! 12⽉開催が決まったとき、チーム関係者からはタイヤウォーマーの使⽤を! という声も上がったそう。でも、チームによってそれぞれ状況が異なるため、実現しなかったと聞きました。
公式練習では、まず冬悟くんがコースインし、周回を重ねました。まずは“タイヤを温めること”をいちばんに、その後は持ち込みセットのフィーリングを確認。序盤にこのセッションでのチームベストタイムとなる1分58秒650をマークし、その後はピットインを繰り返しつつセットアップを続けました。孝允くんに交代したのは午前10時前。同じように持ち込みセットを確認しつつ、タイヤのフィーリングをつかむように周回しました。
セッション中は、途中でFCY(フルコースイエロー)導⼊の練習も⾏い、その後のGT300クラス専有⾛⾏でアタックシミュレーションもしたかったのですが、チェッカー3分前にシケインでスピンし停⽌したクルマがいたため⾚旗中断となり、残念ながらこのまま⾛⾏も終了に。結果、ホピ⼦は冬悟くんがマークしたタイムで20番⼿で公式練習を終えることとなりました。
午後に⼊ると、次第に温かな⽇差しに恵まれた鈴⿅。公式予選の直前、気温は14度、そして路⾯温度は24度まで上がりました。ただ、数字とは裏腹に冷たい⾵が吹き続けていたこともあり、体感的には正直寒かったかな。そうそう、時期的にタイヤの温まりが難しく、時間も要することを踏まえ、今回はGT500クラスから予選を⾏うことになったんです。
GT300クラスのQ1は午後2時13分から始まりました。時間も5分追加の25分間。時間が⻑くなったからといって、ずーっとコースを周回してタイヤを温めるっていうわけじゃないけれど、最適なタイミングを⾒計らってアタックすることもまた難しく⋯⋯。なにしろ、GT300クラスのQ1は全⾞コースインしてのアタックですからね。
実際、担当した冬悟くんも、セッション開始から10分以上ピットで待機していました。スタート直後からコースインし、早い段階でアタックを済ませてピットに戻ったクルマもいたけれど、ホピ⼦はセッション中盤のタイミングでコースインし、アタック開始。計測4周⽬で1分57秒217をマーク。鈴⿅戦を迎える前から、みんな“コースレコード更新”を話題にしていたけど、やっぱり冬はタイムが伸びまし
た! 冷たい空気によってエンジンパワーもアップするんだそうで、ホピ⼦も第3戦の鈴⿅より3秒ほど速いタイムで⾛れました。
このまま、Q2でのU14グループに⼊れるかぁ、と思ったんだけど、惜しくも“3つ”⾜らなくて。17番⼿でアタックを終えることに。⼀⽅、孝允くんが出⾛したL15グループのQ2が始まるころには、すでに気温は19度まで降下。ホピ⼦にとっては難しい状況になりました。結果、孝允くんのベストタイムは1分57秒805。Q1とQ2の合算タイムによって、ホピ⼦は総合20位に。なんとしても、レースでは⼊賞⽬指し
てがんばらないと! と思ったホピ⼦でした。
決勝⽇はさらに冷たい⾵が吹いた鈴⿅。これが“鈴⿅おろし”なんだなぁと。これ、鈴⿅⼭脈から伊勢湾へ向けて吹く冷たく強い北⾵のことですが、間違いなくその⾵が吹き付けていたと思います。現場観戦の皆さん、⼤丈夫でしたか? 体調崩さなかったですか? ほんと、寒いなかのご来場、ありがとうございました。
さぁ、泣いても笑っても今シーズンのラストレースの幕が上がります。ホピ⼦にとって、シーズン全8戦のスターティンググリッドからスタートを切れたことをまず感謝したいです。もちろん、もっといい予選順位からスタートして、もっといろんなライバルとバトルをして、さらには表彰台争いも⋯⋯、そういう思いもありましたよ。
でも、前年のことを考えたら、まずは1戦1戦、皆さんに戦う姿を⾒せることが先決かな、とも思ったのです。確かに“競争”という舞台なので、ただ出⾛しているだけでは“お話し”にならないし、⽢い世界でもないですよね。
とはいえ、多くの⼈たちに⽀えられ、チームのみんなが⼀⽣懸命いろいろ創意⼯夫して取り組んでいるのを誰よりも知っている武⼠監督の思いが痛いほどわかるから⋯⋯。これまでのレース参戦のなかでも、もっともスローペースで歩みを進めたシーズンだったから、冬悟くんや孝允くん、第3ドライバーながら毎戦チームに帯同してくれた佐藤公哉くんにとっては、相当ストレスも溜まっただろうなって思います。そのなかで、つねにベストを尽くそうと腕を振るってくれたことにも感謝しています。
おっと、レースを前に、話が逸れちゃいましたね。決勝レースは午後12時50分に幕が上がりました。三重県警の⽩バイ、パトカーによるパレードラップを経てフォーメーションラップに⼊りました。予定からさらに1周追加となったため、レースラップは51周に。気温13度、路⾯温度17 度と予選⽇よりもかなり寒さが⾝にしみるなかでの戦いが始まりました。
スタートを担当したのは冬悟くん。20位からのスタートでしたが、タイヤのウォームアップとの兼ね合いでしばしポジションを上げたり下げたりが続いたけれど、早速9周⽬にFCYの導⼊があってリスタートしたり、落ち着かず。GT300クラスでは、まず15周終わりでピットインが始まり、ホピ⼦はというと16周終わりでピットへ。孝允くんにシーズンラストランを委ねました。
どれだけ粘れるか、踏ん張れるか⋯⋯、そんなシーズンの集⼤成の⾛りを⾒せるつもりでしたが、結局のところ後⽅からの“猛追劇”をお⾒せすることはなく、ミスなく周回を続けてチェッカーを受ける⋯⋯、そういう戦いで幕を下ろすこととなりました。結果は15位。振り返ると、全戦で⼊賞を果たせず、ノーポイントに終わりました。
武⼠監督の⾔葉を借りると、「チーム創設以来、初めてノーポイントで終えるという⾮常に苦しいシーズン」になりました。“ホピ⼦の⼒、及ばず”だったのです。武⼠監督としても、昨年のアクシデントからのシーズン参戦を実現させるため、さまざまな点で制約を強いられて遺憾の思いがあったはず。守りに⼊ったわけじゃないけど、やっぱりどこかで⾒えないブレーキが働いたのかも。ホピ⼦もここぞというときにキチンと⼒を発揮できず、忸怩たる思いがありました。
来シーズンに向けて、まわりは“オフシーズン”と⾔うけれど、ホピ⼦には、そういうものは存在しません! 来シーズンに向けてやるべきことがたぁ〜くさんあります。チームのみんなは、あれもやってこれもやって⋯⋯、と頭のなかではスケジュールがびっしりです(笑)。⼀歩⼀歩の進歩はなかなか⽬には⾒えづらいけど、花が咲くときは、⼀気に華やかに咲かせたい! そんな思いをもって2025年ーズンに向けてスタートを切りますね。
来シーズンこそ、ホピ⼦の奮闘にご期待ください。そして、⼀緒に喜びましょう! 最後になりましたが、今シーズンもホピ⼦を応援くださりありがとうございました。来シーズンもサーキットでお会いしましょう!
レースを終えて
菅波冬悟
「最終戦も沢⼭の応援ありがとうございました! 今⼤会は12⽉の極寒のなかでのイレギュラーなレースとなりましたが、無事にチェッカーをうけることができました。今年⼀年⾛り切れたのも、皆様のご協⼒と応援があってのことだと思います。本当にありがとうございました! レースの内容では、ただ純粋に上の順位で争える速さがありませんでした。しかし、ホピコの秘めているパフォーマンスはもっと⾼いと思いますし、チームもそのパフォーマンスを引き出す努⼒をしています。来年はもっと上位で争えると思います! 引き続き応援していただけると嬉しいです!」
松井孝允
「最終戦は何としてでもポイントが欲しかったのですが、なかなか思うような結果が得られず悔しい内容となりました。たくさんの⽅々のお陰で2024年を戦うことができたことを本当に嬉しく思います。個⼈的にもまだまだレベルアップが必要と感じたのでしっかりとシーズンオフは鍛えなおして⾏きます。応援ありがとうございました!」
佐藤公哉
「シーズン最後のGTもたくさんの応援ありがとうございました。ご来場いただいた皆様も寒い中ありがとうございました。今⼤会、私はドライブすることはありませんでしたが、まずは⼤きなアクシデントなく無事にシーズン最後のチェッカーを受けることができよかったと思います。そして、今シーズンはリザーブドライバーとしてチームに迎え⼊れていただき帯同させていただきました。チーム、そして、あたたかく迎え⼊れてくれたサポーターの皆様に感謝申し上げます。また来シーズンも皆様とサーキットでお会いできるのを楽しみにしております。ありがとうございました!」
⼟屋武⼠監督
「この鈴⿅ラウンドで2024年シーズンのスーパーGTのスケジュールが終了しました。開幕前の富⼠合同テストに⾞両製作が間に合い、この鈴⿅のチェッカーまで無事に⾛り切れたことにまずはホッとしています。そしてこのステージに戻してくださった多くの⽀援者の皆さまに深く感謝しています。本当にありがとうございましたm(_ _)m」
「今シーズンは何よりも1年を⾛り切ることを優先にしていたため、レースの結果は不甲斐ないものとなってしまいました。特にドライバーたちには我慢を強いることが多く、申し訳ない気持ちでいっぱいです。最後の鈴⿅も期待した結果には届かなく、応援いただいていた皆さんへいい報告ができなかったことは⾮常に⼼苦しく、申し訳ない気持ちがいちばんにあります」
「ただ、この経験はひとつも無駄にはしていません。チーム全員が成⻑の糧にできた時間だったと、胸を張って⾔えます。この成果を来シーズンにしっかりとお⾒せできるように、すでにガレージでは全開で作業を進めています。もちろん簡単ではありませんが、ひとつひとつ丁寧に、ブレずに前を向いて突き進み、いい結果を掴み取るためにオフシーズンを精進していきます」
「プライベーターが⽣き残るには⾮常に厳しい環境であるとは思いますが、たくさんの皆さんのサポートがある限り、⻭を⾷いしばって頑張っていきます! 本当に今年も温かいサポートをありがとうございました! また来シーズンも応援よろしくお願いいたします!!」