TGR TEAM ZENT CERUMO 2021スーパーGT第4戦もてぎ 予選レポート
2021 AUTOBACS SUPER GT Report
MOTEGI GT 300km RACE
第4戦 ツインリンクもてぎ
ZENT CERUMO GR Supra
#38 立川祐路/石浦宏明
◆7月17日(土) QUALIFY
公式予選結果 8位
2021年のSUPER GTは、5月3〜4日に開催されたゴールデンウイークの第2戦に続き、5月29〜30日に鈴鹿サーキットで第3戦が予定されていたが、三重県の新型コロナウイルスまん延防止等重点措置のため、残念ながら延期となり、2ヶ月間の長いインターバルとなった。第2戦では予選3番手と好位置につけながら、まさかのタイヤ脱落のため悔しいレースとなったTGR TEAM ZENT CERUMOにとって、迎えた7月17日(土)からの第4戦ツインリンクもてぎは、逆襲のための重要なレース。2ヶ月のインターバルを使い、TCDなどさまざまな協力を仰ぎながら、対策を練ってきた。
2020年のレースでは、予選でフロントロウにつけるなど決して相性が悪いわけではないもてぎのレースウイークに向け、真夏の暑さとなった7月16日(金)、チームはZENT CERUMO GR Supraを万全に整え、7月17日(土)の予選日を迎えた。早朝こそ雲が広がっていたが、午前9時20分の公式練習スタート後、みるみるうちに青空が広がり、気温は30度を超え路面温度も40度を突破。立川祐路がステアリングを握ったZENT CERUMO GR Supraは、同様に酷暑が予想される午後の公式予選に向け、セットアップの確認など作業を進めていった。
立川はZENT CERUMO GR Supraのフィーリングを確認していくが、持ち込みのセットアップの印象はそれほど良い状態ではなく、アンダーステアが強い。アウトラップの後、ひんぱんにピットアウト〜インを繰り返し調整を続けていくが、大きくは好転しないまま。立川は19周をこなしピットに戻ると、石浦宏明に交代。専有走行の時間も使いながら石浦は大幅にセットアップを改良していき、最後は1分39秒545をマークするが、上位陣は1分38秒台に入っており、ZENT CERUMO GR Supraの順位は14番手となった。
このままでは午後の公式予選でのQ2進出はおろか、下位グリッドに沈んでしまう。とはいえ、悪いところは公式練習の結果で理解することができた。TGR TEAM ZENT CERUMOは午前の公式練習の後、ドライバーふたりからのフィードバックを活かして、セットアップ変更に着手した。
オープンピット等のスケジュールをこなしながら、午後2時48分からスタートした公式予選Q1に挑んだTGR TEAM ZENT CERUMO。気温33度、路面温度45度という暑さのなか、ZENT CERUMO GR Supraのステアリングを握った石浦はウォームアップしながらペースを上げていった。
石浦はコクピットの中で、午前に比べてフィーリングが大きく改善していたことを確認すると、チェッカー間際の1周にすべてを集中し、4周目にアタックを展開していく。ここで一気に1分38秒404までタイムを上げると、見事Q2進出となる7番手にポジションアップ。立川にバトンを繋げることに成功した。
GT300クラスの公式予選Q2をはさみ、午後3時26分にスタートしたGT500クラスのQ2。変わらぬ暑さのなか、立川はZENT CERUMO GR Supraを駆り4周目にアタックを展開していく。午前から大きくフィーリングは改善しており、ドライビングを合わせながら好タイムを刻んでいった。
ただ、アタックの終盤にさらなる好タイムを狙うべく、わずかに攻め過ぎてしまった立川はややタイムロス。結果的には1分38秒437で8番手という結果となった。「あとふたつ上にはいけたかもしれない。もったいなかった」と立川は悔やんだが、それでもZENT CERUMO GR Supraのフィーリングはどんどん良くなっている。しっかりとレースを完走し、上位を目指すべくTGR TEAM ZENT CERUMOは7月18日(日)の決勝レースに挑む。
ドライバー/立川祐路
「長いインターバルの後のひさびさのレースウイークとなりましたが、気温など条件も大きく変わっているので、セットアップ等を見直してきました。ただ午前の公式練習ではあまりフィーリングが良くなく、アンダーステアが厳しい状態でした。それを少しずつ良くしながら、石浦選手に交代しました。予選ではかなり厳しい状況になるかと思いましたが、見直した部分が良い方向にいっており、Q2まで進出することができました。午前を考えると8番手は悪くない結果ですが、まだまだ満足できる位置ではないので、明日さらに追い上げたいと思っています」
ドライバー/石浦宏明
「午前の公式練習では、立川選手がドライブしている頃から、周囲に比べタイムが出なさそうだと感じていましたが、僕に交代してから、トライしていたセットアップを変更し、専有走行も走りました。それでも思ったようなタイムが出せませんでしたが、悪い部分が明確に分かったので、それで対策してもらったところ、予選ではフィーリングが良くなり、Q1を通過することができました。8番手という結果ですが、午前の段階ではQ1脱落も覚悟していたなかでQ1突破を果たせましたし、方向性が見えた予選になりました。これを継続して、明日さらに決勝も良いクルマにすることができれば、中盤戦に活かせると思います。前回完走もできなかったので、今回できるだけ良いペースでレースを戦うのが重要だと思っています」
村田淳一監督
「まずは前戦、タイヤが脱落してしまうという重大なミスがありましたが、第4戦までの期間でTCDさん、BBSさんと対策を究明し、原因と対策をすることができたと思います。午前の公式練習ではそれも含めて見ていましたが、良好な結果を得られたので、引き続き取り組んでいきたいと思います。予選は結果的に8番手ということですが、午前の調子がいまひとつだったなかで、なんとかチームが頑張ってくれ、石浦選手も良いアタックをしてくれました。立川選手もさらに前を目指して攻めてくれましたが、結果的に失敗だったとはいえ、わずかな差です。とはいえ、前にはライバルのGR Supraもつけています。クルマの面でも、ドライバーの実力でも彼らの位置にはいけるはずなので、まだまだやることはたくさんあります。暑い過酷なレースになりそうですが、頑張ってポイントを獲り、鈴鹿に繋げていきたいと思います」