更新日: 2019.09.07 08:12
「とにかくショックだった」前回のクラッシュから必勝を期す立川祐路と3メーカーの動向【スーパーGT第6戦オートポリスプレビュー】
また、立川と同じくこのオートポリスで必勝を期すのがニッサンGT-R陣営だ。GT-Rの開発担当であり、MOTUL AUTECH GT-R、ニスモの鈴木豊監督に聞いた。
「もうあとがないので残り3戦、1戦1戦背水の陣で戦うだけですね。オートポリスはGT-Rにとって得意なはずだったんですけど、昨年の予選を見ると(GT-R陣営の最高位が11番手、MOTUL AUTECH GT-Rは14番手)そんなこと言えないですよね。去年は前のレースでタイヤが苦しかったこともあってコンサバな選択になってしまったのが要因ではあります。今年は開幕戦からずっとタイヤは機能していますし、去年の悪かった部分をしっかりカバーしてそれなりのポテンシャルを出してきているので、去年のようなことはないと思っています。ただ、クルマとしてはここはホンダさんが予選の一発は速いのではないかと予想しています」と今週末の抱負を話す鈴木監督。
GT-R陣営はホンダ、レクサスに1戦遅れてこの第6戦オートポリスからシーズン2基目となるスペック2エンジンをカルソニックを除く3台に投入する(12号車は第3戦鈴鹿の接触によるラジエタートラブルでエンジンを交換済み)。鈴木監督は多くは語らなかったが、エンジン特性としてトルクカーブの全体的な向上を狙って開発されたエンジンのようだ。
「これだけポイント差が開くと逆転でのタイトル獲得は厳しいとは思いますが残り3戦、まずはGT-Rが表彰台に挙がらないといけない。希に見る厳しいタイトル争いですが、最後まで望みをつなぎたいです」と改めて今週末への期待を勝った。
レクサス陣営、そしてニッサン陣営ともにこのオートポリスでの速さが軽快されているホンダNSX勢。ホンダGTプロジェクトリーダーの佐伯昌弘エンジニアも、昨年との状況の違いとともに、今週末への手応えを話す。
「今年のオートポリスのホンダ陣営としてはランキングが下位に沈んでいるマシン多い。他の多くのチームがウエイトが重たくなっているので、ハンデ戦ということを考えるとこのオートポリスと次のSUGOでしっかり上位に入って最終戦につなげていかないといけないと思っています」と佐伯エンジニア。
「ハンデのことを考えるとウチは有利な状況だと思っています。去年まではオートポリスではそれなりにウエイトハンデを積んでいる状態だったので、なんとか凌ぐような展開だったのですが今年はまったく逆で、ウエイトハンデの軽いクルマが揃っているので十分、トップを狙えるのではないかと考えています」
ホンダNSXとしては苦手としていた夏の暑さもピークを過ぎ、涼しくなってくると春先に見せたエンジンパワーを発揮しやすいしやすい状況となる。昨年のオートポリスでは予選Q2に5台すべてのNSXが進出し、グリッドのトップ3を制したことからも予選での速さは間違いなさそう。
その一方、昨年のホンダ陣営はレースではタイヤのピックアップ(表面のタイヤかすがとれずに自分のタイヤの表面に付着してグリップダウンを引き起こす現象)などでロングランのペースに悩まされ、逆にレクサス陣営にトップ4独占を許してしまった。予選と決勝で勢力図がガラリと変わった一戦となったが、今年のオートポリス戦は不安定な天候の予報もあり、ひと筋縄ではいかなさそうな雰囲気だ。