更新日: 2020.06.24 12:06
【国内トップドライバーオフインタビュー山本尚貴】レースから“距離を置いた”2カ月間。再開へ抱く「絶やしてはいけない」思い
Q:国内レースのスケジュールも発表になり、やっとレースが再開しますね。
山本:スーパーGTは全国のスーパーGTファンの方のことを思うと、レースができないサーキットがあるというのは非常に残念です。でも、もしシーズンを1年中止してしまうと、その後のレースも危うい可能性がある。その火を消さないように、なんとか繋いでいこうという努力を今回のカレンダーから感じました。その思いを僕たちも消しちゃいけないし、消さないようにみんなで頑張っていきたいと思います。
Q:SFと合わせてとてもタイトな期間でふたつのレースをこなすことになります。
山本:レースが今年の後半に詰め込まれるのは想定していました。僕は短期間で集中してやる方に懸けていたのでその結果がどうなるかですね。でも準備はしているし、できているつもりなのでネガティブなことはあまりないです。
Q:今シーズンをどのようなシーズンにしたいか教えてください。
山本:選手権を戦う上で勝つこととチャンピオンを獲ることというのはどんな年でも変わらないですし、それは今シーズンも変わりません。今年はイレギュラーなことも多いとは思いますが、この先どんな場面においても対応していく能力も必要だと思うので、そういった順応性も高めていきながら過ごしていければと思います。
Q:ファンのみなさんも山本選手の活躍を楽しみにしていると思います。
山本:モータースポーツの醍醐味は、やはり現地で生の迫力を味わうことだと思うので今年はその醍醐味が半減してしまうかもしれません。ですが、今年は特に火を絶やさず、来年以降につなげるためにいまはみんなが我慢しています。その我慢がいずれ実ると信じて、またサーキットに気兼ねなく足を運べるようになったときには現場で応援をしてもらいたいです。いまはみなさんの応援がサーキットでなくても伝わるツールがたくさんあると思うので、そういったツールも使ってもらって応援してもらえればうれしいなと思います。
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2019年はF1日本GPの金曜日にF1走行デビューを果たすなど、スーパーGT、SF、F1と慌ただしい1年を過ごした山本尚貴。この新型コロナの自粛期間は山本にとって、昨年までの慌ただしさをリセットする良い時間になったようだ。
名実ともにホンダのエースドライバーとなった山本にとって、今季はスーパーGTでは初めて年下のチームメイト、牧野任祐とともに新型NSX-GTで戦うという新しい試みが詰まった1年になる。
そして昨年3ポイント差のランキング2位でタイトルを逃すことになったスーパーフォーミュラでは今年、その悔しさを晴らすことができるか。
山本も自覚しているように、今年はいちドライバーとしてのレース結果だけでなく、少しでも多くの国内モータースポーツファンとサーキットで再開できるよう、国内トップドライバーとして多くの役割を担う難しいシーズンになる。