更新日: 2019.09.23 16:51
D’station Racing AMR 2019スーパーGT第7戦SUGO レースレポート
D’station Racing AMR
Race Report – 2019.09.23
予選までの速さは今回も実らず
スタート直前の降雨に泣く
AUTOBACS SUPER GT 2019 SERIES
Round.7 SportsLand SUGO
http://dstation-racing.jp/pdf/2019/Dstation_sgt_2019_round7.pdf
September 21 – 22 2019
Qualify : 5th Race : 24th
第4戦タイ以降大幅にパフォーマンスを上げ、予選ではトップ5の常連となったD’station Vantage GT3。しかし、第6戦を終えて今季得たポイントはゼロ。レースではことごとく戦略や展開に泣かされている状況に、D’station Racing AMRはかつてチームを率いたレジェンド、鈴木恵一を第7戦に向け招聘した。勝負のいろはを知る闘将のチーム復帰に、好転した雰囲気が漂いはじめていた。しかし結果は自分たちで掴み取らなければいけない。気持ちを新たに、D’station Racing AMRは9月21日の予選日に臨んだ。
迎えた公式練習では、まずジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがステアリングを握りコースイン。23周をこなし藤井誠暢に交代すると、藤井は11周を走りフィーリングを確認した。ツイスティなSUGOでポールポジションを狙えるほどではないが、感触は悪くはない。
午後2時からの公式予選では、Q1は今季2回目となる組分けが採用され、藤井がアタッカーを務めたD’station Vantage GT3はB組からQ1に挑んだ。ふだんよりも短い10分間、そして気温も低いことからタイヤのウォームアップに苦戦するチームが多かったが、そこはさすがの藤井。1分18秒730というタイムをきっちりマークすると、6番手でQ2へ進出。オリベイラに繋いだ。
藤井の頑張りにこたえたいオリベイラは、Q2でD’station Vantage GT3を駆り1分17秒767というベストタイムを記録。ポールポジションの#61 BRZは図抜けたタイムを記録していたものの、それでもD’station Vantage GT3を5番手に導き、見事3列目グリッドを獲得してみせた。
ここまでは第4戦以降、いつものペースだ。ただし問題はレース。今回は事前から雨が降る予報も出ており、特に戦略も重要となった。ただ、迎えた9月22日の午前はなかなか雨が降らず、雨の予報もうしろにずれていった。
このままスタートはドライのままだろうか……? 多くのチームがそんなことを感じながらウォームアップ走行を終え、ふたたびグリッドへと向かおうとしたとき、ついに雨が舞いはじめた。当初は小降りだが、少しずつ雨粒も大きくなる。これはスリックタイヤか、ウエットタイヤか……? 全チームがタイヤ選択に頭を悩ませ、グリッドで作業可能なスタート5分前まで、インパクトレンチの音が響き渡る。チームが下した結論は、雨はすぐには強くならないと読みスリックでいこうというもの。しかし、コクピットに座っていたオリベイラは、ウエットタイヤが必要なのではと感じていた。オリベイラが無線で確認するも、チームは決断を下してしまったあとだった。
タイヤ選択が外れていたら、序盤から一度多くピットインするロスを抱えてしまう。そして無情にもチームの期待を裏切り、雨脚は強くなってしまった。セーフティカースタートの後、D’station Vantage GT3はズルズルと順位を落としてしまう。ダメージを減らすためにも、ピットインするしかない。その焦りが生じてしまったのか、ピットイン時に本来切らなければならないエンジンが切れず、コースに復帰後作業違反のドライブスルーペナルティが課せられてしまった。
“泣きっ面に蜂”の状態となったD’station Vantage GT3だが、34周を終えた時点で、セーフティカーが導入されることを見越しピットイン。藤井に交代した。このタイミングは最適で、ロスをわずかに回復することに成功するが、ここでオリベイラが履いていたタイヤを継続するチョイスがこれまた外れてしまう。タイヤ交換時間を削ったのはいいが、今度は雨量が増え、タイヤがコンディションに合わなくなってしまったのだ。
藤井は再度ピットに向かい、柔らかめのウエットタイヤに交換。その後はトップと同等のペースを披露するが、時すでに遅し。D’station Vantage GT3は24位でフィニッシュした。またも戦略はことごとく裏目に出てしまう。復帰した鈴木恵一も、手助けをできないほどの展開となってしまった。今季、残すは最終戦のみ。ランキング上位のウエイトハンデも消え去るが、それでも結果を掴み取らなければならない。
QUATE:
星野 敏
Satoshi Hoshino Team Principal
今第6戦から2週間の間にチーム体制を構築してきました。公式予選までは今回もふたりのドライバーが素晴らしい速さをみせてくれて、5番手を獲得したことからレースも期待していましたが、スタート前の雨に泣かされてしまいましたね。タイヤ選択は本当に難しいものでしたし、ライバルでもウエットタイヤを選択できなかったチームも多かったので仕方がない部分もありますが、改めてレースの難しさを痛感させられたと思います。もう最終戦しかありませんし、是が非でも結果を残さなければなりません。今回も応援いただきありがとうございました。
佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki General Manager
先週のスーパー耐久のときにも、トラブルこそありましたが力強いレースができていましたし、今回も公式予選までは速さがあっただけに、決勝レースでは今回こそポイント獲得ができるものと期待していました。今年は雨が多くて、本当にレース戦略が難しいですね。こんなシーズンもあるのかと驚いています。今回も天候に泣かされる結果になってしまいましたが、結果を出しているチームもありますので、最終戦では今度こそしっかりと戦い抜けるレースを期待したいですね。
藤井誠暢
Tomonobu Fujii Driver
予選5番手からのスタートということもあり、今回も大きなチャンスがあるレースでしたが、スタート前のタイヤ選択、そしてウエットタイヤに交換したときのピット作業違反のドライブスルーペナルティ、さらにドライバー交代時のタイヤ選択と、すべてが悪い方向にいってしまいました。今年はこういったレースで結果が残らないことが多く、次回に向けて多くの内容を立て直さなければなりません。あと1レースですが、なんとしても結果を残すことができるように、精いっぱい頑張っていきたいと思います。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
João Paulo de Oliveira Driver
スタートのときに誤ったタイヤ選択をしてしまったことが大きかった。本当に結果が欲しいところだったし、精いっぱいプッシュしたけれど、タイヤ選択もあって1周遅れになってしまった。それにピットストップでは残念ながらペナルティをとられてしまったね。ウエットでのペースは良く、前を走っていたトップ争いをしているマシンに引けをとるものではなかったと思う。この結果はとても残念だし、予選では本当にペースも良かった。ここ数戦いつもトップ5からスタートしているし、力強い走りもできている。最終戦はなんとしても結果を残したいと思っているよ。
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