スーパーGT ニュース

投稿日: 2018.08.06 06:21
更新日: 2018.08.06 12:50

予選とレース序盤の好調から悪夢の展開となったニッサン陣営。500マイル耐久戦の難しさ/GT500《あと読み》


スーパーGT | 予選とレース序盤の好調から悪夢の展開となったニッサン陣営。500マイル耐久戦の難しさ/GT500《あと読み》

 また、MOTUL GT-Rを55周目にオーバーテイクしてトップに立ったカルソニック IMPUL GT-Rも、2番手に25秒以上のギャップを作る独走状態に入りながら、143周目に吸気系のトラブルでスローダウン。ピットに戻って修復してコースに復帰するも、12位フィニッシュとなってしまった。

「クルマは動くけれども、エンジンのパワーが上がらなくなってしまって、もうどうしようもない状態になってしまいました。ピットに入ってチェックしたら、付いていなきゃいけない部品が付いていなかったので、それを付け直したらパワーは回復したんですけど、そのアクシデントはもったいなかったですね」とその時の状況を振り返るのは、カルソニックの佐々木大樹。

「残念ですけど、レースはこのようなことは付きものなので、もちろんチャンピオン争いはもう厳しくなってしまって、このレースを獲れればいい状況でタイトルが狙えたんですけど、今回の結果でチャンピオンの可能性は実質なくなってしまった。今年はカルソニックさんが80周年なので、これからのレースでなんとか1勝は挙げたいですね。やはり、獲れるときに獲っておかないとチャンピオンにはなれないと思います」と、レースの厳しさを感じながらも、残り3戦に向けての抱負を語った。

 スローダウンするカルソニックのマシンを見て、サインガードで頭を抱えたチームメイトのヤン・マーデンボローも、悔しさを隠しきれない。

「アンダーステアが出ていたからマシンのフィーリングはいいとは言えなかったけど、それでも速かったし、特に問題はなかった。僕の最終スティントもアグレッシブになりすぎず、リフト&コーストしてマシンをケアしていた。25秒という充分なギャップがあったからね。ピット作業も毎回完璧だった。だからトラブルが起きて精神的にかなりキツかったし、お腹も痛くなったよ」

「これでチャンピオン争いも厳しくなってしまった。(レース距離が長く)通常より多くのポイントが獲得できるから、このレースに注力して臨んできた。だけど、結局はランキングトップとの差が大きくなってしまった。僕はとにかくスーパーGTで初優勝を挙げたいんだ。今日はもっとも近づいた日だったけど、あと少しのところでなにかに邪魔された。でも、とにかく戦い続けるよ」と、マーデンボローは文字どおり、ため息混じりにレースを振り返った。

 3号車のCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rは140周目にミッション系のトラブルでガレージにマシンを戻してレースを終えており、ニッサンGT-R陣営としては予選の好結果、そしてレース序盤のトップ3独占という強さを見せる展開から、レース終盤はまさに悪夢のような展開になってしまった。

 ただ、今回の富士500マイルはニッサン陣営だけにトラブルが集中したわけではなく、優勝したau TOM’S LC500のピットミスをはじめ、ZENT CERUMO LC500のブレーキトラブルによる大クラッシュ、そしてホンダ陣営でもKEIHIN NSX-GTの予選での電気系トラブル、RAYBRIG NSX-GTの黄旗無視の10秒ペナルティなどなど、どのメーカー、そして多くのチームでなんらかのアクシデントは起きた。もちろん、運/不運はあれども、そのなかで最後まで生き残ったものが好結果を得られた、まさにサバイバル500マイル。

 スーパーGTで初の開催となった第5戦富士の戦いは、レースは終盤にトラブル、アクシデントとまさかのサプライズが連続する、悲喜交々の内容となった。


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