更新日: 2021.07.20 11:17
ブリヂストン 2021スーパーGT第4戦もてぎ レースレポート
2021年スーパーGT第4戦ツインリンクもてぎ[GT300]
17番手グリッドからの大逆転! 加藤寛規/阪口良平(muta Racing Lotus MC/BS)がタイヤ無交換作戦でチーム結成初優勝を果たす
チーム戦略とFCY(フルコースイエロー)のタイミングが重なり、グリッド中段から着実に順位アップしセカンドスティントでトップに立つと、ポールポジションスタートの平中克幸/安田裕信(GAINER TANAX GT-R/DL)、吉田広樹/川合孝汰(埼玉トヨペットGB GR Supra GT/BS)後続2台の追撃を交わして優勝を飾った。
<予選>
GT300クラスの予選は2グループに分けて行われた。ランキング奇数と偶数グループに分かれてQ1を行い、上位8台がQ2に進出した。Q1Aグループでトップに立ったのは平中/安田組。69キロのサクセスウエイトを抱える蒲生尚弥/菅波冬悟(LEON PYRAMID AMG/BS)は7番手でQ2進出を果たした。
Q1Bグループの吉田/川合組は3番手につけたが、加藤/阪口組は僅かに及ばず9番手でQ2進出ならず。この時点で17番手グリッドが決定した。Q2でトップタイムを叩き出してポールポジションを獲得したのは平中/安田組。ブリヂストンユーザートップは4番手グリッドの吉田/川合組だった。
![2021スーパーGT第4戦もてぎ 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)](https://cdn-image.as-web.jp/2021/07/20110833/asimg__D7A1309_b960f63020ec779-660x440.jpg)
<決勝>
トップ3台がスターティンググリッドの順位をキープしたまま前半戦、ファーストスティントが展開していった。その背後では着実に加藤/阪口組が順位を上げてきていた。平中/安田組はセカンドポジションスタートの三宅淳詞/堤優威(たかのこの湯GR Supra GT/YH)を従えてトップを守って周回を重ねレース半ば前にピットイン。三宅/堤組も同じ周にピットインしてドライバー交代。吉田/川合組は上位勢では最も遅い27周目にピットインし、タイヤ2本交換作戦で三宅/堤組の前に出ることに成功した。
37周目にアクシデントでコースサイドにストップした車両があり、排除作業のために全車80キロで走行するFCYが導入されると、その直前にピットインしていた加藤/阪口組がタイヤ無交換でピットアウトして一気に首位を得た。2度目のFCYの後、ラスト10周で平中/安田組が差を詰めたが、加藤/阪口組は落ち着いて最後は逆に後続を引き離してゴール。見事逆転優勝を果たした。
![2021スーパーGT第4戦もてぎ muta Racing Lotus MC(加藤寛規/阪口良平)](https://cdn-image.as-web.jp/2021/07/20110831/asimg__44I3355_e060f6301f3a120-660x440.jpg)
<ドライバーのコメント>
加藤寛規選手
「我々にとっては、第2戦から2カ月半のインターバルは、クルマのセットアップ、ドライビングを見直す時間が取れたのでよかったですね。また、新たなブレーキシステム、ABSを用意していただいて、コースレイアウトがストップ&ゴーでブレーキに厳しいもてぎで強みとなり、それによって順位アップをすることができました。それが、17番手という後方から優勝できたという最大の理由ですね」
「新体制でスタートし、2戦まではいろいろとシンクロしていなかったですが、ここで1勝できて嬉しいです。最後は阪口選手が順位を守ってくれました。サポートしていただいたみなさん、応援していただいているみなさん、ブリヂストンに感謝しています」
阪口良平選手
「甥の阪口晴南がGT500クラスで活躍しているので、もうひとりの阪口もやっと優勝できました。決勝は厳しい展開かなと思っていたのですが加藤さんが着実に順位を上げてきてくれて、そしてセカンドスティントはトップでコースイン。我々はタイヤの無交換作戦。後ろの2台はタイヤを交換しているのでかなり迫ってきたのですが、新しいブレーキシステムが素晴らしくて、レイトブレーキでコーナーに入って行き、しっかり加速できれば抜かれることはないと信じていました」
「17番手からの優勝。こんなこともあるんだなという気持ちです。ようやく、GTで優勝することができました。チーム、ブリヂストンに感謝です。小さいときから知っている(牧野)任祐と一緒に優勝記者会見に出るということは思ってもみなかったですね」
<ブリヂストン MSタイヤ開発マネージャー:山本貴彦のコメント>
「FCYが出される直前にピットに滑り込んできてラッキーだったと思われがちですが、その前の時点で暫定トップまで順位を上げてきていたのですから、決勝での作戦が素晴らしかったということですね。おめでとうございます。GT300クラスのブリヂストンユーザーのなかで比較的車重が軽く、タイヤ無交換作戦で優位性を得たと思います」
「ブリヂストンとしては無交換作戦を積極的にはお勧めしませんが、チームの判断です。路面温度が高く厳しい状況のなかでスタートからゴールまで安定したパフォーマンスを発揮し、この作戦の成功にタイヤメーカーとして力をお貸しすることができました」
![2021スーパーGT第4戦もてぎ 加藤寛規/阪口良平(muta Racing Lotus MC)](https://cdn-image.as-web.jp/2021/07/20110835/asimg__44I3987_4c60f630225a1c8-660x440.jpg)