Arnage Racing スーパーGT第1戦岡山 レースレポート
April 10th Race Day
厳しい予選の後、マシンから吸い上げたデータから、気がかりだったエンジンのパワー不足は解消され、マシンの状態も安定していることが確認された。レースに向けて好材料が出そろい、チームはギア周りを再度入念にチェックしなおして土曜日のメンテナンスメニューを順調にこなし、決勝の朝を迎えた。
日曜の朝の空模様も前日同様曇り、終日雨の心配はなさそうだったが土曜日ほど気温の上昇はなさそうだ。Arnage Racingは9時からのフリー走行を凜太郎選手からスタート。途中、ドライバー交替のシミュレーションもしながら、マシンのセットアップを確認。16Lapして30分間のフリー走行を終え、スタートの時を待った。
14時40分、岡山県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップのあとフォーメーショ ンラップと続き、いよいよ2016年のSUPER GTの幕が切って落とされた。SUPER GTデビュー戦にしてスタートドライバーを託されたルーキー久保凜太郎選手は、23位から300km、82Lapのレースを開始、すぐにポジションをひとつ上げて順調に走行を始めた。天候、路面共に安定したコンディションの中、凜太郎選手は新人とは思えない堂々とした走りぶりを見せる。4Lap目に岡山ラウンド決勝のベストラップとなる01’30.514をレコードした後も、1分31秒台から32秒前半の安定した走行を続け、5Lapで20位、10Lapで19位と一つずつポジションを上げていった。そしてレースの3分の1となる28Lap目、チームはドライバー交替のために凜太郎選手をピットに呼び戻した。これまでのArnage Racingであれば、ここでタイヤ無交換作戦をとって給油のみですぐさま安岡選手をコースに戻すところだが、例年より路面温度が高く、テスト時からリアの摩耗を食い止めることができない状況でその作戦はあまりにリスキー。チームはタイヤを4輪とも交換し、25位でマシンをコースに送り出した。
Newタイヤでの後半スティント担当という、これまであまり例のないシチュエーションでコースに出た安岡選手は、性格の掴みにくいタイヤに少し苦しみながら周回をスタート。それでも、マシンの調子は安定しており、全車がピット作業を終えたときには20番手までポジションを戻していた。安岡選手は1分32秒台の安定したタイムで走行を続け、56Lap目に前方にいたマシンのペナルティによりもう一つポジションを上げて19位に浮上、最後までペースを落とさなかった。安岡選手は、残り数ラップで前方を行く2号車に肉薄する激走を見せたが、オーバーテイクには至らず、最終ラップにスローダウンした33号車を抜き、結局18位でチェッカーを受けた。
Arnage Racing4年目の船出となる開幕戦の結果、昨シーズンの開幕戦と同じ18位となった。しかしながら、この18位完走は1位のマシンとの周回差が1Lapだったため、Arnage Racingは昨シーズンなかなか獲れなかったチームポイント3ポイントを獲得。また、ルーキー久保凜太郎選手は、堂々の走りで見事にSUPER GTデビューを果たし、チームは、幸先の良い2016年のスタートを切ることができた。
P1 #65 LEON CVSTOS AMG-GTS 黒澤 治樹 / 蒲生 尚弥
P2 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口 信輝 / 片岡 龍也
P3 #21 Studie BMW M6 ヨルグ・ミューラー / 荒 聖治
P18 #50 ODYSSEY SLS 安岡秀徒 / 久保凜太郎