HOPPY team TSUCHIYA 2024スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート
HOPPY team TSUCHIYA
レース結果報告書
2024 SUPER GT Rd.7 オートポリス
■日時 2024年10月19~20日
■場所 オートポリス
■監督 土屋武士
■チーム HOPPY team TSUCHIYA
■車両名 HOPPY Schatz GR Supra GT
■ゼッケン 25
■ドライバー 菅波冬悟/松井孝允
■リザルト 予選8番手/決勝11位
天候不良に⾒舞われたオートポリス
ワンデーレースで奮闘も、あと⼀歩で⼊賞を逃す
10⽉19、20⽇、⼤分・オートポリスにおいてスーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 3Hours RACE』が開催され、No.25 HOPPY Schatz GR Supraはシーズンベストとなる8番⼿からスタート。⼀時は6番⼿までポジションアップを果たしたが、ペースアップが芳しくなく、またレースそのものが4度にわたるセーフティカー導⼊という落ち着きのない展開に。思うようにペースをつかめないまま終盤を迎えることとなり、後続との攻防戦の末に11位チェッカーとなった。
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ご機嫌いかがですか? ホピ⼦です。ようやく秋めいてきましたが、⽇によって天候が⼤きく変わることも多く、体調を崩しかねない感じです。季節の変わり⽬につき、くれぐれもご⾃愛を。と⾔っているなかで迎えた第7戦。舞台は⼤分・オートポリス。阿蘇⼭間部にあり、サーキットへの道中は⾵光明媚なワインディグロードもあり、搬⼊⽇にあたる⾦曜⽇は、ちょうどすすきの穂が秋晴れのなか、キラキラと輝いていました。
第5戦鈴⿅が台⾵で延期され、次の第6戦SUGOは⾬模様。今度こそ、ドライコンディションでのレースを期待していたホピ⼦でしたが、またしても悪天候に翻弄されるレースウィークが待ち受けるとは⋯⋯(涙)。いったいどうなっているのでしょうか。
SUGOに続き、オートポリスでのレースもチームとしては2年ぶり。標⾼が⾼く、且つダイナミックなコースレイアウトで攻め甲斐たっぷり。正直タイヤには厳しくピックアップも多いのですが、しっかり戦うぞ! っていう気持ちを掻き⽴てる場所でもあるのです。当然ながらオートポリスに⾒合ったクルマがどういうものなのか、チームとしてしっかりと準備してサーキット⼊りしたので、あとは菅波冬悟くんと松井孝允くん、そしてチームにいつも帯同してくれている佐藤公哉くんからのフィードバックをもとにレース⽤のクルマへと仕上げていこうと考えていました。
そうそう、シーズンが始まって以来、ずーっと悩み続けているホピ⼦とタイヤとの関係性だけど、前回のSUGOで投⼊した新しい構造のタイヤがいい感じで、これをもとにして今回のオートポリスの準備をしてきたんです。なので、この⼿応えが数値としてしっかりと実証されたらいいな、と思っていたホピ⼦でした。
あぁ、それなのにまたしても⼟曜⽇のサーキットは⾬模様。しかも、⼭間部という場所的な問題もあるのか、朝のサーキットは濃霧ですっぽりと覆われてしまい、⼗分な視界確保ができません。サポートレースのスタートも遅れるなか、引き続き状況回復を待っていたのに、どんどん予定開始時間が遅れるばかり。本来、午前9時20分から公式練習が始まる予定だったのに、「コース上の視界状態が改善しない」という理由から、⼩刻みにコースオープンが⾒合わせになりました。結果、午前10 時30 分には、「午前中の⾛⾏はすべてキャンセル」と発表があり、練習なしにいきなり予選へ、となったものだから⼤変! でも、本当のところ、これだけでは済まなかったのです。
このあとピットウォークは実施され、視界も戻ってきました。ファンの皆さんとの交流もできたのですが⋯⋯。ピットウォークがほどなく終わろうとするなか、ポツリと⾬が落ちてきて。それからというもの、瞬く間に本降りの⾬へ急変。叩きつけるような⾬が続き、コース上には川が何本もできてしまいました。降り続く⾬に、コースの⼀部では⼟砂も流れるほど。そして、ついに雷も! もうこうなったら⾛⾏どころじゃありません。サーキットに居るみなさんの安全確保が“最優先”です。場内アナウンスでは、建物内への避難の呼びかけも⾏なわれていました。
近年稀に⾒る悪天候となってしまった⼟曜⽇のオートポリス。午後2時50分から予定されていた予選は当然のことながらキャンセルとなり、⾛⾏セッション後のキッズウォークなどのイベントもすべて中⽌となりました。結果、⼟曜⽇はサーキットに来ただけで何もすることなく、スタッフの皆さんは“下⼭”することに。まぁ、サーキットにいる間は、あれやこれやと話し合いはたくさんしましたけどね。ホピ⼦としては、まったくもって何もすることのない⼀⽇を過ごしたというわけです。
翌⽇に⾛⾏スケジュールが持ち越しとなり、⽇曜は早朝から慌ただしく時間が過ぎていきました。午前7時30分にはウエット宣⾔が出され、30分後にようやくGT300クラスの予選が始まりました。変則的なスケジュールになったことで、予選は30分間の計時⽅式へと変更。基本的にどのチームもひとりのドライバーがアタックを担当することになり、孝允くんがホピ⼦をドライブしました。
武⼠監督は、⾦曜⽇にニコニコ顔で「ようやく合うタイヤが⋯」と⼿応えを得ていい戦いができると前を向いてたけど、⽂字通り⾬が“⽔を差して”しまっただけに、どこまでホピ⼦が踏ん張れるのか⼼配してたかもしれません。開始直後の路⾯コンディションはもちろんスリックで出⾛は叶わない状態。それでも何台かはいきなりスリックでコースに向かう作戦を採ってたようです。まぁ、安全策を採っていたホピ⼦には無理でしたが。
でも、アタックにはスリックタイヤがマスト! ただ、そのタイミングが難しく、どのくらいの路⾯温度でちゃんとタイヤのゴムが発動するのか、その⾒極めを孝允くんがしっかりとやってくれたおかげでアタックモードに⼊ることができたんです。ただ、残り時間7分くらいでコースアウト⾞両が出て⾚旗中断となったときには、冷や汗が出ちゃいました。まだアタックモードではなかったし、このまま終わっちゃったらヤバいと。
幸い、残り時間4分での再開が可能となり、孝允くんはピットロード出⼝からほぼ⼀番遠い場所にあったピットからホピ⼦をコースへと連れ出してくれました。そして、チェッカーフラッグが振られるなか、1分48秒980のタイムをマーク! 8番⼿の結果を⼿にしたのです。もちろん、シーズンベストの予選結果となりました。Q1、Q2に分けて⾏ういつもの予選⽅式であれば、Q2はアッパークラスでアタックする結果ですよ! しっかりホピ⼦そしてタイヤのポテンシャルを引き出す⾛りをしてくれたことに、感謝しています!
その後、決勝に向けてのウォームアップ⾛⾏が午前11時30分から始まりました。いつもなら20分間だけど今回は倍の40分。それもそうですよね、アタック担当の孝允くんは朝からいろんなコンディションでホピ⼦をドライブできたけど、冬悟くんはそのチャンスがまだ⼀度もなかったわけで、そのままいきなりレース本番になったら⼤変です。しかも冬悟くんは前回のSUGOも⾛ってないんですから! そんなわけで、この貴重なセッションを活⽤してフィーリングをつかもうと、冬悟くんも周回を重ねつつ、近づく決勝への準備を粛々と進めたのでした。
さぁ、いよいよ待ちに待った決勝が始まります。3時間レースなので、いろんな点でタフな展開になるだろうと覚悟したホピ⼦ですが、気温は17度、路⾯温度は24度のコンディションながら、冷たい⾵が強くて体感的にさらに寒さを感じました。SUGOもそうだったけど、サーキットにお⾒えになっていたファンの皆さんにとっても、タフなコンディションでしたよね。にも関わらず、熱い声援をたっくさん送ってくれて本当にうれしかったです。いつもありがたい気持ちでいっぱいのホピ⼦です!
ウォームアップでしっかりとドライブした冬悟くんがその流れでスタートも担当。どうしてもコンディションが不安定なので、早速接触のアクシデントがあったり、リスクの⾼い展開となりましたが、とにかくホピ⼦は少しでも⻑くポジションをキープ⋯⋯いや、もちろんポジション“アップ”を意識した⾛りを⽬指しました。早々から変則的ピットインを敢⾏するチームもいたようだけど、ホピ⼦はどちらかといえばスタンダードな戦略でアプローチしようと。とはいえ、レースなので展開は“⽔もの”。ほぼほぼレーススタートから1時間超となった30周終わりでピットインしました。
ドライバーも孝允くんへとスイッチ。ライバルたちもその前後の周でどんどんピット作業を済ませたようです。そんななか、ホピ⼦は思うようにペースアップできず、というか、他のタイヤメーカーを装着しているライバルに⽐べてペースが速くなくて、16〜20番⼿を⾛っている状況でした。
そんな中、レースは荒れた展開で、FCY(フルコースイエロー)やSC(セーフティカー)が頻繁に⼊っていたんです。これまでにレースは3度もSCランをしており、波乱たっぷりの荒れ模様になってました。やっぱり天候不順の影響を受けんるんですかね!?
その荒れた展開の中で、チームでは武⼠監督と⽊野エンジニアがなにやら⾊々と作戦を考えていたようで、ほとんどのチームが2回⽬のピットを済ませた後の75周終わりに、このレース最後のピットを実施しました。ここでは孝允くんが継続してドライブ。いわゆる“2スティント担当”っていうやつですね。そしてここではタイヤを交換せずにコースに戻りました。これは、孝允君と無線でやり取りをしながら、他のヨコハマタイヤ勢がタイヤ交換をしてもタイムが上がらないことを⾒越したうえでの無交換だったそうです。それによって⼊賞圏内の9位で戻ることができました!
でも後ろからは2〜3 秒も速いクルマたちがやってくるので厳しいのはわかっていたけど、それでも最善な作戦をチョイスできたことは間違いないですよね。レース中は気温が13〜15度、路⾯温度は19〜23度で推移。⽇差しがほとんどなかったので、スリックタイヤとはいえ、シビアなコンディションだったと⾔ってもいいのかしれません。⼀⽅、2回⽬のピット作業を終えて9位でコース復帰を果たしたホピ⼦ですが、チームも孝允くんも、できればこのままチェッカーを受けて今シーズン初のポイント獲得を! と強く願っていたのですが⋯⋯。
3時間レース終了まで残り16分となり、第2ヘアピンで⼤きなクラッシュが発⽣。FCYからSC導⼊へと切り替わってしまいます。この時点でホピ⼦は11番⼿を⾛⾏。少し前でポジションを落としてしまったんです。SCからリスタートすれば、再び10番⼿を狙えたかもしれない。だけど、レースはSC先導のまま3時間を迎えてしまい、レースが終了。もうちょっとで⼿が届く10 位がスルリと⼿からこぼれ落ちたことがとても悔しいホピ⼦でした。
もちろん、ドライバーもチームのみんなも残念な気持ちでいっぱいでした。それでも、武⼠監督によれば、ヨコハマタイヤ装着のFR⾞としては最上位の結果だったとのこと。ホピ⼦としては、奮闘できた証でもあると胸を張ってもいいのかな!?
とはいえ、考えてみたらライバルたちと同じ⼟俵でしっかりと戦えた⼀戦だったことは違いないし、そのなかでどうすればさらに進化できるかを考えられる展開でもあったと思います。タイヤのマッチングが的確かどうかによってこれほど悩みが⼤きかったのかと、ホピ⼦⾃⾝もビックリだったけど、レースができるタイヤが出来上がったことで、残り2戦の戦い⽅としては、ググッと幅を広げてアプローチできるかもしれません。楽しみがどんどん増えていけばいいな、と思うホピ⼦です。
オートポリスからもてぎに向けて、わずか2週間という短いインターバルしかないので、やれることは極めて限られるでしょう。ですが、ここで慌てることなく、これまで同様に“その先”にフォーカスして“速くて強い”ホピ⼦へと成⻑できるようがんばっていきます。引き続き応援よろしくお願いします! 秋深まるもてぎでまたお⽬にかかりましょう!
■レースを終えて
菅波冬悟
「スーパーGTオートポリスラウンドも応援ありがとうございました! 今⼤会、⾬と霧により⼟曜⽇のスケジュールは全中⽌とイレギュラーな⼤会となりましたが、ワンデー開催となった⽇曜⽇には予選8位、決勝11位と今季最⾼順位でレースを終えることができました。決勝では11位ということでポイントゲットまであと1ポジション⾜りず悔しい結果となりましたが、今年はポイント争いさえできない順位でのレースが続いていましたので⼀歩前進出来た気持ちも⼤きいです。残り2レースで何としてもポイントを獲得したいと思っています。引き続き頑張りますので応援よろしくお願いいたします」
松井孝允
「今回のオートポリス⼤会は菅波選⼿が体調不良から復帰し、楽しみなレースウイークでした。⼟曜のフリー⾛⾏は天候不良により中⽌となり、⽇曜⽇のぶっつけ予選となり⾮常に難しい⾛⾏となりましたが、前回からタイヤの印象が良かった部分がうまくいき、予選では8番グリッドと今シーズンベストグリッドとなりホッとしました」
「決勝に向けてウォームアップから菅波選⼿がセットアップを⾏い、準備は整った状態でレースに挑みました。結果は11位とポイントに届かず悔しいレースでしたが、明るい兆しの⾒えるレースでした。残り2戦に向けてポジティブなので上位を⽬指してチーム⼀丸となって戦います。現地の⽅々、遠⽅からもたくさんの応援ありがとうございました!」
佐藤公哉
「皆様今⼤会もたくさんの応援ありがとうございました! 寒い中ご来場された皆様もありがとうございました! 今⼤会私はドライブすることはありませんでしたが、リザーブとしてレースを間近で⾒て進歩を感じて⾮常にポジティブな週末だったと思います。次戦も引き続き応援宜しくお願いいたします!」
⼟屋武⼠監督
「今回、ようやく普通に戦えたと⾔えるレースができました! ここまで⻑い間、本当にお待たせしてしまい申し訳ありませんでしたm(_ _)m たくさんの皆さんの⽀援によってサーキットに戻ってこれたのに、全然レースが戦えず、ただ⾛っているだけの状況だったことは、我々もですが、皆さんも⾟かったことと思います。本当に遅くなってしまいましたが、ここからが新⽣ホピ⼦の開幕です!」
「でも、それでもまだまだトップへのポテンシャルには遠く、やるべきことは⼭積みです。今回の順位も戦略によって得たもので、まだ⾜りないことばかり。これまで同様、ひとつひとつ丁寧に、根拠を積み上げて成⻑していきたいと思います」
「今シーズンは残り2戦となりますが、特に最後の鈴⿅ラウンドでしっかりと結果を出せるように準備をしていきたいと思います。今後とも応援をよろしくお願いいたします!」