更新日: 2018.05.11 11:13
スーパーGT:SUBARU BRZが手にした最高速と背負ったリスク/GT300トピックス
■ピット時間短縮のための奇策。王者の右側タイヤは102周無交換
2回のドライバー交代が義務づけられた500kmレース。「マザーシャシー(MC)勢は、おそらく1回をタイヤ無交換でくる」と、GT3勢のほとんどが予想していた。MCは予選で下位に沈んでも、ピット作業の早さで必ず上がってくる。GT3勢もピット時間を短縮しないと勝負にならない状況にあった。
しかし、重いGT3にとってタイヤ無交換は難しい。とくに富士はタイヤに厳しいサーキットで、昨年の第2戦富士、グッドスマイル 初音ミク AMGは2回、左フロントタイヤがパンクしている。
その王者が今回、2回のピットでいずれも左側のみの2輪交換を敢行。つまり、右側は無交換で102周を走りきったことになる。今回は構造的に壊れる(パンクする)ようなことはなかったが、当然摩耗によるグリップダウンはあったようだ。
結果は4番手からのスタートで5位。順位をひとつ落としてしまったが、「やり切った結果。もちろん優勝したかったけど、この戦略は正解だったと思う」という。今後もこのような戦略を採る可能性について、チームは否定せず。コース外での勝負も見逃せなくなりそうだ。
■“元GT500ドライバー”が見せつけた実力
開幕戦岡山ではUPGARAGE 86 MCの小林崇志が優勝。そして第2戦富士、表彰台には平手晃平(31号車/TOYOTA PRIUS apr GT)と安田裕信(11号車/GAINER TANAX GT-R)の姿があった。
3人に共通するのは、昨季GT500を戦っていたこと。いまのGT300は、かつてないほどにハイレベルだと言われている。そのなかで、平手は王者・グッドスマイル 初音ミク AMGとのバトルを制しての2位。
11号車はオープニングラップのヘアピン、他車に追突されてほぼ最後尾まで順位を落とすが、そこから平中克幸と安田の怒濤の追い上げで3位に。3人の存在が、GT300のレベルをさらに引き上げている。
なお、安田、平手、小林が語る『GT300のいま』は、5月24日発売のautosport No.1482で掲載予定。そちらもお楽しみに。