#30 TOYOTA PRIUS apr GT スーパーGT第3戦オートポリス レースレポート
決勝レース(65周)5月21日(日)14:00~
日曜日になると、土曜日ほど太陽のギラギラ感は薄い雲もかかったことよって若干抑えられ、より過ごしやすい絶好のレース観戦日和となっていた。そんなファンの2年分の渇望感は、スタンドをびっしりと埋めたことで明らかに。
ピットウォークやさまざまなセレモニーを経て、12時25分から20分間のウォームアップがスタート。ここで最終チェックが行われた。
今回もスタート担当は永井選手。このところ恒例となっている白バイ、パトカーの先導による大分県警のパレードランに合わせて、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」はグリッドを離れ、その後フォーメイションラップへ。そしてグリーンシグナルの点灯と同時にレースが開始される。
まずはポジションキープでレースを開始した永井選手はその後、背後に数台を引き連れた状態で周回を重ねていく。とはいえ、プレッシャーを感じている様子は一切なさそうだ。
ところが、5周目の最終コーナーでアクシデントが発生。ピットスタートから追い上げ、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」を抜いていったばかりのGT500車両がスピンを喫し、そこにGT300車両が追突してリタイアしてしまったのだ。即座にセーフティカーが入るとともに、ポジションはふたつアップして13番手に。SCの先導は12周目まで続いた。
リスタート後に、ストレートスピードに勝るポルシェの先導を許してしまったものの、その後はしっかり後続を抑え続けていた永井選手。そして、20周目には佐々木選手と交代し、最小限のロスでコースに戻されることとなった。全車がドライバー交代を済ますと、再び13番手を走行する。しばらくはその順位のまま周回を重ねていたが、ゴール間際になって展開が動く。
57周目に接触で1台、58周目にはホイールの脱落でもう1台、先行車両に交代があって「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は11番手に浮上。そういったアクシデントもあって、前にいた車両2台との間隔が一気に詰まる。入賞まであと一歩!しかし、あとコンマ2秒及ばず、11位のままチェッカーを受けることとなった。
永井宏明選手
「最後の周の差を見ると、もう1周欲しかったぐらいの接戦で、あと少しでポイント獲れたところだったので、本当に悔しい思いもしました。とはいえ前の岡山、富士に比べれば、すごく良かったとも思いますし、まずは先につながるような、そんな終わり方もできましたし、次を楽しみに、しっかり準備していきたいと思います。オートポリスを久しぶりに走ったので、それなりに対応はして来ましたが、コース幅も狭いですし、僕たちはストレートが苦しかったので、後ろのクルマが追いついてくるのを上手に堪えながら走るというのが、大変ではありましたね。でも、コーナーはJAF-GTのクルマというのは気持ちよく走れるので、そういう意味ではコーナーをしっかり走れて、レースしている感はすごくありました。クルマの特性をしっかり引き出して、幸太とふたりで今後いい戦いをできるようにしていきたいと思います」
佐々木孝太選手
「なんとか完走できましたが、せっかくポイントが獲れるチャンスのあるレースだったので、ちょっともったいなかったです。もう少しペースアップできるエンジンパフォーマンスがあればポイントが獲れたと思うので、残念です。タイヤにも余裕があったしバランスも悪くなかったのですがテクニカルコースで目一杯戦って入賞できないのは非常につらいですね。6月にテストが3回もあるので、何かしらのパフォーマンスアップ策を探さないと今年はずっと厳しい気がしますので、テストも気を引き締めて挑みます」
金曽裕人監督
「ひとつでも上に行こうと努力のレースをしましたけれど、ギリギリ届きませんでした。本来、JAF-GTの得意なサーキットなので、もっと上位でなければならないが、パフォーマンスの問題が最後まで響いてしまいました。このままだと、次のSUGOでも同じようなことが起こるので、どう知恵を絞るか考えていかなくてはならない。でもレースに関しては永井選手も佐々木選手も、きれいにレースを組み立ててくれたので、満足はしています。ただ、もっとプッシュできるマシンを与えていれば、ドライバー2人のパフォーマンスは日々向上しているので、上位入賞が可能だったかと思います」