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投稿日: 2018.04.09 11:13
更新日: 2018.04.09 11:20

GT300はまだまだ混迷間違いナシ? ドラマチックな開幕戦での上位陣それぞれのドラマ


スーパーGT | GT300はまだまだ混迷間違いナシ? ドラマチックな開幕戦での上位陣それぞれのドラマ

■本来のポテンシャルと作戦的中で2位獲得

 一方、GT3勢の最上位で、終盤のレースを沸かせてくれたのは、なんと20番手スタートだったD’station Porscheだ。いったいなぜこんな追い上げが実現したのだろうか。

 D’station Porscheは、4月7日の予選でスベン・ミューラーがQ1を担当したが、予想以上の低温に悩まされ、持ち込んだタイヤを活かしきれず、20番手グリッドに留まった。しかし、富士公式テストでも速さをみせているとおり、藤井誠暢は「クルマは決まっている」とセットアップもそこからいじっていないという。

 そして迎えた決勝日。前日よりも気温が上がっており、藤井はグリッド上で自信に満ちていた。「いいところにいけると思います」と。彼らが採った作戦は、前半スタートを務めた藤井がスティントを引っ張り、タイヤを温存。ポルシェでは定番と言えるリヤのみ二輪交換というのが作戦だ。

 藤井は序盤、ポジションを守りながら少しずつオーバーテイクをし、無理をせず走っていく。上位陣が混戦で差があまり開かなかったことも幸いし、他車がピットインするなか、自分のペースで追い上げ。気付けばトップにまで浮上した。

 44周を終えピットインしたD’station Porscheは、藤井からミューラーに交代する。リヤタイヤを換えても好調だったミューラーは、4番手で前を行くLEON CVSTOS AMGの蒲生尚弥を追った。ちなみに、LEON CVSTOS AMGはリヤのみの交換。GT3勢は片側のみ交換など、さまざまな作戦が採られている。

LEON CVSTOS AMGとバトルするD'station Porsche
LEON CVSTOS AMGとバトルするD’station Porsche

 D’station Porscheはレース後半までピットインを引っ張ったこともあり、ミューラーのペースは速く、LEON CVSTOS AMGが最終コーナー手前でわずかに姿勢を乱した間にオーバーテイク。さらにHOPPY 86 MCをかわし手に入れたのが2位というわけだ。本来の気温に上がれば決まっていたクルマと、作戦勝ちによる2位と言える。「LEONには4回くらいアタックしたけど、クリーンなバトルができた。だからスーパーGTは好きなんだよね。チームも素晴らしい仕事をしてくれた」とミューラー。

 レース後、藤井は表彰台の脇で「言ったでしょ?」とニヤリ。D’station Porscheは富士公式テストでも素晴らしい速さを披露しており、ウエイトを積むとは言え、次戦も優勝候補の一台かもしれない。


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