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投稿日: 2020.09.16 21:39
更新日: 2020.09.16 21:40

HOPPY team TSUCHIYA 2020スーパーGT第4戦もてぎ レースレポート


スーパーGT | HOPPY team TSUCHIYA 2020スーパーGT第4戦もてぎ レースレポート

 スタートするとやはり360号車は逃げてしまい、ボクは2番手。後ろから迫られますけど、後続のライバルも決め手に欠けて、仕掛けてくることはできません。2番手をキープしたままレースは進みました。「ペースが上がらなくなったら教えてね」。武士監督が公哉くんに無線で呼びかけます。今回、ライバルがタイヤ無交換作戦を採ることは予想されていて、ペースよりもポジションを重視して左側2輪交換を選択しました。

 24周目にピットイン。孝允くんに交代してピットアウトすると、タイヤ無交換の65号車、31号車の後だったので実質的にこの時点で4番手です。背後から迫ってきた88号車を相手に孝允くんはバトルを展開。88号車に抜かれた後は9号車に迫られます。

 この頃からボクは異変に気づいていました。けっこうアンダーがひどかったんです。スタート前にやったセットアップ変更が裏目に出たのか、今回持ち込んだバランスから大きく崩れていました。そうなると孝允くんもなんとか曲げようと突っ込み型の運転に戻ってしまい、ますますタイヤをいじめる結果に……。悪循環です。一時ポイント圏外の11番手まで落ちましたが、他車のトラブルにも助けられて8位でゴールしました。これでようやくボクがSUPERGTにやってきて初めてのポイント獲得となったのです。ここまで長かったなぁ。今回のレースだけでもすごく長く感じた。

 長かったのはそれだけではありません。レース後、武士監督、木野エンジニア、孝允くん、公哉くんの終礼はずっと続いていました。ホップ、ステップまで順調で、ジャンプで力が入り過ぎて失速……そんな感じでしょうか? 元々、スポーツ走行をへて孝允くん主導で進めた作戦を武士監督自ら変えて、公哉くんもそこまでの流れが充分理解できておらず、決勝中もリカバリーできなかった。

 どんなときも冷静に。言葉で言うのは簡単ですけど、難しいものですね。それにしても終わりませんね、終礼。

「悔しいんでしょうね。実力としては4位にはいけたとさっき武士監督は言っていたし。今回のレースはGT500もGT300も全体に殺気立っていて観ていても怖かった。武士監督も無線で孝允くんを落ち着かせようとしているのが声のトーンからわかりました。無事帰ってきてくれてよかった」と石渡美奈共同チームオーナー。

 そうそう、レース終盤GT500のバトルに巻き込まれそうになった場面もあったけど、そこは孝允くんが冷静に対処してくれて無事帰ってくることができました。……ようやく終礼が終わりました。

「自分で乗ることで、ポルシェに対する理解が深まってポジションも上がった。それを突き詰めていくには、みんなで同じ方向をみて突き詰めましょうねという話をしていた。そういう意味では2番手から9位は残念にみえるかもしれないけど、ここは通るべき道。なんでこうなったのかを全員が理解することが、いま必要かな。例えば辛くておいしいカレーがあって、どれくらいの辛さがいいのかって、人それぞれでしょ。でも、そのおいしい辛さの感じ方を揃えなければならない」(武士監督)

 今回は武士監督が発見したおいしい“辛さ”に、孝允くん、公哉くんの感じるおいしい“辛さ”にズレがあったということのようです。ちなみに公哉くんはスーパー耐久では昨年、武士監督といっしょにレクサスRC Fに乗っていて、そのときの“辛さ”を基準として思い出したとか。それから今回の収穫としてタイヤについても武士監督は語っていました。

「クルマを知る入口となったのは、鈴鹿で走れるタイヤができたことで、そこでポルシェの思想の理解も一気に進み、それで走りたくなってスポーツ走行で走って、さらに理解が進んだ。今回、ヨコハマさんが間に合わせてくれたタイヤは充分戦闘力があった。タイヤ屋さんとも同じ思想で歩き始めることができたのが今回。チームにとってはここが開幕戦と言えるかもしれない。次の富士には今回の進化バージョンとともに、またこの方向性を進めたタイヤも準備してくれている」

 今回の失敗も大切な学びの機会ととらえて、HOPPYチームつちやとホピ輔はSUEPRGTを戦っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。次戦は10月3〜4日第5戦富士です。

◇松井孝允のコメント


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