更新日: 2018.04.06 18:48
エンジンウォーズ過熱で緊張感高まるスーパーGT500クラス。開幕前日の手応えと低気温での自信
オフテストでホンダ陣営内でもトップになることが多かったKEIHIN NSX-GTの塚越広大も「レクサスとの差は縮めることができたとは思いますが、上回っている感触はまだない。まだ開幕戦を見てみないと、『こんなはずではなかった』ということになりかねません」と慎重な見方だ。
塚越に限らず、ホンダNSX陣営としては予選一発の速さはあるが、ロングランでどこまでその速さを保てるかが課題となっており、塚越も「予選で速くても、レースでも同じ強さを見せられるかと言ったら、まだ悩ましい部分がある。だからこそ、予選でポールポジションを獲れる速さがあると思うので、できるだけ前のグリッドでスタートしたい」と、開幕戦の狙いを語る。
一方のレクサス陣営も今年は6チーム中4チームでドライバーコンビが新しくなり、さらにTRDのサポート体制も大きな変更を見せた。昨年圧倒的な強さを見せたレクサスLC500陣営だが、この人事がどのような影響を及ぼすのか、ドライバーのパフォーマンスとともに注目だ。
今季、WedsSport LC500からau TOM’S RC Fに移籍した関口雄飛も、この開幕戦には意外にも慎重な姿勢をみせる。
「このオフは正直なところ、もうちょっと走る時間がほしかったですね。でも、テスト時間はみんな同じ条件なので、自分だけが足りないわけじゃない。明日の練習走行、予選で走ってなんとかしたいですね」
「スーパーGTはウエイトハンデがある特殊なレースなので、もちろん、コースに出たらベストを尽くしますけど、まずは最後まで生き残る走りをしたいと思います。開幕戦の結果を見て、そこからシーズンの戦い方を組み立てたいと思っていますので、まずは開幕戦の目標は完走です」と、関口らしからぬ冷静なコメント。自分だけでは乗り越えられない、さまざまな要素が絡み合っているスーパーGTのならではの複雑さと恐さを、関口が熟知しているということでもある。
今シーズンのGT500クラスにはジェンソン・バトン(RAYBRIG NSX-GT)、そして小林可夢偉(DENSO KOBELCO SARD LC500)とF1で実績のある世界トップドライバーが参戦し、彼らがどんなパフォーマンスを見せるかが最大の注目のひとつだ。世界でも類を見ないタイヤコンペティションにウエイトハンデ、二人一組での戦い、そしてGT300との混走などなど、スーパーGTならではの複雑さに彼らがどう対応していくのか。1周の距離が短く、コース幅の狭い岡山国際サーキットでいきなり、その試練に立ち向かうことになる。