LEXUS TEAM ZENT CERUMO スーパーGT第6戦鈴鹿 決勝レポート
そんななか、173周のレースのうち125周を終える頃になると、コース全域で雨が舞いはじめた。特に西コースの雨量が多く、#36 RC Fもスリッピーな路面のなかで減速を強いられた。そこで立川は一気に#36 RC Fとの差を詰め、ふたたび首位を射程圏内に収めた。
129周目、立川はスプーンで#36 RC Fのインを突き、首位を奪回。目前の区間で#7 NSX CONCEPT-GTがコースアウトしていたためイエローフラッグが提示されようかというタイミングで、一瞬チームもヒヤリとしたが、審査委員会はイエローフラッグが提示されるほんのわずか前に2台は通過していたとして、ノーペナルティと判断。スリッピーな路面のなかで131周目、132周目と#36 RC FとZENT CERUMO RC Fは順位を入れ替えることになるが、最終的に立川は首位を奪還。142周を終えピットインし、43.5秒という素早い作業で、チェッカーに向けた最後のスティントを石浦に託した。
LEXUS TEAM ZENT CERUMOが最後に行ったピットストップが#36 RC Fのものよりも速かったこともあり、トップの座を盤石とした石浦だったが、終盤残り5周を切ったあたりから、ふたたび東コースを中心に雨が降りはじめた。スリックタイヤでいくには厳しいコンディションだが、もう今さらタイヤ交換を行うわけにはいかない。「目を疑いました(苦笑)」という石浦はなんとかコースにZENT CERUMO RC Fを留め、2番手の#36 RC Fとのギャップを見ながらチェッカーを目指した。
「緊張していましたが、落ち着いてもいました」という石浦は、ファイナルラップの日立オートモティブシステムズシケインでわずかにコースアウトを喫したものの、マシンを壊すことなくトップチェッカー! 夕闇に包まれたグランドスタンド前にZENT CERUMO RC Fを停めると、笑顔で立川と喜びをかわした。
嬉しい今シーズン初勝利をシリーズの天王山である鈴鹿1000kmで飾ったLEXUS TEAM ZENT CERUMOは、これで大量25ポイントを加算し、シリーズランキングでも2位に浮上。首位の#1 GT-Rとは11ポイントの差があるが、逆転を射程圏内に収めた。
シリーズは次戦タイ大会、そして最終戦のもてぎは土曜、日曜に1レースずつという変則開催となる。チームは喜びに包まれ、チャンピオンシップを見据え気持ちも新たにしながら、鈴鹿を後にした。